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Yugeneさんのキスアトの長文感想

ユーザー
Yugene
ゲーム
キスアト
ブランド
戯画
得点
80
参照数
656

一言コメント

キスシリーズ3作目。自分にとって2作目のエロゲ。梓とアリサが良かった。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

まず主人公が優秀。ものづくりの面や料理のスキルも去ることながら、達観してものを見ており、梓曰く「物分かりが良すぎる」ところが印象的。鈍感系主人公というわけでもなく、健全な年頃男子な感じを(おおっぴらではないが)出しており、これもリアルな感じが出てて良かった。

次に、美術学校というところでの(だからこその)、「天才」と「平凡」の差を十二分に引き出せているという点が良い。ここに、梓ルートを気に入っている要因がある。平凡であるからこそ、努力して、追いつこうとして、その度に天才の圧倒的な実力を見せつけられて、才能がないことを改めて認めさせられてしまう。
梓が主人公を取ったのは、同じく主人公を意識していた月夜に対して優越感を得たかったとさえ考えてしまったところも、非常に女の子らしい考え方なのかなと思ってしまった。

もちろん、月夜ルートのところでも、「天才」で有るがゆえに、自分が描く絵のこの先の方向に悩み苦しむところなあって良い話であったが、やはり梓ルートの方が共感できた。

不満点はゲームのプレイに関わるようなものはなく、少しシステムが重い程度、ただ、梓推しの自分にとって、ラブホシーンが省略されていたところが惜しかった。コンシューマ版で攻略可になるだろうとはいえ、ひじりが攻略できんのも致命的。あとアナザーサイドで女の子が主人公を意識するシーンはあるのは良かったが、付き合い始めるのがどことなくなし崩し的なのも気になった。

この作品で、あじ秋刀魚さんと水霧けいとさんを知って、御二方の演技に感動した。このお二方の他作品にも注目したい。