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afv2021さんの夜が来る! -Square of the MOON-の長文感想

ユーザー
afv2021
ゲーム
夜が来る! -Square of the MOON-
ブランド
ALICESOFT
得点
80
参照数
593

一言コメント

最初からOPまでの雰囲気が抜群に良かったホラー風現代学園モノRPG

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

簡潔に言えば、ホラーな雰囲気がある学園育成SLGとダンジョン探索タイプのRPGの混合作品。

主人公は微妙な“察知能力”をもつ超能力の持ち主で、学園で先輩を飛来してくるボールから助けたことから特殊な天文部に誘われる。
天文部は表向きで、実際はそうした能力者を集めて、夜の街に徘徊する怪物と戦う事を目的とした所謂正義の味方的なグループであり、主人公も参加することに。

ゲームシステムは基本的に育成SLGとダンジョン探索RPGで、一定の期間を過ぎると合間にADV的にストーリーが進展していき、特定のイベントダンジョンをクリアすると先に進むというモノ。

ヒロインは4人おり、育成SLGでの訓練を誰とするかと、ダンジョン探索でのパートナーを選ぶことで、特定のヒロインのルートになっていく構成。
しかしながら基本的にはストーリーは定まっているので、中間ボスとかラスボスなどは同じ展開。

イベントダンジョンではない、平時の訓練ダンジョンは、ローグ式のランダムダンジョンで、3Dダンジョンだがクォータービューの見下ろし型で、立体ダンジョン内を彷徨うタイプではない。所謂トルネコタイプのダンジョンRPGである。
イベントダンジョンは基本的に変わらないが、ランダムダンジョンなので、周回プレイでもあまり飽きない作りにはなっている。
とはいえ、基本ストーリーは大きく変化しないので何周かするとさすがに飽きがくる。

主人公の成長と武器の製作が連動しているので、能力値が足りないと強力な武器を製作できても装備できない。しかし成長させる為には学園育成パートで成長させなければならず、その為にもダンジョンで育成の為のポイントを稼がねばならないが、弱いうちはあまり稼げないので成長も遅々として進まないというジレンマが。

アリスソフトらしいなかなかゲーム性の高さもよかったが、何より最初からゲーム世界の雰囲気への引き込まれ方が強くかなり楽しめた。当時のアリスソフトにしては珍しくパートボイスありで、キャラが喋ったのも印象的だった。

しかしながら今プレイするにはややダンジョンRPGパートの単調さと作業感があり、時間にゆとりがなければ全キャラクリアなどは出来ないのではないかと。

それでも当時の熱中してプレイしたことを前提にやや高評価。