PLAY時間は3時間30分。フリーウェア。元は1円でコミケで販売された作品らしい。テキストの力が強い。そして技術的な部分で感心するのは読み手との呼吸をよくわきまえているように思う。とりあえず、ちまちまと読むためペースがどん亀くらいに遅い僕だが一気に読んだ。同人ならではのよさを持っている作品かもしれない。後から見直して、最初からネタバレ少ししているっぽいので長文はネタバレ注意でご容赦。8/31 少し訂正と追記。
“否定なんかさせない”
“殺し、殺し、殺し、殺し、殺し、殺し、救え”
ネタバレは中程度。
現段階では簡単に。
作品中でも出てきている例えをアレンジして使うと、
胡蝶の鏡に映った自分はそれが例え嘘っぱちでも輝いて見えるし、
自分は絶対に正しいと「思わさせる」という話。
話の序盤は幼馴染とのなんでもないような日常から入る。
そこに亀裂が入り、転校生である水夜と出会い、関わってしまう。
後半はどこからどこまでは夢か現実かを混ぜ合わせているところもあるように映ったが
それを含めて読み手を引き込ませる筆力はかなりのものだと思う。
正直思わぬ拾い物したという感じ。
読むまでは個人的にはそこまで期待してなかったので。
いくつか見ていく上で疑問点はあったのだが、
それを些事に変えるほどの説得力がある。
正直書くのも微妙なんで今の段階ではあんまり書かない。
気が向いたらもうちょっと長くするかもしれない。
ていうか最大の疑問点は薬物取り入れてそれほど間もない
序盤でよくあの4人倒したな的なのが
散見してて?が消えなかったが
最後であるていど(少しこれは都合いいかもだが)
納得のいく説明があったので引っ込める気にはなった。
少し追記して。
本当はこちらの知的好奇心的なものをくすぐるような題材
(宗教論とか幼馴染との関係とか)のものもかなりあったりして、
そういうのも書いて表そうかな一瞬思ったものの、
まあ今回はそういうのは他のレビュアーの方々に任せておいて
素直に「面白かった」でまとめるのがいいのかな思った。
この作品は主人公に共感させるタイプじゃないし、
もともとそういうふうにもしてないと思う。
第三者的な視点で見ていくと面白さがよりよく出てくる、そんな感じ。
あとはHシーンはまああるだけで絵的にはまあ…うん同人だしみたいな感じだが、
音楽と演出は特筆事項でサティのジムノペディ1番とか効果的に使っていて
素材選びや演出のセンスを感じさせるのも〇。
ただし完全版とかきつつシステムでバグってたのは直せると思う。
ここだけは明確に苦言入れておく。
ペットボトルのところから数章分はリターンキー押すことを推奨。
そこの部分だけなら仕掛けなのかな思ったけど、
それが章変わってもあるていど続くんでバグだろうと判断した。
バグ発生時は左クリックも右クリックも効かない。
(8月31午後14:30追記 該当箇所のバグ修正したらしいので、PLAY前は当ててやること)
個人的に一番好きなキャラ上げろいったら羊おじさん。
あれはいろんな意味で笑ってしまったよ。
幼馴染については慟哭シーンがよい。
ちなみに水夜については書いてないようで書いてある。これ以上のことはもうないつもりだが
主人公はあれでも幸せなんだろう、たぶん。