こっちが頭を掻きむしりたくなる
TAMAMIさんの作品ときいて。
一言でいうなら、精神的グロテスクの極地。さよならを教えてとタメ張れるレベルです。
主人公がヒロインをいきなり監禁するところから始まり、ヒロインは怯えと絶望でベッドの隅で震えているのですが、その様子を見た主人公の感想が「どうして悲しそうなんだろう。もしかして、食べ物が気に入らなかったのかな。それとも僕の語った身の上話が嘘だってばれたのかな」というかんじ。
自分とヒロインを平等な目線に置いて、どうしたらヒロインに好かれるのか一生懸命悩む主人公が滑稽で怖い。背筋が寒くなります。
様々なENDがありますが、どれも因果応報的な展開になるのでそれが唯一の救いなのかもしれません。人を傷つければその報いが必ず返ってくるというのは、TAMAMIさんの作品に共通していて、その突き放すような鋭さになぜか安心と救いを感じます。
相手を傷つけておいて、自分が傷つくことを恐れつづける主人公。それは愛情というよりは欲望で、その身勝手さが醜いけれど少しだけいとおしい。
主人公に嫌悪と歪んだ愛着を抱かせて、胸にわだかまる思いをプレイ後に残す、そんな作品です。大好き!