PLAY時間は41時間30分。下地の甘さにそれぞれテーマを加えて完成・・・・あれ紗凪ルートはどこだ・・・
にんげんは、いつだってもうはんぶんをさがしている。
○導入部
気遣いタイプで苦労症の主人公・瓜生信吾が
統合先の学園のテストクラスでさまざまな個性豊かな女の子と出会う中で
拒否反応の強い空気を変えようと奮闘するおはなし。
空気を変えていくところが少々打算めいているのは
彼の性格故ではあるが
学園に馴染んでいくうちに
本当の自分と恋を見つけていく、そんな感じの導入部である。
現在のレビューフォーマットに改訂してます。
○全体的なところとしての感想
・システム
セーブ/ロードは108
クイックセーブ/ロードは1
オートセーブ枠1
ゲームエンジンはminoriシステムを使っているようだ
バックログは
私は一括表示形式のほうが
どっちかといえば好みではあるけど
(ベストはオーガストで使っているようなタイプ)
そのへんは人それぞれなんだろう
初心者向け。
難易度的なものは低め
(選択肢いくつかあるくらい)
ゲーム期間は秋から冬、みうルートのみ春までまたいで展開
演出は飽きさせない
システムボイスあり。
特にぱんにゃに設定するとカオス状態に(笑
・絵
私的には上位クラスかな、と
塗りすごいね。HシーンCGの舌がわずかに気にはなったが。
・音楽、歌、声
BGMは
音量調整は必須(音が目立つ傾向がある)
主題歌はどれも好き
3曲あってどれも歌い手は違う
橋本みゆきさんのOP「シンフォニック・ラブ」は新鮮というか面白い
挿入歌の美郷あき「さよなら君の声」は場面のこともあって非常にせつない。
EDはちょっと忘れたので後で追記。
OP映像はキャラクター紹介的なものが主
でも非常にかわいい
声に不安はなし
桜乃と愛理の声は好きだが
特にぱんにゃが目立つというか暴れまくってます
・キャラクター
主人公もそうだが
基本空気に鋭いひとたちのほうが多い
打てば響く人たち
ばかりがそろっている
主人公に関しては
草食系男子、というくくりつけよりは
むしろ老成しているっぽい感じ
特に義理の妹の桜乃とのやりとりは
最初から完成されてて
なんか長年連れ添った
おじいさんとおばあさんクラスに近い
このコンビは正直すごく面白い
マイナス点としては
やはり、というか
紗凪の存在はある
彼女の扱いが相当悪いのは確か
まずみう以外のルートでは
罵詈雑言を繰り返すのに
結構イライラすることになる
はっきりいえば
この登場人物の中では
異分子化してしまっている感もある
OHP紹介の
さっぱりした気立ての優しい子、とあるのは大嘘。
特に桜乃ルートでの紗凪は
単なるお邪魔虫になっている感じもする。
結局、最初猫被ってた理由については
不明のまま語らず
正直PLAYした感じでは
最初にやった2ルート読んだ限りでは
紗凪よりは万智先生のほうが好印象だったわけだが
でも、みうルート読んでみてからは
できれば紗凪も救済してあげてほしいかな、とは
思えるようにはなった。
扱い方がかわいそうだ。
後でその辺しつこく触れてるけど。
・テキスト及びシナリオ
読みやすさや会話のテンポとかは工夫されている感じ
展開は実に丁寧に過ぎていく。
起伏とかはあんまりない。
まったりまったり。
キャラ萌えもあるけど
このおはなしの特徴であり
見所になるのは
「恋愛をしていく過程」にある
惹かれあい、恋人の関係となるまでの展開を
丁寧に描き
つきあったらそこからひたすら
イチャイチャイチャイチャイチャイチャイチャイチャする
とてつもなく甘いテイストがベースとなる
受け付けられない、という人もいるだろうけど
逆にもっとやれとか
少なくとも利点と捉える人もいる・・・・と思っている
私はこのテイストが大好きな後者になる
シナリオは各ルートごとにいろいろ下地そろえているが
まっすぐに恋愛に向き合った話がテーマ
お気に入りを考えると私は保住さんよりなんだな、と
北川さんは悪くはないけど少しビター
おるごぉるさんのは
ぱんにゃは好きだしこれはこれでいいけど紗凪がな…。
・おすすめの向き及びまとめ
PLAY順は桜乃→愛理→みう→アンジェの順
みう先輩は本当は
最後のほうがいいのかもしれない。
紗凪にむかつかなければ。
じっくり時間かける人で
話が苦じゃなければ充分薦められると思う。
逆に一気にやるひとにとっては
たぶんに当てられる可能性があるんで注意。
以下ネタバレつきで個別感想
・個別感想
瓜生桜乃ルート→
私的にはましろ色キャラでは一番好き
完成された一つの関係(兄妹)を崩して
持って行くことの難しさがシナリオのテーマ
ギャルゲやエロゲでは義理の妹というのは
使い古されたテーマになっているようだけど
なんちゃって記号として妹ネタを使うのと違い
意外に真正面から向き合っている印象
・・・・だからこそ苦い
桜乃ルートは
甘味と苦味が両方ある感じ
苦味は甘みを引き立たせるには
いいかと思うが
