今までの打越作品の集大成と言える作品
最初に断っておくとこのゲームは999の完全な続編になっていますので、このゲームを楽しむためには絶対…とはいいませんが、前作プレイを激しく推奨します。
一応推奨攻略順書いておきます。
YOTSUBA;END→K;END→DIO;END→QUARK;END(ロックNo.3まで)→TENMYOUJI;END→ALICE;END→LUNA;END→SIGMA;END→QUARK;END(ロック解除されてるので最後まで)→PHI;END→ALTERNATIVE;END
プレイして思ったのはこの順番が一番ベストじゃないかなぁと思います。伏線もいい感じで回収、張ったりしてきますし。ルナエンドを先に見過ぎたのが痛かったかなぁ…あれは終盤に見るべき。
○タイトル 極限脱出ADV 善人シボウデス
○発売日 2012年2月16日
○機種 3DS/PS Vita
○メーカー チュンソフト
○ジャンル 極限脱出アドベンチャー
○公式サイト http://zendesu.chunsoft.jp/
○原画 西村キヌ
○原案・企画・シナリオ 打越鋼太郎
○ストーリー
目覚めると、そこはエレベーターの中だった。
かたわらには見知らぬ少女の姿があった。
しかし向こうはこちらの事を知っているらしく…。
「シグマ…」
なぜ…?どうしておれの名前を知っている?
激しく詰め寄るシグマだったが、その追求は、突如モニターに現れた1匹のウサギによって断ち切られ…。
「そのエレベータ、まもなく墜落するんだウサ」
謎の少女ファイとともに、どうにかエレベータを脱出したシグマ。
やがて倉庫のような広い空間にたどり着き、
そこで見覚えのない7人の男女と出会うことになった。
シグマたちを含めて、合計で9人。
脱出する為には裏切りのゲーム【アンビデックスゲーム】を行わなければならないという。
協力か裏切りか?
敗者に与えられる罰は――死。
信頼とだましあいの先に待ち受けているものとは、はたして……。
ゲームの基本スペックは以上の通りです。
○【シナリオ】39点/40点
シナリオ構成、シナリオ上の設定・その他もろもろ他の打越作品(999除く)とは一線を画すレベルだと思いました。
最後の続編ありきな終わり方(やればわかりますが、まあ最後はいつも通りのトリックでしたよ)とファイの謎を次作に持ち越す(まあシナリオ上しょうがないんだけど)というのは、他の方の感想でも言われているようにちょっとね…とは思い、1点減点しましたが、他のシナリオ構成・設定は完璧といっても過言ではないでしょう。
12RIVENのような矛盾はないし、Remember11のように消化不良なことはなかったですしね。(まあ考察ゲーという面もあるし、善人も謎をわざと残してるけどもw)
…と言っても○○が○○なのは他の打越ゲーと比べて無理があったかなぁとも思ったけど伏線もいい感じにばらまいてたし、そこは無視することにしましょ
999の完全な続編ということでその辺を加味してみると、シナリオだけならEver17と対等、またはそれ以上になった作品だったと思います。
簡単にいうと999と同じく極限状態での脱出ゲーム…という皮をかぶった○○ってことですかね。この人は本当にやってくれるな、と思いました。こういう設定を考えられるライターは、最近ではこの人レベルの人はほぼ皆無じゃないですかね?
○【原画・背景・キャラクター】23/25点
特にいうことはありませんが、3Dがって感じですかね。これからは3Dが主流になってくるだろうし、文句は言いませんが、西村キヌ絵がいかされてないかなって感じますw
キャラクターについては文句ないです。いつもどおり出てくる登場人物全員が物語に関係し、誰ひとりとして不要な人間はいませんでした。このキャラクターを立たせるという意味では打越さんはかなりのレベルだと思います。
それ以上は何も言いません、ってか言ったらネタバレ満載なので言えません
○【システム・BGM(ボーカル曲も含む)】18/20点
BGMは、ボーカル曲こそないですが、前作同様良い感じにアレンジされてたり、雰囲気にあっていて緊張感があったりと雰囲気出てました。さすがは細江慎治さん。
システムに関しては前作より大幅に改善されてました。フローチャートが出来たのが大きいですね。脱出パートについては前作より少し改善されたかなぁ程度。
ネタバレになるんで言えないけど打越さんはシステムさえもシナリオに組み込んでくるあたり、隙がなさすぎる
前作では脱出パート・ニンテンドーDSという二つの設定を上手く使いましたし、Twitterで本人も言っていたとおり今回はフローチャートというものもシナリオに意味を持たせてました。この人侮れなさすぎる。
あとはシナリオロックシステムがちょっときつかったかなぁと思ったけどそれもシナリオ上しょうがないんだよねぇ。んー、でももう少し分かりやすくしてほしかったかなw
【世界観】15/15点
重要な世界観ですが、もう言うことなしです。前作の続編ってこともありますが、それを上手く活用しシナリオに組み込んでおり、それを利用して今回のシナリオを完成させてました。いやー、上手すぎる。
【総評】95/100点 総プレイ時間:約25時間(脱出パートは完全に攻略見たので自力で全部やったら2倍近くかかるんじゃないでしょうか?)
Ever17を越えたとか思ってましたが、このゲームだけじゃ終わらないってことが影響してこの点数で。それだけEver17は偉大。それ以外は文句なし。伏線の張り方から何からもう鳥肌ものでした。
伏線を張り、それを回収したと思ったらまた新たな謎が出てきたりしたのはいつも通りの打越シナリオ。これだからプレイしてても全然飽きずに先が気になってしまうんですよね。
最後なんか1日で13時間くらいやってましたし。やり始めたらマジで止まらなかった。終盤の伏線回収とか終始一人で「うおおおおおおおおおお、マジかよおおおおおおおお」とか叫んでましたw近所迷惑
エロゲーはキャラや原画が良かったり、エロかったりしたら評価高かったりしてシナリオ?何それってゲームが多いですが、一般ゲーはそうもいかない。その一般ゲーで何作もゲームを出している打越氏ですが、ここまで高クオリティの作品を出し続けているのは凄いと思います。
だからこそ、狭い視野を脱し、一般ゲーから小説などまで視野を向けるべきだと思うんですよね。面白い作品はいっぱいありますよってことですね。
兎にも角にも極限脱出シリーズは本物でした。Infinityシリーズに代わる大作シリーズになることを期待です。善人の終わり方からしておそらく極限脱出シリーズは次回で終わりでしょうしね。次回作、大いに期待しております!
最後にこのゲームの他打越作品との関連性について。
「Ever17」「12RIVEN」「EVEX」のトリック、設定を上手く使い、「Remember11」の緊迫感をもたせ、「999」の世界観、設定、トリックを上手く混ぜ合わせたようなゲーム。打越作品の集大成といえる。
いやー、ここまで書いて思ったけど全部打越作品やったし、マジで俺、打越信者やな、この一言に尽きる。