ところで結望先生はどうなったわけ?
前作より、厨ニ要素が薄まり取っつきやすくなった良ファンタジー作品
シナリオ 48/60
キャラ 16/20
音楽・歌 07/10
CG 09/10
その他 0/0
総合評価 80/100
エフェクトの重さのせいか『幻創のイデア』よりもずいぶんプレイ時間かかったような気がしました
■シナリオ
相変らずシナリオ構成は上手く、飽きさせない息もつかせぬ展開はお見事
前作よりも全体的にグレードアップしていて、特に着目したいのは戦闘シーンでしょうか
燃えゲーの要ともいうべきここが前作は不満だらけだったのですが、今回は心理戦要素などを詰め込みボリュームも改善されています
ただ、センリSIDE限定となってしまっていて実におしい
また、今回はラストも前回ほど雑な作りにはなっていないので大分良くなっています
黒幕の小物臭やラストエピソードのチープさはまだまだかなとは思いますが・・・
それより深刻なのがそれぞれの主人公の√の出来でしょうか
◆陽斗サイド◆
・あまりにお粗末すぎる幼稚な思考と行動
・戦闘シーンに緊迫感がまったく感じられない上大半が似通った内容で、敵対する相手も身内で緩い展開が多すぎる
・前作は良くも悪くもクセの強いヒロインのおかげで日常のメリハリなど多少カバーされていたが、今作に至ってはあまりにも普通系ヒロインの為、全体的にマンネリ状態
・主人公に「フェアじゃない」とかいう変な口癖属性を付けてしまった弊害でかなりのウザキャラに・・・
・この√の主人公は実質あさひで陽斗はヒロイン
◆センリサイド◆
・シナリオの展開がこちらの方が良くできている
・戦闘シーンは心理戦が主軸で緊迫感があり、ボリュームも上
・ヒロインとの関係性がシナリオにもスパイスとなっていて日常などもメリハリが出来ている
・ユーザーの受けが良い冷静なカッコイイ系主人公
・フィオナはリノン様と肩を並べる良ヒロイン
■グラフィック
前作と同様に素晴らしいです、人物、背景ともに美麗という表現が一番しっくりくる
上手いとか綺麗と言うよりただただ「美しい」
ただ、そのせいかHシーンも抜けるエロいでは無く美しいなんですよね・・・
■総評
3rdEyeは順調にステップアップしている
前作の不満要素も改善したりと、努力も至るところで見えます
ですが、一言言わせていただくと複数主人公に頼るのは今作で終わりにした方が良いでしょう
良いシナリオを書こうとすればするほど、主人公の格差が広がっている傾向にあります
当然ながらプレイしているユーザーは、出来の良い主人公側に感情移入しやすくなってしまうので、この時点で「2人の主人公」という設定は破綻してると言えるでしょう
今後は3rdEyeの十八番であるザッピング視点だけを残しつつ、主人公は一人で展開していった方が俄然印象が良くなるのではないかと思います
前回も言わせていただきました改善要望をもう一点、声を大にして言いたい
【いい加減、個別をおまけアペンドパッチのような作り方するのやめろ!】
シナリオで恋愛要素を入れておきながら投げっぱなしで終わらせたあげく、経過や結果も書かずにアフターだけを用意するのは本当に気持ちが悪い
エロゲーはHシーンがあればいいわけではありません、そこに至るまでの過程ももちろん重要であり、それがあってこそのヒロインです
次回作はシナリオに個別√がしっかり組み込まれる事を切に願います