娼館、牢獄、羽、浮上都市、終わりの夕焼けの輝き、大崩落と初めから世界に引き込まれた 自由に過ごすことのできない牢獄で暮らしている人々 黒いバケモノが出るという地域の噂を調べ居ていくうちにお偉方の怪しい噂、世界の謎とだんだん大きな物に関わっていく
以下雑記
カイムのことを思って羽を浄化する苦痛に耐え、母天使である初代聖女の抱いていた人間への恨みもはねのけ
最後には地上も浄化した強く美しい心の持ち主であるユースティア
・なぜタイトルが「穢」翼なのか
神や天使側の視点から見れば、人間というのは何度も自分たちを裏切った下らない種族である
初代聖女は子であるユースティアに、天使として人間への恨みを果たしてほしかった
しかしカイムに拾われ牢獄で生活し様々な人間と出会い、カイムに愛情を抱き、結ばれることで最後は人間に堕ちた
そして神がすでに見放した、いわば敵ともいえる人間側になってしまったユースティアの翼は穢れているといってもよいだろう。
清廉な家柄に生まれたフィオネは国に殉じることが運命であると思っていた
操り人形として育てられたエリスはやりたいことを探るようになる
スケープゴートとして生活していたが内心では天使の信奉者であったコレット
すべてから目をそらしていたリシアは自分の目で判断するように
・カイムの葛藤について
苦しみながらもただひたすらにカイムのことを想い続けているティアの心情を知っている我々からすれば、
「カイム~、早く、助けに行けとまでは言わずとも顔くらい見せに行ってお話くらいしに行ってやれよ~」と思うだろう
自分もそう考えながらプレイしていた。
しかしカイムは、育ってきた境遇や、世の中は不条理だと散々説いてきており、自分のことを現実主義者、理屈主義だと思いこんでいる
周囲の人たちからも優しいといわれるがそれを受け止めていない。
母と兄から言われ、呪いのようになっていた、生きる意味を見つけなさいという言葉にも視界を濁されていたことだろう
現実主義者として半生を生きてきた中で出来上がっていた頭の中の自分
情に厚く優しい心の中の自分とで苦悩していた
それぞれのヒロインとのやり取りからもわかるように相手を尊重した言動を取っていたが
これは却って、自分の判断基準を持ってないともいえる
だからこそ、ルキウスやジークにはその場に流され、自分を持っていないといわれた
理屈では世界を救うためにティアが犠牲になるのは仕方のないことだと思うようにしていたが
本当の自分は全く納得していなかった。それを無理やり納得させていた。
カイムはいつだか「生きる意味なんてものは贅沢品だ。友人を犠牲に守るほどのものじゃない」と言っていたように、自分ではわかってはいた
自分が死ぬ時に後悔しない生き方をするということが生きる目的なんだと気づき、それにはティアが必要だとわかり、終幕へ向かう
「仕方のないことが多すぎる、あらゆるものが不条理に彩られている」
過酷な環境の中で生きている牢獄の人たちを見て、自分がいかに恵まれた中で生きていけているのかと思わされた
過酷な中でも自分の価値を見つけて生きている人もいれば不条理の前に打ちひしがれただ時が過ぎていくだけの人もいる
家系が生きる道筋になっている人、人形だった自分から抜け出しこれから見つけていこうとする人、夢に見る信仰に生きる人、大勢の上に立ち良き道へ導こうとする人、愛する一人のために人生を使った人
自分は死ぬときに何を思うのだろうか。
ずっと生きる意味を探していたヒロインは世界のすべての羽付きを癒し、墜落しかけていた都市を救い地上を浄化するという役割を果たし、愛する人を救った。
後悔することなく幸せに逝けたのではないかと思う