甘さがちょっと足りない、というか
もうちょっと甘くしてくれれば
なおGOODだった、と思う
敵こそいないものの悪意が存在する話
最初読んだ限りでは
そんなに優しくはないんじゃないかなあ、とは
思ってたわけだが。
シナリオとしては決して悪いとは思わない
ただこの悪意の存在が
全体のテーマからは若干外れてしまってて
似合わないんじゃないかなー、と思った
このルート愛理が
助言者としてとてもいい役割してます
桜乃はほかのルートではいい妹役
瀬名愛理ルート→
男女の関係のこと、そして
不仲である
学園理事長であり母である
蘭華と和解していく過程、が
シナリオのテーマ
愛理は登場人物中
もっとも(紗凪よりさらに)接しにくい子
意地張って突き放すかべたべたするか、というのが
彼女の行動のパターン
途中無自覚に無防備で
男に我慢させる、というカタチになる
・・・・瓜生君のような人でなければ
たぶん恋人関係には
ならなかったんじゃないだろうか
付き合うまでのシチュの数々で
瓜生君みたいに振舞うというか気を遣うのは
はっきりいって無理
愛理タイプをおとすのはたぶん
トップクラスに手強いんじゃないかな
このルートは
彼女の成長だけではなく
主人公も成長していってる点
ここがポイント
付き合い始めてから
愛理のためを思いいい争いまで
できるようになる。
だんだん真の意味で
素敵なひとになってくるように思う。
このルート担当のライターは
保住さんでいいのかな。
加速度的に甘くふにゃふにゃになっていく、
そんな愛理がとても素敵。
他ルートでの愛理を見ているとこんな
壊れた愛理は想像できない(笑
なんにせよお幸せに、と想える2人ではあった。
ずいぶんと当てられたが。
一番のメインヒロインらしく
冒頭と本編最後が
テーマ的につながって終わります
私的には愛理のシナリオが一番好きかな。
天羽みうルート→
ぬこ部の活動がシナリオのテーマ
ぱんにゃ可愛い。
以上。
・・・・じゃだめか。
終盤のぱんにゃとの
お別れするシーンとかは
よかったと思うし
この作品の中では一番明確に
メッセージ性を持った
シナリオではあるので
(動物保護のこととか)
好評価、というのも
分からなくもないかな、とは思った。
ただ、ほかの方も書かれているし
さっきも触れたのでくどいけど
確かに、フラグとしては
途中まで
紗凪のほうに
向いてしまっているんだよなあ。
これだったら
どこかで
紗凪ルートに分岐してても
おかしくはない、というか
むしろ分岐しないほうが
不自然に思えてきてしまう
しかし実際問題
紗凪の攻略ルートはないわけだ。
ルートがないのは
1.あえて印象残るようにこうした
2.ブランドの方針でFDつくるつもり(出たら買うけど)
3.ライター(おるごぉる氏のようだが)が時間なくて泣く泣く削った
4.一番悪いのは単にめんどくさくて削った
よくは分からないけど
どっちにしろみうシナリオは
序盤から中盤がミスリードされていて
前半の部分を
みうと紗凪の共通部にできれば
最適だったのではないだろうか、とは思う。
というか点数は
紗凪のルート不備のために結構引いている。
つくってあったなら90点以上はつけてたと思う。
紗凪はブランコのシーンが印象として残る。
このルートの名脇役と同時に
攻略できないのがつくづく惜しまれる。
紗凪の幸福は願おう。
結論としてみうルートは
中盤消化不良気味なのがひとつネックで
この4人の中では評価は低いという結果に。
みうが優しいひとだ、というのは分かるけど
紗凪とぱんにゃなど
脇役陣のイメージが強くて
あんまり目立っていないせいもあるんだろう。
あといくつか・・・・
・ぱんにゃつくづく可愛いなあ。
鍋にして食べたいなあ(爆
・主人公がHシーンでは
下手で未遂が多い、という
変わったパターンをしているが
包む空気はあたたかいのはよい。
しかしいくらなんでも
同じCGの使いまわしで
同じパターンが多すぎなんで
工夫は欲しかったところ。
・黒みうについては
書きたかったんだろうなあ。
ここらへんはちょっとびっくり。
♯夢オチなんだけどさ(苦笑
・あとは結子さん大好き(笑
出番少なめなのがちょっと惜しい。
アンジェリーナ・菜夏・シーウェルルート→
アンジェの自分探しと
メイドとしての
アイデンティティというところが
テーマ・・・・かな
本格的なメイドさんを
攻略するのは初めてだったり。
ひまわりのような笑顔のかわいい、
トラブルメーカーだけど
どこか憎めない子
みるさんの声いいなあ。
テキストは全体的にコミカルでライト。
やってて楽しい。
アンジェ=メイドなんだなあ、とは
やってるうちにつくづく納得。
主(主人公)を見つけた後
ドジっ子になるアンジェがかわいいし
初心にたちかえってからさらにかわいい。
「はじめてToDo」といって
その日までに旦那様とイチャイチャすることを
書き留めるところもかわいい。
・・・・アンジェが好きなら損はしないはず。
