これはキスゲーではない。では何ゲーなのか?私はこれを闇鍋ゲーだと答えたい。
人の考えていることがオーラとして色のように見える主人公。そんな主人公が突然空間から出てきた消えそうなナノと出会い、事故キスしたらナノの存在が安定してしまって。以降、押しかけてきたナノに世話を焼く話。
なるほど。だから副題が「あなたのキスで捕まえて」か。キスゲーかー。とか思ってたら、開始数十分で実はキス以外(おっぱい触るとか)でも姿を安定させられるという事が判明。しまいには共通ルートにも関わらずキスでは安定できなくなって、エッチする。分類的にはキスコメアドベンチャーだけど、キスはそんなに大事にされてない。まぁ、回数は多いけど。
では、何ゲーか?と聞かれたら、闇鍋ゲーであったと思う。タイトルやあらすじから想定できる範囲外のモノが色々入ってた。
1点だけ中身を先行でネタバレすると、この作品には豊富なレズシーンが入る。レズがダメな人にはお勧めできない。
以下ネタバレ豊富なので、そんな闇鍋の中身を知りたい人だけどうぞ☆
①豊富なレズシーン
②豊富な触手、スライムプレイ
③疑似ちんこを生やすヒロイン
④豊富な複数人数プレイ
⑤主人公女体化&モブ男に襲われる展開
⑥ヒロインによるヒロインの寝取られ注意報発令
⑦ある意味タイトル詐欺
具材としてデカいのはこの辺り。
まず、ナノの妹である「シェリィ」というヒロインについて触れておく。彼女は茅沙がお気に入りのレズビアンです。
作中のレズシーンの多くは彼女が関わるもので、どのルートにも満遍なく入れられる。例を出すなら、ナノの回想枠11個のうち半分は他のヒロインとの絡み。
私が「ある意味タイトル詐欺」「寝取られ注意報」と書いたのは沙羅奈ルートについて。
沙羅奈ルートは、ナノが消えない為の特訓と称して、真乃×ナノ×シェリィのレズ3Pが入ります。(一応回避も可)この3Pはヒロイン達が自発的に行うものであるのがポイント。そして選択肢によってはシェリィが疑似ちんこを生やして、真乃の処女を奪うような描写まで入る。その後のヒロイン達は特にお互いを意識するでもなく、何事もなかったかのように話は進むのですが沙羅奈ルートでのシーンなのに、メインである沙羅奈よりも強烈なインパクトのシーンだった。詳細は後に書くが、沙羅奈ルートではエピローグもナノと沙羅奈のキスシーンで終わる。ある意味タイトル詐欺と言われても仕方ない。
まぁ「あなた」が主人公だとは言ってないしな…。
他に挙げた要素については個別シナリオ感想に書いておく。
シナリオとか。
共通ルートはナノやシェリィとのドタバタを軸に、科学部と情報科学部とで部室の争いをする話。沙羅奈が国家権力の後ろ盾を持っていながら、相手顧問1人を黙らせられないのは、人付きあいが苦手といっても説得力が…。
実験によって相手を納得させなくちゃいけない事になるのですが、主人公が考える実験内容が「ナノの超能力」とか「自分のオーラ能力」とか「ムルムルやシェリィの力」とか。茅沙ルート以外は結局ナノやシェリィの超能力を使って上手くごまかして部室は守ったぜ!になるのですが、なんだかなぁ。
前に出てただけなのに、主人公の手柄になるのが…。
ここからはプレイ順で個別ルートの感想など。特殊なシーンについても記載する。
ナノ
超能力を制御する一環で主人公と距離を置くのですが、主人公の鈍感っぷりが控えめに言って、死んでしまえ。
離れたり冷たくされたり。無自覚な言葉を浴びせられたナノが寂しそうにするのに、自分がナノを好きなのかどうなのか分からず、主人公は流されるままに何度もナノを抱く。主人公の鈍感ぶりにキレるシェリィに同感してしまった。結果、「私が居ると迷惑なのかなぁ」とナノが追い詰められてラミルが暴走。ここで真乃ちゃんのスライムプレイ。茅沙も含めて姉妹でのスライム触手丼。さらに、茅沙×シェリィの触手プレイが入る。
ナノが本当に消える段階になって、ようやく自覚した主人公が告白、暴走止めて解決!と思いきや、さらにシリアス。今度は一緒に居るために主人公が改めて距離を置く展開。結果、ナノが「やっぱり私が居ると迷惑なのかなぁ」と感じ、うじうじ。それさっきも見たよ?結局ナノはシェリィのアドバイスで自分から一度消えて、体質を直して主人公の元に帰ってきて終わり。
メーカー的にはこれでホロリとさせたかったようですが、無理があった。
似たような展開を2回見せられた上、相手の気持ちを考えない主人公にイライラした。
沙羅奈
ラミルモドキに主人公が意志を乗っ取られてヒロインが次々と襲われる(ただしエッチしたのは沙羅奈だけ)
学校でナノが主人公に接近してきたのをきっかけに、操っていた本体の姿が現れてナノ×茅沙のスライムプレイ。
なんやかんやで沙羅奈が騒動を収めて、主人公が告白して付き合うことに。と、そこはまぁいいのですが、
「こんな結果に辿りつけたなら、あの変なスライムにも感謝かな」
という、一連の騒動に対してのこの感想…。巻き込まれた他のキャラの事何も考えてねぇ。
ナノが消えてしまわないために色々と調べた結果、
沙羅奈「主人公と同じ磁場、空間、熱、感触、触れ方でキスをしたらナノは消えない!私もヤキモチ焼かないし!」
ナノ 「そっか!女の子同士なら迷惑かからないんだ!」
沙羅奈「でも主人公君も大事な要素だから、私たちがキスするのを目の前で見てて?」
という結論に達しが沙羅奈が、主人公の代わりに目の前でナノにキスして解決?
