泣きゲーから始まり、燃え/萌えゲーで繋ぎ、発散して消失しかかったエロゲー界に降臨した新たなスタンダード。あと「やる気！元気！美岬！」
コンシューマ化何それ？の覚悟で全面エロネタで突っ切る作品としては既にアペイリアが存在する。
しかし、アペイリアはコメディ要素に得ろネタを使っているだけで、シナリオ自体はエロゲーでは無くても成立するものだった。
ぬきたしは色欲に狂った島で性と真摯に向かい合う物語である。エロゲーならではの設定を笑いと緊張に使い、性のコンプレックスというコンシューマゲームでは描けない題材を扱い、エロゲーならではの爽快なエンターテイメントとして完成させている。
共通部分で見せた勢いを3人のヒロインのルートで絶やすこと無くそれぞれの物語として完結させつつ、回収されなかった複線を最終ヒロインのシナリオで見事に回収している。個別のヒロインのルートで出てきたヒロインの魅力とライバルを全て活かした最終戦はありきたりとは言え、複数ルートの存在するエロゲーの最終シナリオとして高い完成度であった。
ぬきたしは、エロゲーの再定義とも言える、ポスト平成のスタンダートとなるだろう。
堅い文章はこのくらいにして、美岬の魅力を吠えねば感想を吐ききれない。
他のヒロインルートでは最後まで変態だけがとりえの地味キャラ扱いされるが、ヒロインになった途端に豹変する。やる気！元気！美岬！なんて謎の標語を掲げ、正統派ヒロインとして持ち上げるべく、ことある度に見せつけるキス、ラッピングバスまで登場、危険運転をもじった運転法で機器を次々突破してゆく。仕舞いには美岬をUIに、見える人物全てを美岬に見えるシステムまで登場して怒濤の勢いの美岬し。最終ルートでも他のヒロインルートとは違って美岬戦闘機が登場し、派手な活躍をしてみせる。作品としては明らかに美岬押しである。人気投票があれば毎日でも投票したい。