インテリぶってるけど嫌味ったらしく無い。シナリオ、BGM、CG全ての面で高水準の作品。
衝撃的な作品だった。
ウィトゲンシュタインとか作中で頻繁に引用される哲学とかの面で語られることが多い作品だが、確かにそういった知識を持っているのならば深く考察することでより楽しめると思う。しかしこの作品の良いところはそういった分野に明るくなくても一つの作品の中でそれらの象徴たるキャラクターがメタファー足り得ているので十分に作品世界に没することが可能という懐の深さが感じられる。
複数の視点から語られる物語、それぞれのEND（BAD?）を迎えながら先へ先へと進み、最後の最後でのメッセージ。伏線の回収も鳥肌が立つくらいに、丁寧に回収していってくれました。
物語はウィトゲンシュタインの論考から独我論の正当性を示し、最後の「幸福に生きよ！」という引用が作品のテーマであり、その後の終ノ空IIENDで偏在転生観で締めくくる。
各EDのヴォーカル曲や作中のBGMも非常によくて物語を盛り上げてくれてました。
Hシーンに関しては、少々特殊な性癖の物が多く、感情移入してしまうだけに思わず目を背けたくなるようなシーンもあり、刺激的でした。（実用的かは別として）
キャラクター自体も、メインどころのみならずサブも非常に生き生きとしており良かった。
テキストの表示の仕方なども工夫が凝らされており、今見ても斬新な表現方法と思える。