よくある王道のお話を丁寧に書き直したシナリオだと思います。
うーん・・・・。
この手の感動モノはプレイ後に酔ってしまってつい高評価をつけたくなるのですが、そこを冷静に少し考えた上で評価を書きます。
実際の所、最後まで楽しめました。それは言い切れます。面白かったです。物語の先が気になってしまいつい止め時がわからずぶっ通してしまいました。
ただ・・・プレイ後に改めて考えてみるといろいろ思うこともありますね。
そもそも、基本的に話の流れが読める・・・つまりはどこかで見たことがあるようなお話だったということ。
主人公が道で拾った謎の少女が何か超重要な存在で、最後には少女が役目を思い出して事件発生・・・うーん、ファンタジー物だとよくある展開じゃないでしょうか。その他の要素も、主人公の兄の件だったりネルヴィスの動機だったりあらかた他の何かの作品で見たことのある展開でした。
はっきり言ってしまいますとこのお話はよくある王道のお話を丁寧に書き直しただけのように思えて新鮮味を感じませんでした。これは王様ルートに入った頃にもう確信していたんですが、この時点でこの作品に80点以上をつける気はありませんでした。
ちなみにあの終わり方(ユースティアルート)も作品の中盤ぐらいで9割がた予想出来ていたので特に切なさとかは感じませんでした。この点は物語が王道だから予想出来たため、この点でも-3点を引かせて頂いています。切ない終わり方というのは物語に没頭していれば没頭していただけ感動を感じさせてくれますが、そこをあえて冷静に考えてマイナス評価です。
ですがこの作品を楽しめたのは紛れもなく展開を王道なりに丁寧に構成されていたためであり、その点には素直に評価しています。
しかしテキストがどうにも軽い・・・というか淡泊なのが少し気になりました。たとえばユースティアルートの最後、エンディングを迎える直前の部分など、もう少し長くてもいい気がします。
<以下※までネタバレ>
ユースティアが消えるというか土地と同化して主人公と意識間で多少会話するシーンですが、ユースティアとの過去を回想させるなりしてもう少し彼女の存在感をプレイヤーに再認識させるべきだったのではとも思います。もちろんこれはこれで変に長すぎずサクサクとシナリオを進めるための措置だったのでしょうし、私が物足りないと思うのも個人の主観なのですが、このように感じるシーンが多々あったので少し気になりました。システィナのあまりにもあっさり過ぎる死に方(というか、明確な最後のシーンすら排除されてるあたり・・・)等もキャラが気に入っていただけに残念に感じました。この点で私からの評価はさらに-10点といたしました。
<※ネタバレここまで>
まぁ何度も言いますがプレイ自体は楽しめた訳ですし、プレイ後も満足感を感じているのですが多少気になる点もあるということでこの評価とさせていただきました。
細かいところはPOVに。
追記
思い返してみると、問題って結局解決していないですよね?ジークと仲を戻ったわけでもないですし、とりあえず危機は免れましたってところでお話が終わりますので伏線や問題が放置したままな気がします。
散々「丁寧」という言葉を使ってきたんですが、少し考えたものですね。丁寧というよりはシナリオライターの書きたかった結末をそのまま書いただけのように思えてきてしまいました。
やっぱり、プレイ直後はダメですね。どうしても作品への評価が安定しません。こうして少し落ち着いて考えてみるとよくわかります。