究極の秋ゲー
【和】
本作はいろいろ印象的だけどまずは「和」です
学校の舞台が京都の清水寺なだけあってかなり「和」を感じさせる作品でした
まず教室が畳で生徒は椅子ではなくて座布団に座ります
また部屋の仕切りは扉ではなくて襖です
学生が生活する寮もすごくて俵屋根で炊飯用具は竈が用意されてます
それだけでなく主人公の笹丸も「和」が好きな志向で作中ではよくお茶を飲むシーンがあったり細かいところまで「和」を感じました
自分は「和」ってそこまで好きではない人かと思ってたけど本作を通じて「和」っていいものだと思いました
【音楽】
本作は音楽も素晴らしいです
冒頭で葉について説明するシーンのbgmが飛び抜けて好きです(後に若さんのテーマだと知り驚愕)
詩的な文章に「和」を感じさせる曲
自分はその時点でもう本作の虜になっていました
芸術家の霊峰こと夢見鳥学園に初登校したときのbgmも好きです
そこで登場する鬼武先生も只者ではないオーラを醸し出してこれからの学園生活にとてもワクワクしました
op曲は言うまでもないほどの名曲です
これまた「和」を感じさせる曲でイントロでもう鳥肌全快になりました
声もとても美しい声で歌ってました
【四君子】
本作が100点である大きな要素はこの四君子です
自分はこの四君子のみんながとても大好きです
四君子のみんなに共通するのはやっぱり相手を敬う強い気持ちです
お互いがお互いを尊敬し合っているのです
自分のことより相手を第一に行動します
また相手に感謝されても驕ることなく自分を低く捉えて相手を敬います
本作はそういう自分を下げて相手を上げるシーンが多くてぱっと見の印象では謙虚すぎとかここまでいくと卑屈とか思われるかもしれないです
自分も最初はそういう印象だったけどシナリオを進める毎に四君子の絆の強さを知りこれは謙虚とか卑屈とかそういうレベルで語れる領域ではないと感じました
心の底から相手を敬う気持ちが伝わってくるのです
だからこそ自分はこの四君子の関係性が大好きなのです
あと四君子のバカみたいなやり取りも大好きです
ずっと見てても飽きないです
●四君子が春 アララギ
みんなを明るく照らす四君子の太陽
自分はそんなアララギが大好きです
四君子の間だけでなくて誰が相手でも平等に明るく照らすすごい娘です
暗い雰囲気だったりピリついた雰囲気でもアララギが来れば不思議と場の雰囲気は良くなったりします
四君子ではよく春告とコンビを組んでツッコミ担当してます
アララギの場合はキレや勢いのあるツッコミではなく優しい口調でツッコミをします
たまに春告が暴走すると勢いのあるツッコミになったりでそれはそれで好きです
口が◇の形になったりいろんな表情をしてどれもかわいくて好きです
たまにボケるときもあってそれも好きです
ひよと笹丸のやり取りを覗き見するシーンも好きです
春告にこんなことしてていいのかな?って言うものの自分もがっつり覗きに参加してます
アララギはシナリオ上では割とかわいそうな立ち位置だと思いました
一周目では結ばれてもその後すぐ戻されておしまいです
ラストはそれを覚えた上でひよと乾杯をしました
●四君子が夏 笹丸
自分はこの主人公の笹丸はかなり気に入りました
最初は流石に謙虚通り越して卑屈すぎって印象でした
四君子のみんなと再会して素っ気ない態度とられても前向きすぎる考えで立ち直ったあたりで株価は上がり始めました
笹丸の過去が明かされて卑屈すぎることにいろいろ納得できてさらに好きになっていきました
彩生祭での笹丸はかなりかっこよかったです
彩生祭での「刮目せよ!」のところは痺れました
笹丸については書くとかなりの量になって大変なのであえて多くは書かないです
彼の魅力を一言で書くならやっぱり
“竹よりもなお竹らしい笹” です
●四君子が秋 ひよ
最初はあまり好きではなかったです
まず旦那様呼びはなんなのって思いました
