(GiveUp) 主人公の活躍を期待しているならやらない方がいいでしょう。
評判が良かったので、このメーカーさんの初めてプレイする作品として購入。
個人的には
「主人公が正体を隠しつつヒロイン達と学園生活を送り、目的を遂行する」
という《恋する乙女と守護の楯》的なストーリーを想像していたんですが、いざ蓋を開けてみればとんでもない期待ハズレ。
上記のようなストーリーなら
・主人公が正体を明かす際のヒロインの苦悩
・主人公が正体を隠し続ける苦悩
・主人公のヒーロー的厨二展開
などいろいろ面白そうな展開の想像は出来るんですが、どうにもシリアスになりきらず軽いノリで通すシナリオのせいでまっっったく緊張感がありませんね。
この緊張感の無さを評価する方もいらっしゃると思いますが、自分は恋楯を比較対象にしていたので無理。最初にクレハルートに入ってそのあまりのユルさにグダグダ感を感じてしまって灯ルートの後半で放棄。
この軽いノリがメーカーの持ち味だったとして、このゲーム自体がシナリオの設定など関係無く、「ダラけ系学園ラブコメ」をテーマにして押し出した作品だったのだとしたら自分の期待が見当違いだっただけなのだと思います。一応プレイした印象では「ダラけ系学園ラブコメ」としてのテーマは果たせていると思います。
納得いかない点がいくつかあるのですが、一番は「主人公が恋愛に積極的」ということでしょうか。
正体を隠すという設定がある以上、「恋愛」には壁があるのは当たり前ですよね。むしろ正体を隠すシナリオでは醍醐味と言ってもいいと思っていますが、それをほぼ完全に放棄していたのはかなり納得が行きません。
灯ルートで、「主人公の正体がある以上灯とくっついても灯を悲しませるだけだ」という至極正論を言っている爺さんに、具体的な解決策も無ければ灯と相談したわけでもないのに「俺はそれでも灯とくっつくんだぁー」と個人的な感情論のみで殴りつけるという自分勝手すぎる主人公を見てから「あぁ、このゲームは俺の期待とは真逆の方向だわ・・・」と理解しストップ。本日の夕方には中古ショップへ足を運ぶことになりそうです。
もともとクレハルートのダルい展開で大分やる気は失せていたんですが、この展開はトドメでしたね。
というか、萌えはまぁまぁなんだろうけど主人公の問題が解決していないのに萌え展開するから違和感MAXです。普通「主人公がヒロインに好意を持つが自分の正体を隠していることに苦悩する」という展開に入ると思うんですが、見事にすっ飛ばしていたのはびっくりです。
「重い空気になりすぎないように配慮した」といえば聞こえはいいかも知れませんが、解決すべき問題を飛ばすのとはまた話が違うと思います。
クレハルートと、灯の後半までしかやっていませんが、萌えは(正体問題が解決していないせいで)まぁまぁ、展開はダルい、ギャグは寒い、バカゲーとして見るにはテンポが悪い等、いろいろ中途半端な作品だったと思います。
まぁ、主人公に期待しすぎたというのが原因でしょうか。