(GiveUp) プレイヤーを不快にさせる事を生き甲斐にするライターが書いた、まさに「胃に穴が開きそう」な作品。通常モードでオールクリアはしたが、とてもUltimate Statusモードで2周目をプレイしたいとは思わなかった。
とにかく不快極まりないこの作品を可能な限り長くプレイするコツ。
1. 効果音をオフにする
一般的な効果音に分類される音のほかにキャラの頭に「?」等のマークが表示される時や外野専用文章ウィンドウが表示される時まで「カンッ」「シュッ」と音が鳴る。この手の視覚効果がかなりの頻度で使われているため普通にプレイしていると事実上効果音が鳴りっ放しになる。スキップを使おうものならSTG並に煩い。よってこれらを完全にゲームから抹消する事で文章を読む事に集中出来るようになる。
2. 南の声をオフにする
現在のエロゲに於いて声がない事はそれだけでそのキャラの存在を薄弱化させる。よって最強にして最凶、歩く天災、悪魔の申し子、シナリオクラッシャーである南の声をオフにする事でその存在を大幅に弱める事が出来る。後は強制スキップで飛ばすだけ。この作品にシナリオと呼べるようなものはないに等しいので多少読み飛ばしても殆ど影響はない。
3. 男性とエキストラ男性の声をオフにする
理由は2.とほぼ同じ。風紀委員の面々の声をオフにして強制スキップすれば不快感はかなり軽減される。
4. 優ルートは絶対最初にプレイしない
このルートの南は最悪。平穏無事に収まろうとしている事柄を身勝手な言動で引っかき回して台無しにしてしまう。このルートを最初にプレイしたらギブアップはほぼ確実と思った方が良い。
基本的に「南が無茶な提案を出す→それに主人公達が巻き込まれる→風紀委員がしゃしゃり出て難癖付けて生徒会を解散させようとする→皆で協力して危機を乗り越える」の繰り返し。多少違う展開もあるが8割方これを踏襲するためプレイを重ねる程つまらなくなっていく。南のシナリオ破壊度はルートによって異なるが不快な点ではどのルートでも変わらない。風紀委員の面々も不快だがまだネタとして流せるレベル。共通、個別共にやや長めでヒロインによっては個別ルート内で更に分岐する。ED後の話はルートにより後日談だったり「続きはEDの後で」的展開だったりするため当然長さも異なってくる。
絵は横向きが別人に見えるほかは概ね良好。ただ立ち絵の一部にポーズが不自然なもの(あさがおパターン3、優パターン2等)や体型がおかしいものがある。エロは基本的に3回で複数ラウンド、尺は全体的に短め。1回目に至る展開が不自然なヒロインもいる。3回目は殆どのヒロインで事実上のおまけ扱い。おまけシナリオの加奈子と頼子には1回しかなくグスタフと冬子にはない。
曲はロックとポップスが中心。サーフロックまであるのは珍しい。
システムに致命的な問題はなく、セーブ⇔ロードの画面の切り換えも瞬間切り換えで使い勝手が良い。しかしクリックしてから次の文章が表示されるまでの時間が立ち絵の切り換え等の阻害要素がない場面でも230ms前後と遅い。スキップも見た目は速そうに見えるのに実際は150ms位の間隔。しかも前述の理由から文字がチラついて見える。また外野専用文章ウィンドウ、小さなモノ専用下地ウィンドウ、立ち絵に付く「?」等のマークが表示される時のアニメーションはスキップ時でもオフにならない。また場面間のアイキャッチも強制スキップでは短縮出来るのに通常のスキップでは短縮出来ない等奇妙な挙動が一部ある。声の音量は個別に指定出来るが標準設定でのばらつきが大きく、未来の声は殆ど聞き取れない。発売前レビューで触れた「文章ウィンドウの顔グラに「?」等のマークが付いた時にウィンドウを非表示にしてもマークが消えない」は未だ修正されていない。尚、EDのみ負荷が高いので非力なグラボを使用している人は注意。
最後にUltimate Statusモードについて。これは攻略するヒロインを選択したら後は一直線にEDに向かうモード。選択肢は時間制限のある独自のものに変わり、選んだタイミング、もしくは選ばなかった時で反応が変わる。ゲージは一般的な徐々に減るものではなくて2目盛しかなく、一定時間が経過する毎に1目盛ずつ減っていくので急かされる印象はない。このほかウィンドウの色がヒロインの髪の色(?)に変わり、各ヒロインのテーマ曲も変化する。
取敢えず最初はあさがおルートをプレイするのが無難で優ルートを最後までプレイ出来たら残りのルートもクリア出来るはず。しかし冬子はともかく何故あの展開でグスタフにエロがないのだろう。