PLAY時間は3時間15分。フリーウェア。OPもあるわフルボイス仕様だわ演出のタイミングなどもフリーウェア作品としてはよくできている。ただ個人的に後半になんか微妙な気分が残る。惜しいな。
病み逝く怪物ではなく
ごく普通の、しいて言えば「ひねくれもの」の少女の物語
システムはKIRIKIRI2core。
セーブ/ロード箇所は100。
一本道。
ちゃんとOPがあって
これがなかなか出来がいい。
歌はちょっと不思議な声質だが下手というほどではない。
雨とか桜の花びらがアニメーション演出で落ちてくるのは
フリーウェアにしてはなかなかのもの。
意外と芸が細かく
最後の声の演出とかも好印象。
少々・・・というか結構ご都合主義はあったけど
キャラクターは結構立っている。
引いた位置ながら警部の人がなかなか渋くてよい。
声もそれほど違和感はない。
フルボイス仕様で
何役か被っているものの
かなりの数の声の人を使っている。
物語としてそれなりに力は入っている、と考えていい。
話の内容はいわゆる
「高校生日記」みたいな感じの青春ストーリー、かな。
最初の幼稚園進学のあたりでは戸惑うかもしれない(若干どうなるんだろうと思った)が本編自体は自然に読めるしレイナは単にひねくれているだけの普通の少女なんだなあ、というのが分かるにつれてだんだん気にならなくなってくる。
さわやかにまとめられていて読後感はいい。
下手な作品金取って読むよりはおすすめしていいだろう。
ただ個人的に微妙な点はあるんだけどね・・・
以下ネタバレ
私は現在函館に在住しているので
住んでる街を大地震うんぬんというふうに
ストーリー構築されるのは
個人的にはなんか微妙な気分ではあった。
なんかその地震自体は予想の外だったものの
展開の終わり方は
ちょっと読めてしまった、というか。
なんかレイナだがあのまま死に場所決めるのかと思ったら
復活してきてるし(まあいいんだけどさ・・・)
80点は出さないが
ただいいんちょうあんた格好いいな・・・。
飄々としていながら運が悪いところも含めて
最後に美味しいところ全部とってくタイプだな。
地震関連の下りにはちょっと?が浮かんだ。
地震というのは
予知がもっとも難しいもののひとつなんで
これがない、とはいわない。
その場合たぶん直下型地震以外では
このような激しい地震はちょっと
起きづらいようにも思うんだけどどうだろうなあ・・・
調べたら起きる可能性だけ考えるなら
函館に直下型地震で起きるデータは
今後30年間の間に1%も満たないというデータがある。
(函館平野西部、北斗市あたりに断層があるそうだが断層上には活火山はない)
そしてその兆候も観測されていない。
だから作中のように南西沖地震、という形のほうが
納得はいくんだろうけど・・・。
結構構築不足といえる部分はあるんだよな・・・。
まず本編中昭和58年の地震(日本海中部地震)と
平成5年の地震(北海道南西沖地震)が
作者の中ではなんか混ざってるような気がする点。
二つ目、少なくても
函館と小樽で同時に震度6強になることはありえない。
直線距離でも200キロ以上は離れていてそんな震度だったら
地球・・・はさすがに大げさだったんで訂正するにしろ
少なくても北海道くらいは滅ぶわ。
三つ目、1994年発生の奥尻の津波被災のときでは
奥尻は震度6(実際は7、だとも言われている、wiki参照)
函館は震度5を観測したことを覚えている。
ガラスや瓦が何件かで数枚割れたり落ちたくらいではすんだ。
それが私が生まれたあたりから経験したものでは一番大きな地震。
個人的な考えだけど地盤の関係上で地震は
函館という土地は割と吸収されるような造りになっているようには思える
半島、というクッションみたいなのが
ある分だけ届きにくい点もある
そこに念頭を置いてしまえば地震関連のくだりは
ちょっと私には微妙かなあ、ていう感覚が生まれてくるのだ。
ない、とはいわないが・・・
もっともその認識に油断もあるのかもしれん、けどね。
ひとたび地震が起きた場合、というのは
函館は脆い建物も多いのも特徴なので
海風に長く吹かれると
コンクリート建築も劣化が早くなることもあるし。
http://www.city.hakodate.hokkaido.jp/soumu/bousai/jishinhigai.html
修正加えました。