序盤で触れられた歴代科学部の謎は謎のまま終わる。ただの便利キャラ・便利設定で済ませてしまっているので彼女のキャラはどうにも浅く感じました。
シェリィ
温泉でシェリィが薬を盛って茅沙×シェリィのシーン有。ナノルートの派生。
他のルートで見ていた感じ、彼女は正直ガチレズだと思っていました。男に絡まれそうになったところを主人公が助けたり、暴走したムルムルに襲われたところを主人公が助けたり。主人公の事を見直して認めるところまでは分かるんです。ですが、そんな彼女が男に惹かれる?ガチレズが嫌がっていた男に簡単に惚れるもんなのか??正直、攻略ルートが存在すること自体が間違っているのでは?
そんなシェリィルートは終盤の分岐で2つエンドが存在するのですが、1つ目はともかく2つ目の展開が斜め上。
エンド1
初体験がシェリィ×ナノ×主人公の3P。「こんな風に姉さんとするのも久しぶりだけど…」
ってあんたらこんな風にするの初めてじゃないんかいっ、と思わずツッコミ入れたくなった。
ナノルートと同じようにナノが力の制御をするために消えて、戻ってきて終わり。
エンド2
ラミルに同化された主人公が女体化。そしてモブ男に輪姦未遂、シェリィとおしっこプレイも入る。初体験がまさかのシェリィ×茅沙×主人公(女)の3P。分岐でペニバンが疑似ちんこになったり(主人公受け)
ラミルと完全同化した主人公がナノの制御をできるようになってしまい、主人公はなかなか戻れない。で終わり。
主人公の回想だけで計4枠。CG、立ち絵、差分と気合入ってた。
オチはあって無いような物ですが、好きな人は好きだと思います。
真乃
沙羅奈ルートの派生。こちらは真乃とだけエッチした展開。
作中唯一のまともな子。落ち着いて話せて母性的なこの子とのやり取りはほっとする。茅沙の気持ちを知っていたが為に、付き合ってからも主人公や姉に対して一歩引いた態度だったため関係がギクシャク。が、その問題はヒロイン達の間だけで解決させて、主人公は「結局茅沙は何であんなに怒ったんだろう?」で終わる。何があったかサッパリだけど、gdgdされるよりはマシか。
そこからは主人公とイチャイチャ。マトモなデートイベントがあることに軽く感動してしまった。温泉で主人公が買ってあげたプレゼントを付けてくれてるのは嬉しい。
ここまでほんわか進行でしたが、ナノと超能力の訓練をしている中で、真乃が超能力に目覚めてしまいラミルと共に消えてしまう急展開。そこから3か月後にラミルと一緒に帰還。成長したラミルによりナノは前よりも消える回数が少なくなって終わり。
この作品に足りないイチャイチャ分を補ってくれましたが、終盤やや駆け足で真乃の超能力について掘り下げも足らない。キャラは良いだけに勿体ないルートです。
茅沙
テンプレツンデレ暴力系ヒロインで苦手なキャラでした。勝手に焼きもち焼いてキレるシーンがあまりにも多すぎた。
沙羅奈ルートの派生。真乃ルートと同じ流れで茅沙とだけエッチした展開。
部屋に空いている穴に自分から入って抜けなくなる→抜こうとした主人公に触られて濡れる→主人公「そうだイカせてやろう!」
って、ギャグですか?いいから早く穴から抜いたれw
実験において、唯一科学(というか化学)的に相手顧問を撃退したのは爽快。くっついてからは甲斐甲斐しくなるのですが、ゴーグルと手袋着用で劇薬使って料理をする姿はなかなか斬新(味は美味しい)
茅沙エンドも2種類。
エンド1
ナノの主人公への好意に気づいた茅沙がナノも受け入れようとする。
主人公の意志は無視ですか、そうですか。それでもナノは能力を制御できるようになったらまた帰ってくることを誓って消える。主人公たちはナノの帰還を待つ。で終わり。唯一、ナノが消えたまま帰ってこないエンディング。
エンド2
ナノの主人公への好意に気づいた茅沙がナノに「いっしょにエッチなことしよ?」と提案。茅沙×ナノ×主人公の3P。
シェリィはシェリィで真乃に夢中、ナノと茅沙は仲良く主人公を取り合って「そのうち5Pもいいかも?」で終わり。エンディングのタイトルが「みんなでしよっ!」なのに、ハーレム展開はない。エピローグ後の展開なら本当に5P出来そうな感じだったんですが、なぜ入れなかった。逆に予想外だよ!
総評など。
最初からレズゲーとして売ればよかったものの、色々と中途半端。
色々と文句を言ってる割には私は楽しめた人です。真乃ルート単独だけならまぁ合格点。そういう意味で60点くらい付けようかと思ったが、どうしても言ってやりたい言葉があったのでこの点数とさせていただく。
クソゲーなんだよなぁ…これ。
以上。