言われてる程クソ★に思えなかったけど
幼い頃の才能を買われてデビューした二人が精神的に大人になり、小さな頃に見えていた若しくは聞こえていた風景や星の音(?)も枯れ果てた末に結ばれる。そんな話だったと思う。
まずは各ルートの感想から。
基本的にHPのキャラ紹介に載っている順番とは逆順にプレイする癖がついているので攻略順は凛香→ゆい→彩音→星奏の順でした。
・凛香√(60点)
文章力が貧弱な印象しか殆ど残ってない。
展開と展開の繋ぎが雑。急に終わって次の話に入るので読み手としては今何の話をしているのかタイムラグがある。なのに心理描写がお粗末ゆえにどんどん先に突っ走る。正直大まかな話の流れすらちょっと思い出すのが難しい。
確かラクダ演説で負けて慰めてくっついて……どうなったっけ?ってレベルで覚えてない。
複数ライターの弊害なのかもしれないが共通で菜子に悶えまくったのにこの√に入った途端主人公の性格も菜子の性格も変わってしまっていて可愛くなくなってしまった。残念。菜子はただの量産型ツンデレ妹になってしまった。
甘えてる時の凛香は可愛かったが他に注目すべき点の見当たらない√だった。
あとこのライターとのギャグセンスやら常識やらが自分からかけ離れていてとても楽しめるものではなかったってのが一番大きい。
・ゆい√(80点)
ロリは愛でるものであって性欲を向けるものではない。というのが持論なので、当初の期待値では一番低い√だったが、結果として一番出来のいい√になってしまった。だがそれもこのゲームの中では、という話。瞬間的には感動したが全体的には決してレベルの高いものではなかった。
花と会話してるのを見た時は「この子やべぇ……」という感想しか浮かばなかったが、接しているうちに可愛らしい行動が目立ち、微笑ましかったです。
花壇がショベルカーで取り壊される場面では最近脆くなってきている涙腺から思わず涙が溢れました。
しかし意欲的に笑わせようなどという工夫がテキストに殆どなく、終始いい話として終結するのでイチャイチャラブラブで楽しい話を期待すると肩透かしな感じが。
・彩音√(70点)
三回目のラブホH以降の話に価値はない。
ライターバトンタッチでもしたのかな?と思うくらい終盤とそれまででは楽しさが変わるある意味珍しい√。
服飾科の子達との仲直り適当すぎだろう。主人公が「気持ち悪い」って言っただけで今まで険悪だったのが和解の雰囲気漂わせ始めるとか何なん?
で、何歌っちゃってるの?万歩譲って歌うのは別にいいよ?でも集団食中毒からの「私、歌います!」にはビックリだよ。理由付け適当にもほどがあるでしょ。どんだけ息切れしてんのライターさん。で食中毒なはずの本人割とピンピンしてるし。
ていうかよ?そもそも水着コンテストの結果どうなった?一位になったらディスプレイに飾られるとかなんとか言ってたよね?そんな描写ぶっとばして何ステージで気持ちよく歌ってんの?ねぇなんで?
