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ajifly00さんの邪!! ぱんでみっく(しまぱん学校霊と擬人化H)の長文感想

ユーザー
ajifly00
ゲーム
邪!! ぱんでみっく(しまぱん学校霊と擬人化H)
ブランド
Kur-Mar-Ter(クルマレテル)
得点
35
参照数
1821

一言コメント

(GiveUp) 盛り上がりに欠ける

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

Kur-Mar-Ter からの新作、「邪!ぱんでみっく」です。

進めていてちょっと気になったのですが、音声のマスターボリュームが低いですね。個人的な経験則で言わせていただけば、「音声が低いゲームは内容も中途半端な作品」というイメージができあがってしまっているので、メーカーと合わせて少々不安になってきます。

シナリオ面を見てみますと、ちょっとぶつ切りなイメージがあります。たとえば序盤で主人公が帰り道に母親から買い物を頼まれるシーンがあります。普通のエロゲ展開ならばここから店で電波系もしくは元気系ヒロインに出会ってさながらデートもどきな甘酸っぱい空気をまき散らして公害になるところですが、このゲームは何故か主人公が「仕方ないな・・・」的な空気になった後、唐突に主人公の部屋のシーンへと移動し、「そんなこんなで今日も一日をすごした」的な文が一行表示されてその日のシーンは終了します。

普通この手の「そんなこんなで今日も一日を過ごした」という文はヒロイン巡回型のゲームで、どのヒロインとも出会わなかった日の夜シーンに表示されるようなものなんですが、序盤で、しかも初めての夜シーンでいきなりこれをカマすとは中々侮れません。猛烈に不安が蓄積されていきます。

また、妙に目につく「会話のつまらなさ」。このライターさんはどうやら「面白い会話を継続させる」というのは苦手なようですね。一発ネタのようなパッと出のギャグ(しかもつまらない)で話題をふったかと思えば適当にキャラが笑ってすぐ消沈。そこからのテンション上昇も何もなく、あるのはむなしさだけという。こういう文章を読むゲームのプレイをユーザーに持続させるためには「話題の継続」というのは重要だと思うんですよ。

そして毎回唐突過ぎるほどに一日が終わります。ぶつ切りなんでものではなく、完全にその時点での話題を遮断してしまいます。

心霊写真を撮ろう!という話になり、心霊写真にトイレの花子さんが写っていたというシーン、普通ならこのままトイレの花子さんに関する話題になり、そのまま現場へ向かうという素人でも考えられるような話の展開が想像できるでしょう。しかしこのゲームは見つけた!怖いね!そこで終了。唐突に日付が変わります。後日に持ち越すにしてももう少し書き方や状況説明があってもいいんじゃないでしょうか。さすがにこれにはあきれました。

そして淡泊かつ盛り上がりに欠けるテキスト・・・ホント、正直言って面白くないです。

まず、トイレの花子さんが赤マントと勝負した際、便器の汚れを発見し花子さんが勝つというシーンがありますが、あまりに淡々と事が進んでいて読む者を置いてきぼりにしてくれます。

トイレの掃除対決! → どっちも同じくらいきれい。できれば花子さんに勝たせたいけど → 不安になる花子さん → 主人公、普通に赤マントの掃除した便器の汚れを見つける → 花子さん、とくに驚きもせず普通に喜ぶ

ここはもう少し赤マントが悔しがったり、花子さんが驚いてもいいんじゃないですか?仲間達の反応も淡泊の一言で、もうユーザーとしては眺めるように展開を見ているだけになっています。

このライターさんの文章の書き方、俺は嫌いですね。結果的にシナリオが全く盛り上がらず、ギブアップとしました。