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abilisさんの青い空のカミュの長文感想

ユーザー
abilis
ゲーム
青い空のカミュ
ブランド
KAI
得点
85
参照数
2224

一言コメント

某き〇らに出そうな娘が凌辱されるだって!? ⇒プレイ後⇒ なんだこの業界のメタファーは!!??

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

【プレイ前公式覗くぼく】

何このかわいい娘達!なんかまんがタイムき〇らに出てきそうやな!!

しかも美麗な雰囲気や!これはおもろそうじゃないの!!



【公式のギャラリー覗くぼく】

えっ!!?こんなかわいい娘達が凌辱されちゃうの!!??


『愛の無いプレイを強要されちゃうの!!!??』


『あんまりだろ!!!!!』



『酷すぎるだろ!!!!!!』




『『買うわ!!!!!!!』』(固い決意)



【完クリしたぼく】



『これだよこれ!求めてたものまんま来た!!』


なんていうか

ラーメン屋で
ラーメン頼んだら
ラーメン出てきて
おいしかった。

というか、

「思ってたものでてきてボク満足!」

な作品だったよ!

うん、まぁ、「どんぶり小さくない?」とは思ったけど、
いやいいよ!こういうゲームなかなかないから、もう存在してくれるだけで満足だよ!!



『というかこのゲームをエロ目的でホイホイプレイしたらかなり痛い目みたよ!!』




あまりにも考察要素がすごすぎて、難解なんですよ難解!

物語的にも「え?バッドエンドなの?」という感想でちょっと落ち込んだよ。


『いやいやお前凌辱目的でプレイしたくせに、何バッドエンドで落ち込んでんの!!??』


みたいな状況に陥って、正直困惑してるよ!(なにこの感情!)



いやもう、エロそっちのけでこの物語の構造を解き明かしたくてね!

「公式サイトのコラム」とか「製作者のツイート」とか「考察サイト」とか
ずーーっっと眺めてたよ!(製作者の手のひらの上)

3時間ぐらい!(微妙)

難しくてあんまり分からなかった!(人生の貴重な3時間)

まぁ折角なので考察書くけど、見なくても別にいいように一番下に書くね。




【まとめに入るぼく】

という訳で、この美少女文学を堪能したよ!!

エロ目的でプレイした人は、ぼくみたいに手のひら返すと思うよ!
(勝海舟に対する竜馬みたく)

というのもコラムとツイッター眺めてたら、
〆鯖コハダさんのとんでもない熱量が伝わって来て


「これ、ちゃんと考察しないと、勿体無いな!!」

という意識にしてくれる程の熱量を持ってる作品だよ!


ここまで作家性が如実に出てる作品って久々にプレイしたので満足でした!!
それ以外だと、たぶんケムリクサっていうアニメが最後かな?(最近すぎぃ!)

KAIは凌辱ゲーも大好きだけど、
こういう作品も合間合間に入れてくれるといいな!






【考察したぼく】


〇基礎知識

カミュ=不条理を描いた小説家
   =性行為を暗喩のみで描くことも

〇キーワード

それは空に残ったひっかき傷(公式HP)

あの夏の三日間、僕たちは完璧になれた(公式HP)

誰が美少女(ゲーム)を殺したか?<コラムより>

私(美少女ゲーム)のこと愛してる?<コラムより>

人は何故、自分の大切なものを大切なままにしておけないのか?
何かを失う瞬間よりも自分が失ってしまったものを
そして失ったことをどう自覚するか<コラムより>

最悪の不幸の中においてさえ、真実に何びとかのことを考えることなどできない〈コラムより〉
⇒最悪の事態の際、一つのことだけを考えることは不可能、という意味




〇想像

青の世界=青いドアの家=完璧な世界=エロゲ

蛍=ユーザーor製作者

燐=オオトモ様=エロゲ会社or業界

黒の世界=青の世界と表裏一体。現実の不条理が可視となる世界

黒の世界のもろもろ=”なにか”=不条理

オオトモ様の好きだった人=今はいなくなってしまったユーザーor製作者



〇タイトル考察

 『青い空のカミュ』

説1.『エロゲ界の不条理』を描いたという宣言。
説2.『エロゲ界のカミュになる』という製作者の意志。


〇解釈

・蛍ちゃんの生みの親がオオトモ様。
  ⇒エロゲがあって初めてエロゲユーザーor製作者に
・黒の世界では、蛍ちゃんは”なにか”に幸運の権化として追われる身。
  ⇒現実でのユーザーの心の暗喩。常に追いかけられているという妄執。
   もしかしたらソシャゲやらなにやらから搾取される対象として見られてるのか。
・燐は、蛍ちゃんを守るために、傷を負いながらも”なにか”と戦う。
  ⇒ユーザーor製作者の心を守ってくれる存在
・隣町には行けない構造
  ⇒今更転職できない製作者目線か
・青の世界で二人は安寧の時を過ごすことができる。
  ⇒エロゲ中かな
・味覚が変わる燐
  ⇒しょっちゅう方向性が変わる製作現場の暗喩か
・燐には見えるけど、蛍には見えない景色。
  ⇒業界のしがらみ
・青の世界にはずっと居られない。
  ⇒現実「やぁ。」
・それは空に残ったひっかき傷
  ⇒蛍も燐もずっと一緒にいたい、大切だと思っているが、
   それだけをずっと考えていられる状況ではない。
   現実は学校、仕事、家族等の問題が多々ある。
   いくら愛していても、相手だけを永遠に考えることは不可能。
  ⇒最悪の不幸の中においてさえ、真実に何びとかのことを考えることなどできない
  ⇒つまり、エロゲをしていても、現実を垣間見てしまうという暗喩か
・無くなりゆく青いドアの家
  ⇒ドアなどは製作スタッフの暗喩か
   居なくなるや、ゲームの体をなさないという
・「いっぱいひっかき傷できちゃった。傷つきたくなかったけど。」
  ⇒蛍の台詞。縮小傾向にあるエロゲ業界の暗喩か。
・電車に乗ったのは蛍だけで、燐はその場から動こうとしない。
  ⇒もう進めないエロゲ製作会社
・「なんて綺麗な…完ぺきな世界。」
  ⇒電車により、蛍と燐が分かれた際の、蛍の台詞。
   〆鯖コハダ氏は『儚く切なく美しいもの』こそが
   美少女だと思っているようなので、<コラムより>
   その瞬間こそが、完ぺきな世界だったのかと。
  ⇒燐視点のため、ここで製作者=燐と解釈
・その後、蛍と燐の会話
  ⇒業界から製作者へのメッセージ
・紙ひこうき
  ⇒フラッシュバックする思い出
・完璧な世界(OP)
  ⇒ユーザーor製作者目線。この世界なくしても、完璧な日をずっと生きよう
・例えば月の階段で(挿入歌)
  ⇒前半:業界目線、後半:製作者目線
・青い空のカミュ(ED)
  ⇒製作者目線


〇感想

地獄か!?救いはないんですか!?

いや、この考察間違ってる自信あるけどさ!(返信まってます)