というか、ルートに入る前のイメージよりも
はるかに好感触で
ニヤニヤしながらPLAYしたな。
結局シナリオは
私には保住さん担当の2人がよかったかな。
北川さんとおるごぉるさんのシナリオはそれぞれ
悪くは無いんだけどって感じ。
お気に入り順
キャラクター
桜乃>愛理=アンジェ>みう>紗凪
シナリオ
愛理>アンジェ>桜乃=みう
個人的な評価だと
みうのルートが総合で最下位という
結果になってしまってるけど
それでも普通のシナリオよりは
いいほうにはなるだろう。
そのほか。
隼太の婚約者ってのは見てみたいんだがダメか。
以下メモていうか
どーでもいい部分かもしれないが
BGMの曲名には
花の名前が非常に多いが
読めないのも結構あるし
どんな花なのかちょっと調べてみた。
結構勉強にはなるかな・・・・
役に立つかは知らんけど(苦笑
○野牡丹(のぼたん)
http://www.hana300.com/nobota.html
○笹団扇(ささおおぎ)=スパティフィラム
http://www.hana300.com/supati.html
○郭公薊(かっこうあざみ)
http://www.hana300.com/agerat.html
○千鳥草(ちどりそう)=デルフィニウム
http://www.jtw.zaq.ne.jp/tanakun/watch3/tidori.htm
○東雲菊(しののめぎく)
http://www.geocities.jp/fujitomik/garden/niwa/ga9253.html
○サイネリア
http://www9.plala.or.jp/mosimosi/flower/s/cineraria.htm
○梔子(くちなし)の花
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%81%E3%83%8A%E3%82%B7
○衝羽根朝顔(つくばねあさがお)=サフィニア、ベチュニア
http://www.hana300.com/safini.html
朝顔とは別の科の花とのこと。
○ライラックの笛
ライラックの花
http://www.otakaki.co.jp/development/fragrance/lilac.html
もうひとつBGMの曲名に「笛」とあるのは
↓これを見れば少しはつながってくるだろうか。
http://yasashi.info/ra_00009.htm
○瑠璃虎の尾(ルリトラノオ)
http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/BotanicalGarden/HTMLs/ruri-toranoo.html
その名前が花の名とはなあ。
○ひめしゃが (姫射干)
http://www.botanic.jp/plants-ha/hishag.htm
「Iris gracilipes」というのはこの花の学名らしい。
○Gerbera(ガーベラ)
http://www.hana300.com/gabera1.html
○夕化粧(ゆうげしょう、オシロイバナ)
http://www.hana300.com/osiroi.html
○向日葵(ひまわり、英名だとサンフラワー)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%B2%E3%81%BE%E3%82%8F%E3%82%8A
○牡丹一毛(ぼたんいちげ)=アネモネ
http://www.hana300.com/anemon.html
○カトレア(カトレヤ)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%88%E3%83%AC%E3%82%A2
○Bouvardia(ブバルディア)
http://flower365.web.infoseek.co.jp/18/276.html
○Azalea(アザレア)=西洋ツツジ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%B6%E3%83%AC%E3%82%A2
○フリージア
http://www.shimizu-engei.jp/freesia/index.html
○虞美人草(ぐびじんそう)=雛罌粟(ひなげし)
http://home.f06.itscom.net/tsuchiya/Papaver.html
○黒種草(くろたねそう)=ニゲラ
http://www.hana300.com/nigera.html
以上ここまで。
花言葉まではさらに疲れるんで探すのやめた。
たぶん「純粋な愛情」はカーネーションのことだね。
あと書きたいこと
紗 凪 H シ ー ン 付 き で 攻 略 さ せ ろ
ということで逆移植待ってます、はい。
あと正直アニメ化までなるとは思わなかった。