PLAY時間は9時間15分。謎の明かされ方は大体7割くらいか。
土は土に、灰は灰に、塵は塵に、幻は幻に。
そして、夢は夢に。
本編の主題はそもそも「ベアトリーチェ」とは
一体なんだったのか、という部分
そして碑文の謎の部分に本編はさかれる。
金蔵と出逢ったころのベアト
金蔵が後年つくらせた別館にかくまっていたベアト
怪談話としての「ベアト」
もうひとつの、違う未来なら
金蔵の跡継ぎたる理御になったであろう犯人「X」
どれも違う形だが一番最後のが要
しかしここで語られているベアトというのは
そのどれもが大量殺戮劇という悪意を持つのに
結びつかないのである。
X(ヤス、と呼ばれていたが)が決意するに至ったのは
1984年から85年にかけて何かがあった、としか考えられない。
そこは明かされていない、というかぼかされている。
故にその先に行くには最後の話を待たなくてはならない。
まあ結論的にいえば面白かった・・・のだが
装飾部分があまりに多すぎる上難解なのはいかんともしがたいなあ・・・
犯人明かしで犯人Xがだれか明かされるのを飛ばし犯人視点の独白に行くので
なんかそこらへんは消化不良なんだがまあしょうがないね。
さて最後はどうなるか。
ラストにベルンがハッピーエンドはないと赤文字で言ってるが
ハッピーエンドなんてどの視点で見るかで変わってくることもよくあるし
どうひっくりかえすのか見ましょう。
以下メモ
1.犯人Xは男、というより
なんらかの理由(崖に突き落とされたときだろうか)で去勢
あるいは性にかかわる神経部分が
切断されているのかな、と妙な推測が浮かぶがさて。
それなら男でも女でもない性別、ともいえるのではないかと。
(恋も出来ない身体、といってたっけ)
ならそうした事実のない理御は・・・いやまあ女性だと思うことにしよう。
2.ここでの探偵役のウィラード(ライト)があまりにカッコよすぎて
戦人はどこいった?という感想しか生まれん。
ていうかここでの戦人あまりに無様で印象悪いよ。
約束すっぽかした相手が紗音だったのは意外だったが。
でもねえ、物語を面白くするのは
やっぱりあんたしかいないんだけどなあバトラ。
最後のゲーム盤は
期待しただけの成果読者に残してくれてもいいよなあ。
そう思うんだけども。
3.碑文は解かれてみてこういうことなのか!とはなる。
言葉遊びだがよくできてはいる。
ていうか台湾説とか推理した人すげえ。
鮎はほんとにどうでもよかったね確かに。
つまるところ
鮒や鯉でもよかったということだ。語呂合わせ悪いかもしれんが。
4.ベルンひどすぎ・・・
本編とTeaPartyとのギャップがひでえ。
あらためてベルンはとんでもない悪玉だなーと
たぶんシリーズ1、2を争うほど胸糞悪い気がする。
・・・予想はしてたけど。
ベルンとかラムダとかは
何から生まれた?とかやってくれるといいんだけどどうだろうか。
なんかぼかされそうな気もするけど。
5.密室トリックについてはライトは一言で切り捨ててるというより
明らかに暗号みたいにぼかしてるよね。
だから、ここで竜騎士氏が言いたいのは現実に証明可能、だということ
だけなんでしょう。
6.ちなみにホワイダニットを求めるミステリは好きですよ。
ここで持ち出されるとは思いませんでしたが(苦笑
心を知る、ということは興味から生まれる。
人の心の中を解き明かすこと、というのは
ロジックとトリックを組み立てるよりもより身近であり
かつ実は重要な謎解き要素にも
なりうるのではないかな、とは思う。
それが理解した「つもり」であってもそのことで誰かがもし救われるなら
必要な要素でしょう。
まあフーダニットとハウダニットよりは相性悪いのは確かだけど。