ErogameScape -エロゲー批評空間-

akann0721さんの迷える2人とセカイのすべての長文感想

ユーザー
akann0721
ゲーム
迷える2人とセカイのすべて
ブランド
Lass
得点
70
参照数
1690

一言コメント

前作、少女神域は散々な言われようでしたが、少なくとも今作は「地雷」呼ばわりされるようなことはない出来だなと感じました。まあ無難にまとまっていますね。肝心の戦闘描写ですが、11eyesのような「派手さ」はありません。戦う敵のスケールも大きくないので、「燃えゲー」を期待してると肩すかしをくらってしまうかも。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想


では細かく見ていきますか。
キャラ(主人公含む)、音楽、シナリオ、Hシーン、原画(CGや立ち絵など)各項目を5段階評価(★3つで及第点)していきます。


●キャラ ★★★
大正義、草壁美鈴さん級のキャラはいませんでしたが、中の上くらいのキャラが多かったです。うゆうゆ星人のような不快キャラはいなかったのもポイント高いです。

ヒロイン勢を好きな順に並べると
フィア(ロリ)>>>那由他>乙羽>桃華>フィア(大人)>鈴蘭>>>>>奈々

僕はロリコンなので、勿論一番好きなのは幼少期のフィアちゃん。
無垢でかわいいですよね。僕も「パパ」と呼ばれたいです。
ロリコンの皆は絶対フィアちゃんが成長するに従って涙を流すはず。
ええ、確かにフィアちゃんが精神的に成長する姿そのものにも感動して涙を流しそうになるけど、僕は違うんです。
「なんだ!この大きいおっぱいは!僕はつるぺたのちっぱいが好きだったのに!」こう叫びながら涙を流すのです。悲しいものです。
最早僕にとってロリなフィアちゃんと成長したフィアちゃんは別のキャラなのです。上記で分けたのはそのためです。

二番目に好きなのは那由他ちゃん。
Lassおなじみの広原一族ですね。
普段は破天荒で周りを寄せ付けないような態度をとるのに、実は思いやりがあるというそのギャップにやられますね。鏡音●ンさんみたいな見た目とゴスロリ衣装も僕好みです。序盤、実は見た目以外はあまり好きではなかったんですが、ユーベルリートによって那由他の裏切りが発覚した際、今までの人生の目的であった復讐よりもフィアや主人公と一緒にいることを選び、主人公に事情や想いを正直に吐露したところで彼女の真っ直ぐさに惚れました。いいキャラですね。

三番目は乙羽ちゃんですね。
乙羽ちゃんは主人公に過度に依存することもしないし、どこかの幼馴染のように「うゆ・・・うゆ・・・」とうるさくもないので、なかなかいい幼馴染キャラだったと思います。主人公のことをよく見ていて、フィア√では主人公がフィアに惚れてるのを真っ先に察知し自分は身を引いたりしていましたね。どこかのうゆうゆ星人も主人公と自分だけの閉鎖空間を作って足を引っ張るような真似ばっかりしていないで、乙羽ちゃんを見習おうね。

四番目は桃華ちゃんですね。
いいじゃないですか、クール青山ゆかり嬢も。
印象に残ってるのは海の家で着ていた水着ですね。
「痴女やんけ!」とツッコんだのは僕だけじゃないはず。

フィア(大人)は置いておいて下から二番目は鈴蘭ちゃんですね。
この娘は前かがみの立ち絵がエロいし、いつも誘ってるようなオーラを出しててビッチくさいのがかわいいですね。下から二番目になってしまったのは、何故主人公のことが好きになったのかがわからなかったからです。乙羽の友達として初めて登場した時には既に主人公のことが好きオーラが出まくっていたし、せめて過去回想で鈴蘭が主人公に惚れた場面を入れて欲しかったですね。理由もわからず、最初から好感度MAXは萎えてしまいます。

ヒロインズワーストは奈々ちゃんですね。
この娘も鈴蘭と同じで何故主人公のことを好きになったのかがわからない上に、序盤からタカビーすぎて苦手意識があったせいで、デレても悪いイメージを払拭できませんでした。

