ロミオと言うことでプレイしてみました。結論から言いますと、途中までは凄まじく面白く、終盤は普通に面白い、といったところでしょうか。
ロミオ作品における特徴の一つとして、終盤における独特の昇華感があるように思います。
CROSS†CHANNEL、Rewrite、人類は衰退しましたetc……
これらの作品は、鳥肌の立つような伏線回収をしたのちに、それまで積み上げてきた物を1つ上の次元へと昇華させ、感情に強く訴えかけてくるという展開を行い、プレイヤーに感動を与えてきたように思います。
本作では、それがありませんでした。
具体的には、伏線回収は綺麗に行ったのですが、そこまで。
神やらなんやらと色々出てくるものの、終始地に足のついた感覚のままであり、真っ当に面白く真っ当に終わったな、という感じです。
批評空間的に言うなら、シナリオゲー基準で中央値80点といったあたり。
普通に面白いのですが、ロミオという名前で出されると期待ちょい下、という雰囲気でしょうか。
ハードル高いって大変ですね(他人事)。名前出さずに仕事したい気持ちがよく分かります。
んではその程度の作品かと言われると、そうでもない結果がこの点数です。
と言いますのも、途中までは本当に面白いんですよね。具体的には裸踊り付近まで。
出てくるキャラは皆魅力的で、毒交じりなロミオ節も小気味いい。
延々とこの感じを味わっていたいなーというロミオの日常描写です。
端々に出てくる無力感というか、他のゲームなら主人公が説教/説得して引きとどめそうなところで手から離れていってしまう部分も本当に好きです。
そして、特筆すべきは流々葉様ED。
CARNIVALの泉EDみたいなのが大好きな身としてはたまりませんでした。
なんともいえぬもやもやとしたやり切れなさがドバッとあふれ出てくる感じです。
このゲーム、タイトルにもある通り和香様がメインなのですが、かなり流々葉様ゲーな気がします。
和香様は真っ当に超然系ざっくばらんヒロインなのですが、流々葉様は豪胆なようでかなり拗らせたものを感じました。好きな人は本当に好きなヒロインだと思います。
トゥルーの方でも結構関わってきますし。
ただ、裸踊り後あたりから展開がちょいちょい雑になってきます。
ラスボスは確かにスゴいんですけど、中間管理職さんと比べると描写が足りておらず、どうも風格が足りません。
その後もなんか終わったのか終わってないのかよく分からない感じ。
局所的にはすごくいい場所もあったのですが(ふることぶみ連打のあたりとか)、どうも物足りないと言いますか。
盛り上がり不足と表現するほかない感じです。
余韻もちょっと足りません。
まあ、色々と述べましたが結局。
「途中までは凄まじく面白く、終盤は普通に面白い」というレビューに全て凝縮されている感じです。
ミドルプライスということを考えると、とてもいいゲームだと思います。
ただ、そろそろロミオの大作も読みたいなーという感じですね。
次はまだプレイできていない最果てのイマでもやりましょうか……。
あ、音楽は全体的に残念です。
特にタイトルでOPのインスト流れているのが、BAD後の余韻ぶち壊しにしてて悲しかったですね。
BGMも中の下といった感じ。必要最低限。
ディレクターもコンポーザーももうちょい頑張ってください。