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Weather reportさんのplanetarian ~ちいさなほしのゆめ~の長文感想

ユーザー
Weather report
ゲーム
planetarian ~ちいさなほしのゆめ~
ブランド
Key
得点
82
参照数
387

一言コメント

PLAY時間は2時間30分。Keyとしての作品で見るかキネティックノベルの売り出し方を見るか一編のSF短編としてとるかで評価は結構変わってくるかと。少なくとも非常にロボットらしいロボットに逢えたのが収穫か。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

「プラネタリウムはいかがですか?」










以前から興味だけはあって
パッケージ版をPLAY。
PS2や携帯電話でフルボイス版も出ているようですが
私はコンシューマ機は持ってないし
携帯電話は対応してませんので(苦笑

まあそれでもないよりはよほどマシです。
買うならせめて
ダウンロード版よりはパッケージ版をおすすめしときます。

では感想。


涼元さんは少なくとも小説家としての技量はある方ですね。
テキストとか
シナリオ自体はよかったと思いますし
SF設定も
短いなりには練られていたかと思います。
(裏返せばゲームのシナリオライターとしては果たしてどうなのか、という問題も私的には感じるのですが・・・・あえて触れないでおきましょう)


プラネタリウムで屑屋があった
コンパニオン兼解説員のほしのゆめみについても
一言感想である通り満足できました。

ここで逢うゆめみは
非常に「ロボットらしい」ロボットと書きました。

ロボットである故に
会話のパターンやテンポとかの問題も
あるかもしれませんが
最後には感情移入できました。





そういやロボット3原則ってあったなあ。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%83%9C%E3%83%83%E3%83%88%E5%B7%A5%E5%AD%A6%E4%B8%89%E5%8E%9F%E5%89%87

第一条 人間を傷つけない。また、危険を見過ごすことにより
人間に危害を及ぼしてはならない。
第二条 人間の命令には服従する。ただし、命令が、第一条に反する場合は、この限りでない。
第三条 ロボットは、第一条および第二条に反することのないかぎり、自己をまもること。

まあそのまま引用するのもなんなんで
意味が通る程度に
少し文章変えてますがだいたいそんな感じでしょうか。

ゆめみの行動は
すべてそのロボット3原則に
基づいていたことに終わって
これ読み返してから(というかようやく・・・・)気付きました。

だからこそ、本編のクライマックスでああいう行動に出たわけですね。



ただ、キネティックノベルと
いわれている形態のようですが
同人のシェアウェアの出来のよいものと
比べてしまうと
どうなのかなあ、と。
#あんまり大差ない気が・・・・(苦笑
それよりはちょっと
豪華な背景、演出のついた感じのものに
思えてしまいます。
(音楽に関しては追記しました)
・・・・そのあたりがひっかかったところでしょうか。

Keyとしての側面を見れば
ゲームの短さについては
おそらく気になるところなんでしょう。
ただ私的には
CLANNADが長すぎるんだよなあ(苦笑
あんまり長い話は萎えるせいもあるんですが(汗

・・・・まあ、買って後悔はしていません。
これがシンプルでかつ一番重要ですね。

これ以上はあまりごちゃごちゃ書かず
一編の上質のSFノベルだった、ってことに
しときましょうか。


ただ、点数としては80点に絵で少し加点という形に。
うーん、なんていうかよい作品ではあったのですが
名作クラスではなかったかな、と思うのが正直なところ。
これはフィーリングの問題なのかもしれませんが。
(というかそのまえに「ひまわり」をやっててその影響も少なからずあるかな・・・・)

原画担当の駒都さんは
工画堂スタジオの看板イラストレーターの1人ですが
どっちかといえば
こつえーの名義でアダルトゲームの原画も
描いてほしいんだけどなあ。

そんな感じで。


追記:音楽は9曲。
戸越まごめさんが担当。
見返してみたら楽曲に
宮沢賢治氏のクレジット入ってたのは正直意外でしたね。
そういや意外と知らないんだよなあ、宮沢賢治文学。

まあMELLさんの歌う主題歌「星めぐりのうた」よりも
それのアレンジバーション数曲および「雨とロボット」などの方が
好きだったりしますが・・・・。

・・・・少しはしっくり書けたかな。
では。