エピローグで虹がなんちゃらとか綺麗に纏めようとしてたけどその前が適当でお粗末すぎてちょっと何言ってんのかわかんなかった。
しかしラブホHまでのギャグセンスは秀逸で何度も笑わされたり彩音の可愛さに悶えたり主人公の天然ボケによくわからずツッコム菜子に悶えたりで大変楽しませてもらいました。
・星奏√(40点)
ネット界隈で言われてる程の酷い√には思えなかったが、TRUEに繋げるためとはいえ投げっぱなし感が強い。
情報を見てからプレイしたってのもあるが√に入った途端に転校話が持ち上がって「え、もう転校?まだHしてないけど」と困惑したものです。
直前の彩音√でばっちりギャグとの相性が良かったせいか、この√でギャグ(殆どなかったが)を出されても笑えず、しかも終始グダグダと暗い話をしてるので、結末を知っているこっちまで暗い話に引きずり込まれそうな鬱陶しいテキストでした。
でもネットで言われてる「何も言わずに主人公の元を去る」ということはなく、転校三日前には主人公に対して学園を去る意思を告げているし、メールとは言え「ごめんね」と告げている。
失踪失踪とお祭りになっていた感じはしないかな、というのが感想。
何も告げずにってのは事情を話さず逃げるようにってことだったのかと、ネットの情報のみで判断すると少し印象が違うかもしれない。
だがしかしコンセプトの「王道の青春」という謳い文句からは明らかに外れているし、ライターが「どや?この展開ドラマチックやろ?」と全く場違いなゲームで一人踊っている。
・last episode(10点)
場違いという意味で。
例えば「海の絵を描いてきてください」と言われて、こっちの方が好きだし絶対こっちを描いた方が皆に評価される!と勢い込んで自信満々で空の絵を描いてきちゃって評価外の烙印を押される感じ。
ネット界隈では最後の絵が主人公の妄想だとか夢の中だとか言われてるけど、文章的になぜそう判断したのかわからない。寝ている主人公に街へと帰ってきた星奏が寄りそう場面にしか見えなかったけど……まぁ笑顔には若干イラッとしたけどね。なんでそこで笑顔だよお前おかしいだろ二人とも疲れ果ててるはずだろ。
星奏が借金の負債を肩代わりして黒い噂の絶えない芸能関連の職場で必死に頑張るものの、結局主人公のそばでないと幼い頃のインスピレーションは出ずに鳴かず飛ばず。これが星奏の貞操感を信じることができない理由です。主人公を何度も裏切ってないとは言えないことになってる訳ですし。
直前に「少女たちの若さを大人たちが利用した」だとか借金の保証人の話だとか、芸能界のドス黒い部分を想起させる描写をしておいて、恋人が借金という弱みを持ってそんなどす黒い業界に一人。身体を売って~だの枕で仕事を~とかが嫌でも浮かびます。
最後の最後は綺麗な演出で終わりたいという想いから、ああいう一枚絵になったことはわかりますが上記の不安をプレイヤーが払拭するためにおまけHとかで芸能界では何もなかったと星奏自信に言わせるべきだったんじゃないでしょうか。
プレイヤーは、恋人がもしかしたら他の人間とセックスしていたかもしれないなんて不安はいりません。特にこういうイチャラブを謳っているゲームではなおさら。
結局顛末は不安を抱えたままゲームを終わってるのに、ライターは「いい雰囲気のラストにできたぞぉ」と満足していて、プレイヤーの独占欲をはき違えていたのが原因だと思う。クソ女とは思わなかった。
追記:星奏が主人公に「二度と会わない」と言ってるにも関わらず、最後に主人公が寝ているベンチに来て笑顔を浮かべる。
主人公は星奏に会いたいがためにルポ記事や三作目の小説を書いて星奏にメッセージを送っている。
これは性悪説で解釈すれば、自分が主人公に対してしたことをもう何でもないこととして許してると思って、再び音楽のインスピレーションを貰うため若しくは許してもらってるから元鞘に収まろうとして帰ってきた場面とも取れる。
この辺どうとでも受け取れるってのは綺麗な物語にしようとしすぎて心情描写をなるべく省いてしまったため。何人かに実際テストプレイしてもらって感想を訊くべきでしたね。
他、菜子√精華√愛美√がないのは許すまじ。あれだけ魅力的に書いておいてそりゃないよ。菜子に関しては声優の力で魅力的になっていた感があるけど。主人公の天然につっこむのが可愛すぎた。
え、でも菜子はデートしたことあるの?愛美さんは結構合コンに行ってたの?……それはどうなんだろうw
と、こんな感じでプレイヤーと制作陣のエロゲこうあるべしという意識が食い違っていたのが燃え盛った原因なのかなと思った。
⁽60+80+70+40+10⁾÷5=52
シナリオ点 31/60
絵 25/30
システムなどその他 5/10
合計61