思いの外素晴らしいできでした。個人的には傑作だと思いますが、評価が割れそうな作品ではあります。
受け継がれる想い。失ったもの。迎えるはずだった幸福と、それを取り戻すために誰もが選択しうる狂気。犯した罪とその贖罪。
最初の個別ルートでは、まあ確実に誰か、というか選択したヒロイン以外のキャラが死ぬ、というエンドできついですが、そのエンドもそれぞれ投げやりにならずきちんとまとめられているのでありといえばありだと思います。
そして悪役と事件の根源となった人物の過去話の後のトゥルールート。
思いがけない登場人物のつながりとか、小道具の伏線とかが非常に良かったと思いますが。おまじないとか。
あとは、演出面が非常に凝っていたと思います。視点変更だけでなく、テキスト表示の変更とか、立ち絵をあたかもCGのように使うとか(これは単にCGの枚数ごまかしとも取れますが、演出面で効果的ならゆるします)。
でも、思ったよりは残酷描写のCGはなかったですね。首ちょんぱと手首無しの立ち絵くらいでしたか? 残酷描写のテキストはおもいっきりありましたが。
これだけ長い時間軸で語られる話はなかなか無いんじゃないでしょうか? 過去に話が飛ぶことは多いですけど、30年近くの長さで物語を展開させるってのは少ないと思いますし、きちんと纏め上げて伏線の回収もしてってとこは凄いと思います。
個人的にはテーマが好みにはまってラスト辺りはかなり感動したので傑作。