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Zero675さんのマブラヴ photonflowers*の長文感想

ユーザー
Zero675
ゲーム
マブラヴ photonflowers*
ブランド
MAGES.(5pb.)
得点
90
参照数
68

一言コメント

マブラヴシリーズのファンディスク詰合せ。『マブラヴ オルタネイティヴ』に関連するエピソードはオススメ。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

マブラヴシリーズの多くあるファンディスク的な作品を詰合せた本作。

『マブラヴ』関連では、純夏ルートのその後を描いた中編『桜の花が咲くまえに』のほか、各ヒロインの短編6作が収録されている。
内容的には中編も正直必須ではなく、短編も日常シーン1つ分と短く印象に残るものもほとんどなかった。
強いて挙げるなら冥夜エピソードはプレイしてみてもいいかもしれない。

『マブラヴ オルタネイティヴ』関連では以下の5編が収録されており、『告白』が中編、それ以外が短編である。
・まりもちゃんの過去を描いた『贖罪』
・伊隅大尉の過去を描いた『告白』
・伊隅姉妹たちを描いた『継承』
・EUの部隊を描いた『レイン・ダンサーズ』
・軌道降下兵を描いた『チキン・ダイバーズ』

『レイン・ダンサーズ』と『チキン・ダイバーズ』は本編に直接登場しなかったこともあってあまり感じるものもないまま終わってしまったが、残りの3作は『マブラヴ オルタネイティヴ』を楽しめたユーザーならぜひともプレイしてほしい。

『贖罪』と『告白』の結末については少し本編でネタバレされていたため衝撃を受けることはないと思うが、まりもちゃんや伊隅大尉にどんな過去があったのかを知ることができ満足感は高いと思う。

『継承』についてもエピソード自体はかなり短いが、本編の裏側やその後の世界に対していろいろと想像を掻き立てられる重要な作品となっていた。





【以下はネタバレ含む雑記・感想】

冥夜エピソードのじじいと師匠のキャラが突き抜けてて面白かった。
特にじじいが「ん冥夜たぁぁぁああそ!!」(正確な表記ではない)と出現したときは久しぶりに爆笑したw

『桜の花が咲くまえに』は武が自分で気付かなきゃいけないのくだりが唐突かつ意味不明すぎて、正直ストレスにしかならなかった。
純夏は嫌いなキャラじゃなかったけど、このエピソードはプレイしない方がよかったかなぁ。人によるかも。

まりもちゃんは大変な過去があって、さらに本編のあの最期では報われなさすぎて悲しい。

『告白』ではいかにもヤリチンなムキムキ野郎どもが登場してこれはNTR展開か!?と一瞬焦ったが、そんな野郎キャラは蚊帳の外、しかも唐突な百合展開。非常によろしいと思います。
それにしても、まりもちゃんと新井と竹宮の関係を考えると胃がキリキリと...。
竹宮がその後どうなったのかも気になる。

『継承』はかなり短かったけど、伊隅大尉の最期を巡っては感情にクるものがあって、個人的にはわりと印象に残っている。
最終的には経緯が明かされたところの朗読をEDに重ねるのはズルいて...ちょっと泣いた。