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abababababaさんのダンジョンクルセイダーズ2 ~永劫の楽土~の長文感想

ユーザー
abababababa
ゲーム
ダンジョンクルセイダーズ2 ~永劫の楽土~
ブランド
アトリエかぐや
参照数
1946

一言コメント

(GiveUp) 終わりなき戦い…

長文感想

既存の3DダンジョンRPG、特にスキルなどはDSの世界樹の迷宮などをかなり意識してる作りなので、
何がアカンのかその辺を基準に考えてみることにする。

・システムのもっさり感
戦闘も含めシステムがもっさりし過ぎている。
全体的に操作に軽快さがかけるというか、無駄な手順が多い。

・エンカウント率が無意味に高い
スキルである程度抑えられるものの、辛い。
前作よりはマシなの?どうなの???????

・戦闘が面白くない①
エンカウント率の高さと相まって苦痛を増やす要素の一つ。
前述のシステムのもっさり感のせいでスキル選択が面倒なので、
ザコ敵はほとんどオートで殴るだけに終始する。

・戦闘が面白くない②
今の大抵のRPGには、戦闘に張り合いを持たせるために
戦闘勝利時にお金や経験値に加え、戦闘でしか得られない独自の付加要素がある。
アビリティポイントみたいのとか、素材アイテムとか何でもいい。
この作品では、まあ強いて言えば魔氷石という要素があり、たまにアイテムとして敵がそれを落とす。
それを合成するとより強い魔氷石を作れたりするのだが、
それ目当てに猿のように戦闘できるほど魅力的な要素でもなかった。

・スキルのバランスが微妙
というか、スキルはまんま世界樹。
まんまだけにこの作品ではバランスが悪いけど、不満と言うほどではない。
ただ回復スキルがちょっと過剰気味。
そうでなくてもセーブポイントで全快できたり、
敵が回復アイテムをごっそり落とすので、かなりぬるい。
また、一人一人が悪い意味でバランスが取れすぎていて、
ある程度スキルを取ると全員、攻撃も補助もこなせてしまう。
ただ、世界樹のように大量にキャラを作れたり、
スキルの割り直しができるわけでもないので、これは仕方ない部分か。
あと、ダメージ床回避スキルがないのは何で?

・ダンジョンがひたすら単調
宝箱と強制イベントと高確率エンカウントしかないダンジョンを延々と歩くだけ。
これが辛い。
今時壁と床だけの風景しかないダンジョンを何層も淡々と歩き続けて、
それが楽しいと感じる人もいるのだろうけど、俺には無理だった。
またも世界樹を引き合いに出すが、
例えばあちらの場合はダンジョン内にFOEという呼ばれる種類の敵が徘徊しており、
それらの多くは、それに出会った時点のパーティで戦うには根本的に強く、
スキルを駆使して遭遇を回避したり、あえて挑んでみたりなど、程よい緊張感をもたらしていた。
同様に、エロゲの3DダンジョンRPGとして成功しているランス6で考えると、
あちらは道中に色々な寄り道イベントがあり、マップの制覇率によってアイテムが貰え、
戦闘などで冒険功績というものを溜めることでやはりアイテムが貰えたりする。
また、戦闘を何度か繰り返すとキャラの気力が尽きてパーティーから抜けてしまい、
長丁場ではキャラの入れ替えや組み合わせが戦略的に重要になる。
こうして考えると何というか、3DダンジョンRPGで3Dダンジョンが面白くないと言うのは
致命的以前にどこかコンセプトが間違ってるのではないだろうか?
RPGで作り手が冒険するのを怖がっててどうするんだよ。



ここまで書いたが、基本的にそれ程ひどいという部分はない。
面白くない上に長いから最後までプレイするのは苦痛だと思うけど、
エンカウント関係さえ見直せばクリアする気力くらいは沸くと思う。
ただそれでも、長さに対して圧倒的に遊びの要素が足りない。
今のコンシューマーRPGみたいに色々ゴテゴテ詰め込めとは言わないけど
なんか単調にならないための工夫がないと、同じよう作品幾つ作っても成功しないと思う。
あと、既存作品を指標にしているせいで、手段と目的が逆になってないか?
例えば「スキル取らせたいから一杯エンカウントさせよう」とか、そんな感じがするんだよね。
他作品から要素を取り入れるのは構わないと思うが、
その作品に合わせたアレンジは必要だと思う。

コンシューマーRPG並みの水準は求めないから
せめて最後まで遊ぶ気力の沸く作品を作ってくれと…。



ここまで読み飛ばした人のために三行で。
・もっさりしてる
・戦闘とダンジョンが疲れる
・ストーリー?そんなのあったっけ?

以上