今年度初コンプ作品にして個人的最高傑作
Hの趣向に癖があり、ややしつこく難しい表現を織り交ぜている点が見受けられるが、それを除けば歴史に残る名作だと思う。
章が進むたびに視点が変わり、次々と明らかになる真実。
そしてラストに待つものは、希望でも落胆でもない、すっきりした結末。
埋もれていては非常にもったいない作品。
ストーリーとしては一人の男の狂気の一人芝居から......といったところか。
彼の複数の人格がそれぞれの定められた運命に抗うとき、平凡だがかけがえのない「素晴らしき日々」が保たれる。
その人格の一つが、かつては......といった感じ。
申し訳ないが上手い言葉が見つからない。
コメントで指摘してくださいm(_ _)m
ちょうどいいサイズの世界観(舞台設定)のなかで、各章の主人公が奔走し、核心に近づいていく。
また、各章ごとに物語のジャンルは変わり、プレイヤーを飽きさせない。
私はすぐに飽きる性格なので、この配慮(?)はうれしかった。
キャラクターの造形はやや粗い点が見受けられるが、プレイする上で全く問題ない。
複数原画とはいっても、担当キャラは固定なので、作画崩壊等もあまりなかったと思う。
若槻姉妹の造形が某アニメキャラに似ていると話題になったが、あれはパクリではない。
いや、狙って似た容姿にしている。
もし上記の理由で未プレイの方がこのレビューを読まれていたら、ぜひその誤解を解くためにもプレイしてほしい。
どの登場人物も役割を果たしていたが、ざくろをもう少し生かせなかっただろうか?
終盤の出番が皆無に近かったので、ちょっと可哀そうだった。
......ん?
一章のラストが終盤の由岐と皆守のシーンにつながっているのなら、由岐に影響を与えたという点で、ざくろは最後まで物語に関わっていたとみていいのだろうか?
うーん、難しいなぁw
木村の存在が疎ましかったが、終盤では好キャラに。
少し物語に関わってくるかと思ったが。
やけにすんなりと多重人格を受け入れてるし、少し拍子抜け。
羽咲がここまで重要キャラになるとは......
卓司に思い入れがあるわけではなくてよかった...www
音楽系は割と高レベル。
歌は今の心境としては神だが、結果的には良曲程度か。
BGMも上質ではあるが、印象に残るものはあまりない。
あまり自己主張が強いと弊害もあるので、このぐらいでいいかも。
正直私の頭では理解しきれない点も未だにあるが、(銀河鉄道の件や、由岐の人格の数、彩名の正体など)この作品に出会えて本当によかった。
シナリオゲーとしては(泣きゲーを含めなければ)最高傑作だと思うので、是非プレイしてみてほしい。
ところで、しゅぷれ~むの背景画が一枚流用されていた気がしたのだが、気のせいだろうか?w