特に序盤で笹丸と一緒に風呂に入ったときは最悪でした
「無条件で主人公好きになるなろう系かよ」
みたいなこと思いました
でもシナリオを進める毎にどんどん株価が上がっていきました
つらいいじめから助けられたことをきっかけに当時の笹丸と少しずつ話すようになりました
そこで笹丸の魅力を知りだんだんと好きになっていきました
笹丸にとってひよは救世主だったようにひよにとっても笹丸は救世主だったということです
これならそれくらい惚れるのも無理ないなって思いました
最初は嫌いだった旦那様呼びも好きになっていき自分のなかでしっくりくるようになりました
ひよへの悪い印象が払拭されてひよというキャラについて改めて振り返ったけど笹丸のためを想う行動がすごいと思いました
春告やアララギも笹丸を想っての行動はいろいろやってきたけどひよはずば抜けてました
普段の態度では分からないけどひよは影でかなりがんばってました
あまりに一途すぎてひよの株価も大幅に上がっていきました
ひよは普段の看護服と制服どちらもよく似合います
あと「はい 旦那様。」ってニコッと笑う表情がとても好きです
普段はお淑やかだけど春告に対しては冷たいツッコミを入れるのも好きです
笹丸と雑学のやり取りするのも好きです
●四君子が冬 春告
四君子の姉御でありボケ担当でありスケベ大王でもある
最初の「仲間ごっこは卒業しよう」
はかなりきつかったです
春告がデレるのは時間かかると思ってたけど意外と早かったです
いろんな場面でボケをかましてそれがとても面白かったです
普段はそこまでなのにボケになると(特に下ネタ)急に語彙力が増して面白かったです
ボケが多いけどツッコミに回るのも意外と多いので両方こなせます
どМなのかひよに冷たい言葉や視線を送られて喜ぶところも面白いです
よくアララギとコンビを組んでいます
四君子のみんなの相談相手になるのが多かったり雰囲気もあったりでまさに「姉御」って感じのキャラでした
【気になった点】
●呪い
正直2周目の彩生祭優勝までは最高のシナリオでした
そこから呪いの話がメインになってからちょっと微妙に感じてきました
いろいろあるけど1番はやっぱり学園が偽物だったことです
芸術家の霊峰とまで言われた夢見鳥学園の生徒たちは自分の能力に責任と誇りを持ってとても立派だと思ってました
でも実際は秋に思い入れのある人や笹丸に関する人を選別しており芸術家としての能力は関係なかったです
それはつまりその生徒たちの誇りを踏みにじることを意味してます
●芸術要素が薄い
そもそもこの学園じたいが偽物なのでこれもセットできます
本作は芸術学園が舞台の割に芸術要素が薄かったです
特に授業シーンが全くなかったのが痛いです
笹丸の初登校シーンで一体どんなハイレベルな授業をするのかワクワクしてたので尚更です
たとえ偽物だとしてもそれが知られていないため教師や授業内容はレベルの高いものが用意されるはずです
だからちゃんと描写されてたなら授業シーンはきっとハイレベルな内容だったと思います
あと芸術家の霊峰とまで言われたこの学園の生徒たちがどんな素晴らしい作品を作るかというのも期待してたのであってほしかったです
【総合評価】
気になる点は挙げればまだたくさん出てきます
それでも音楽や雰囲気や四君子のみんななど魅力的な点もたくさんあります
マイナス要素をそれを上回るプラス要素で和らげるってことです
特にエロゲは「秋」をテーマにした作品が少ないので自分は本作の「秋」の要素をとても大切に思います
音楽や独特な文章とCGで「秋」の魅力を強く感じました
また優しさについての考えも好きです
人は誰でも優しさを備えていて人と触れ合うことでその優しさを引き出してもらう
とても素敵だと思いました
何より大好きなのはやっぱり四君子のみんなです
いろんな気になる点を受け入れても余裕でお釣りがきます