PLAY時間は2時間15分。不思議の国のカノジョ同様フリーウェア化されたキネティックノベルのひとつ。そしてこちらは不思議の国のカノジョよりもデータ的には目立っていない印象。でもまあ僕からすれば不思議の国のカノジョよりも面白かった。そして不思議の国のカノジョよりもたぶんさらに埋もれたまんまだろうなあとも思った。なにせ評価とは別に題材や絵などがちと古めかしすぎる。
許嫁の本心
◎あらすじ(前半のみ。すこし語り過ぎてるためカット)
「新」と呼ばれた時代。短期で歴史の表舞台から消えた時代。
南陽は白水のほとりに一人の少女が居た。
名を麗華、名門陰家の長女。
弓を引き、剣を振るい、馬を自在に乗りこなし、
自由闊達に生きてきた。
元宵節を三日後に控えた夜に、突如降ってわいた結婚話。
相手は南陽劉家の三男、劉秀。
名を聞くのも初めて、もちろん顔など見たこともない。
そこで相手がどんな人物なのかを自分の目で確かめるべく
白水郷の町へ馬を走らせる麗華。
そこで劉秀と運命の出逢いを果たす。
正体を隠すため相手に告げた偽りの名は「紅姫」。
「中華幻想恋譚」と銘打たれているキネティックノベル。
雰囲気感は出ている。…すごい古めかしいわけだが。
◎全体的な概要と感想
○システム
ゲームエンジンはREALLIVE
セーブ/ロード枠10
ただし、一度章を読みすすめたあとは目次の章のタイトルより読み返しが可能。
PLAY時間の内訳は本編が1時間55分強 外伝は20分弱
○音楽、歌
BGMは5曲。
楽しげな曲、ゆったりとした曲、緊急時の曲、勇ましい曲など。少ないながらもテーマにはあっている。
○声
なし
○絵
CG数17枚。
なかなか絵的には雰囲気感をよく掴んでいる。
ただし、まあ作風も合わさっているとはいえ相当古風なので
今のSAGA PLANETSとは当然というかだいぶ違うテイストでもあるが。
有末つかささんは今はSAGAPLANETSの看板というより先代みたいな存在なんだよなあ。
○キャラクター
・主人公(ヒロイン)の印象
女性が主人公となる。
生き生きと動くヒロインが基本的に好みなんで、なかなか楽しい。
だがそれだけじゃなく、芯の強さと不安感などの心理もある。
名ばかりのヒロイン役よりも共感は持てる。
・サブキャラの印象
キャラがどうだというタイプのゲーム(デジタルノベル)でもないので基本的には省略。
小鈴が割合かわいい。
○設定、テキスト及びシナリオ
時代設定の「新」は実在はする。
紀元が明けた2年後から18年までに中国の領土を支配していた
(領土的にはまだ今と比べると半分くらいと狭いみたいだが)を指す。
日本だと大化の改新よりはるか以前、邪馬台国さえまだないとされる。
弥生時代あたりなので数十単位は少なくともあった倭国を名乗っていたころのようだ。
読みやすさを追求している感じはあるわけでその頃の言葉遣いなどは問わない。
イチコロなどたまにセリフで出るがそこはご愛嬌としとく。
・テキスト
誤字関係はなし。すっきりとして比較的読みやすい。
・シナリオ
短い期間の話なので、比較的すっきりとしながらも話の区切り的にはややあっさりとしてるなあ的なのはあるが、
これはまあ仕方ないのかもしれない。
本編を読み終えると外伝が開く。外伝は本編の別の展開である。
結末に関してはどちらを取るかはそれぞれだけど、個人的にはどっちもありだと思う。
ただ、伯姫に鈴を渡したくだりのあるほうが小鈴らしく自然だとも思う。
○おすすめの向き及びまとめ
手軽に2時間くらい雰囲気に浸りたい方などにはおすすめ。
4月1日に2つ無料配布となったキネティックノベルだが、個人的には紅姫のほうがおもしろいかなと思った。
ただ、この作品は完全に乙女ゲーのカテゴリなのでそこだけ注意。
題材が古代中国設定なのはいいが、たぶんに埋もれるべく埋もれたんじゃないかなあな印象がある。
スタッフとライターの美意識が反映されてるのは感じるが、個人的な評価とは別におそらく人気はでなさそう。
ネタバレはこれ以上はなし。
以上感想終わり。