主人公に弄り倒されたヒロイン達が奇行に走る姿を見て爆笑する作品。
主人公の通う学園が名門女学園と統合され、主人公の神社で代々行われてきた地元名門天城家の後継者を決める儀式でハプニングキスをして後継候補の1人の天城梨桜と何故か一つ屋根の下で暮らす事になった所から物語が始まる。
登場する人物には何かしら1つ特徴的な変人要素を備え、最初は比較的まともに見えるヒロイン陣も主人公、小町、朋美の弄り倒しによって変人能力を開花させていく。中でも乗り易い梨桜はその身を主人公の口車に乗って犠牲にした、一度見聞きしたら忘れさせない奇行を共通から個別の最後に至るまで披露してくれる。この奇行と弄り倒しによるヒロイン達のおかしな反応が笑いのツボに嵌まる人なら全てのルートを問題なく楽しめる。逆に言えばこれらを単に変人としか捉えられないのなら回避を強く推奨する。どのルートも終盤に行く程その度合が強くなるので人によってはディスクを叩き割りたくなるかも知れない。
この作品を特徴付けるもう1つの要素として選択肢の多さがある。サブを含めた6人のどのルートに入るにしても100~110回前後の選択肢を選ばなければならない。主人公とプレイヤーの行動を可能な限り同期しようとした結果だろうが、実際はどれを選んでも些細な違いで同じ展開に収束するものが多く本当に分岐するものは数える程しかない。にも拘らず好感度は僅かに変化しているようで、いい加減な選択をすると目的のルートに入る事は出来ない。尤も朋音以外は基本的に目的のヒロインを持ち上げそれ以外は静観すれば一度のプレイでルートに入る事は出来る。次や前の選択肢に飛べる(履歴も参照出来る)ので2回目以降のプレイは若干楽は出来るが如何せん選択肢の数が多過ぎてこの機能の恩恵は少ない。初期状態ではキーボードショートカットが未割り当てなのでゲーム環境設定から割り当てた方がいい。それでも何度も押している内に指が吊りそうになるが…。何故フルオートで次の選択肢に飛ぶ機能を実装しなかったのか理解に苦しむ。マウスカーソルの自動移動を有効にしていると、どのデバイスでも必ず一番上の項目にカーソルが合ってしまい勢い余って選択してしまう恐れがあるので無効にした方がいい。
エロはメインヒロイン3人が3回、サブヒロインの内2人が2回、1人が1回。一部を除き複数ラウンド。変人要素による卑語の名を借りた奇声も手伝ってか抜き要素が強め。但し持続時間は余り長くない(場合によっては20クリック程度で達する)上に奇声で笑ってしまう可能性もあり実際に使えるかはヒロイン次第。
システムはCatSystem2でキーボード、マウス、ゲームパッド何れもキー設定を変更可能。但しゲームパッドは5ボタン以降は反応しない。5ボタンマウスの戻る/進むボタンも同様で設定時に落ちる事があるので注意。立ち絵等の演出速度は1~4倍で調節可能でクリックで飛ばせる。その他の画面演出も無効に出来るが場面転換時やメニュー画面の演出では働かない。文字に影や縁取りを付けるか指定出来る。スキップは75ms前後。クリック後声は切れる。
この作品をバカゲーと解って買えば楽しめる。失敗したのは売り込み方を間違えただけ。メーカーには売ろうとする作品がどんな路線でどんなシステムなのかを消費者に正しく伝える義務がある事を忘れないで欲しい。