キャラの魅力や勢いに乗れたら良作。世界観がどうとかシナリオがどうとか言う人には凡作。そんな作品。
とにかくキャラの魅力第一でシナリオが書かれた印象が強く、世界観の作中の解説は必要最小限に留まっている。このため綿密な世界観や繊細な心理描写を望むシナリオ重視の人にははっきり言って向かない。体験版のテンションで最後まで進む訳ではないが基本的にテンションは終始高めでそれはシリアスな場面でも変わらない。故に読んでいて疲れ易いので一気にクリアしようとせず間隔を置いて1人ずつクリアするのが良い。主人公の言動が歯切れが良く(ストレート過ぎてそれがトラブルを呼ぶ原因になっている気もするが)好印象な上にサブキャラが揃いも揃って魅力的過ぎて中々プレイの止め時を探すのが難しいのが悩み所だが。このメーカーはFDを出さない事で有名らしいが、だからこそここまでキャラに魅力が溢れているのだと思う。
立ち絵が凄く綺麗で魅力的でイベント絵を超えている。エロは各2~3回で複数ラウンド。ただ1回目は割と自然な流れなのに2回目以降はただの水増しご都合主義全開な流れて突入するので蛇足と感じた。これは恐らく個別シナリオが意外と短いためエピソードが盛り込めなかったのが原因だと思う。背景は普通。演出面は凝っているようで実際は手抜きが目立つ。叫び声を上げた時に大きな文字をスクロールして表示したり鳩子の緊急放送時にTVのテロップのように画面上部で文字をスクロール表示させたりする反面、学校や商店街浮上時は画面の一部を拡大しながら背景を浮上後のものに変えるだけ。どうせなら動画でばっちり決めて欲しかった。
音楽はノリに合わせて明るめの曲が多い。それでいて緊迫する場面ではきっちりと決める辺りは流石と言った所。個別シナリオに入ると1日の始まりを表すアイキャッチ曲が各ヒロイン毎に違うのも良い演出。ボーカル曲は3曲で、内1曲はOPの合唱verとなっている。
システムは基本的に扱い易い。ゲームパッドにも対応していてPSタイプなら(クイック)セーブ/(クイック)ロードが5~8(L1L2R1R2に相当)に割り当てられていて快適にプレイ出来る。が、オートは→、履歴は←でたまに操作ミスする事も。3は強制スキップ、4は環境設定。10はウィンドウ最小化だがフルスクリーン時は表示がおかしくなるので使用しない事。またこれらのキー設定が扱い辛いと感じたら以下のレジストリを書き換えてゲームパッドを無効にしてからJoyToKey等を使うと良い。
HKEY_CURRENT_USER\\Software\\Will\\tetotetryon
にある値「EnableJoyPad」を 01 00 00 00 から 00 00 00 00 に変更
システムの不満点を上げると、まず声がクリックで切れる。今や次の声までクリックしても切れないのは珍しくないので声は7割位しか聴いていない。スキップが遅く、大体150~500ms間隔。間隔を短くしたオートかと思う程遅くなる場面もある。
また以下の2つのバグを確認している。
1. トライオン演出が終わり通常の画面表示に戻った直後にフルスクリーンからウィンドウモードにするとウィンドウが真っ黒になり操作不能、暫くすると落ちる。
2. 1.と同じタイミングで一切の音(BGM/効果音/声)が出力されなくなる事がある(この場面以前にセーブしておいたデータをロードすると正常に戻る)。
とにかくノレた者勝ち。
…学校、絶対ロボットに変形すると思っていたのに。