良くも悪くも学園物の王道を行くキャラ萌えゲー。作風のネガティブな面も少々目立ってしまっている感がありますが、好みに合えば、ハーレムとバカップルにニヤニヤして楽しめる作品だと思います。
安定感、雰囲気、CG、登場人物の魅力など、
キャラ萌えに関する要素は水準以上に感じましたが、
このメーカーの「明日の君と逢うために」「あると」「秋色恋華」が好きで、
同じくらい良質の萌えゲーを期待していると物足りなく感じると思います。
・おすすめ攻略順
このは:最初か最後。(体験版で「ネタが読めた!」と思ったら最初、そうでないなら最後がおすすめ。)
撫子:早め(他ルートでやきもちがひどくても許容できる場合は関係ない)
春奈:桔梗より先
・お気に入りシナリオ:このは
展開のベタベタさも彼女については違和感がありませんでした。(日付が飛んだことは残念でしたが…)
賛否両論あると思いますが、プロローグの「私に恋をするよ」が活きていると思います。
主人公の設定上、「恋ができるようになるよ」の状態であること、
主人公がこのはに恋をした場合の結末を、このはが理解した上での行動であることを踏まえて、
このはルートでの葛藤や、他ルートでの達観ぶりを見ると面白いと思います。
・お気に入りキャラ:くー
次第に表情が豊かになるのが可愛かったです。
FD候補は主人公妹の綾乃、生徒会長の千夏、オカルト研究会の美沙あたりでしょうか。
いつもに増して、非攻略キャラの存在感があり、FDの前に本編の人気をと考えるなら、
もう1人くらい攻略可にしてくれても良かったのではと思います。
冒頭の「ネガティブな面」について、ざっと挙げると以下のような感じです。
このジャンルにありがちなことなので、仕方のないところはあると思いますが、
「完成度が低い」と感じるところがいくつかある、というのは言い過ぎでしょうか。
①暗転するタイミングが容易に察知できることが多い。
「これから悪いことが起きますよー」「ここから勘違い・すれ違いが生じますよー」と
書いてあるかの如くではその先が楽しめなくなってしまう。
②解決させる場面と思ったら、解決後の場面という放り投げ。(桔梗ルート)
③定番イベントとはいえ、作品内で複数使用されると飽きてくるものがある。
似た話を読んでいても、光るモノが感じられるレベルならいいのだが…
・個別ルート終盤の事故等の突発的アクシデントによる暗転
・名家の都合による付き合いの制限(進学先、仕事、結婚相手…)
・料理が下手な女の子が頑張って料理が上手になる。
④王道とはいえ、オチが見え過ぎるイベントが多い。
くーのルートの犬関係など。会長が慌てて何かを探している時点でわかる。
⑤(おいしいネタになりそうなところで)場面の省略が目立つ。
デート・帰り道や、「家で2人のことを話した…」といった描写が一瞬で終わることが結構ある。