・主人公について
よくいる朴念仁タイプの主人公ですね。このタイプ特有の 
ヒロイン「ボソボソッ」 
主人公「なんか言ったか?」 
ヒロイン「なんでもないよ(赤面)」
もみることができました。
正直なんでモテてるかわからなかったのですが、乙羽√の海の家パートで女性客を惹きつけられる程のイケメンだという描写があり、モテる理由がわかったと同時に悲しくなりました。
また、世界とフィアとどっちを守るかという局面に立った時に、大して悩まずにフィアを選択できたところには好感を持てました。
ダメな点は例えば乙羽さんの√にて

主人公「誰かとの縁とか絆っていうのは、とても大事なものだ。簡単に失いたくないし、諦めたくない。何百年も生きてきたなら分かるだろう?(キメ顔)」
ユーベルリート「人と人との絆?はっ、何を甘っちょろいことを!歴史の中で、人間がどれだけの血を流してきたか、知っているでしょう!!」
主人公「そ、それは・・・」

こういうところですね。勢いだけでかっこいい言葉を並べてしまうのは痛々しいと思います。薄っぺらすぎるし、敵に正論吐かれて言いよどむのも面白すぎますね。Knsk主人公ばりに爆笑してしまいました。

●音楽 ★★★★
ここのメーカーはOPがいつもかっこよくて音楽に関しては満足ですね。
少女神域のときも思いましたけど、marinaさんがいい歌声してるんですよ。
グランドエンディングに関しては今回naoさんが歌ってるんですね。
ハッピーエンドだけにとてもかわいい曲で、口から脳みそが出てきてしまいました。
そういえば今回彩音さんはノータッチなんですね。一曲くらい歌って欲しかったな・・・

●シナリオ ★★★
「少女神域のように投げっぱなしになるのではないか」そう疑念を抱いて買いましたが、いい意味で期待を裏切られたと思います。尺は共通が6時間程度、個別が2~3時間程度でした。無いに等しかった前作の個別√と比べると頑張ったのではないかなと思います。
中身の方も前作でつつかれたところを改善しようとした努力の跡が見て取れました。

・登場人物が必要最低限
前作は登場人物が多すぎて混乱してしまったんですよね。今作は異世界編でも元の世界の登場人物を使いまわしていたので、無闇に登場人物を増やさずに済めた点がよかったかなと。

・登場人物が死なない
前作では気に入ったキャラ(葵ちゃんだったかな?)がいきなり死んでしまったり、後半にさしかかると人がバンバン死んだりと、「とりあえず殺しておこう」のオンパレードだった記憶があります。今作ではフィアの奇跡によって実は誰も死んでないんですよね。まあ奈々あたりは無理に仲間にせず、奈々√以外では殺してもいいんじゃないかと僕は思ったので、少しいきすぎてしまった感はありますが、前作からの脱却を図りたいという想いは伝わってきました。

・風呂敷を一応畳んでいる
前作はこれが全くできていませんでしたが、今作はできていましたね。

フィア以外の√でエンディングを迎えると、“2人”のセカイは交わらない
→フィアと一緒に元の世界に帰還しなければならない
フィアと一緒に元の世界に帰ることがこの作品の目標部分であるとわかりやすいですよね。
そこに向かって進んでいるとわかるので、納得して終われるんですよね。前作はラストでどこに持っていきたいのかわからないので不満があったのかなあって。


桃華√で「いくら加速しても物理攻撃ではユーベルリートを倒せなくね?」などいろいろ気になった点もありましたが、シナリオは及第点だと思います。

●Hシーン ★★
これに期待してはいけないとわかってはいるのですが、いくらなんでもシーン数が少なすぎますね・・・
各ヒロイン2シーンずつ(フィアだけ3シーン)しかない上に、フィアは挿入ありのシーンが1シーンしかない。しかも挿入ありのシーンは大人バージョンのフィアとなんですよ。ロリコンの皆は涙を流しています!
使えたのはロリフィアと一緒にお風呂のシーンと、狂った主人公が奈々を犯すシーンくらいでしたね。

●原画 ★★★★
少女神域と同じメンバーが担当しているみたいですが、絵柄は少女神域よりもかわいくなりましたね。ただ、主人公や六連星などの男キャラの顔は少し濃すぎるような・・・
まあ主人公はイケメン(笑)らしいので、ショタ系の絵柄を持ってこられるよりはいいんですけど・・・


●まとめ
まあ次回作も買おうかなと思える程度の出来にはなっていました。
しかし、下北沢ダイスケ氏っていったい何者なんでしょうね?
勿論るー●ぼーいさんではないですよね。彼は声優業で忙しいみたいなので。