ErogameScape -エロゲー批評空間-

TASCAMさんのギャングスタ・リパブリカの長文感想

ユーザー
TASCAM
ゲーム
ギャングスタ・リパブリカ
ブランド
WHITESOFT
得点
79
参照数
911

一言コメント

相変わらず全くわからない。だが、それが良い。求めていたものとは合致した。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

発売日に買ってたんですがようやくクリア。いや、つまらないから積んでいたと言う訳ではなく、単純にやる時間が無かったのと、リアルが大変なことになっててやれる状況でもなかったので(苦笑)

また、ここに書くまでも無いですが、ライターさんがライターさんなので、一般的なエロゲを期待して買ってはダメですよって訳で、そういう意味では期待通りの作品です。間違って踏んでしまった方には、ご愁傷様ですという言葉しかかけられません・・・。


さて、基本フルスクリーンで遊ぶタイプですが、今作に限ってはメモ帳開きながらプレイしました。・・・いやー、それでも全然ワカンネw突然ループ設定が出てきた時にはどうしようかと(苦笑)


いったいこの作品は何を表現してるのか・・・という所を探りながらプレイしていたのですが、正直な話、クトゥルフとかキリストとか私は全くわからない(設定としては大好きですが中身はしらない)ので、ソッチ方面の解釈は馬鹿な私には無理なのであきらめてます。ごめんなさい。


さて、突然出てくる、ループ設定ですが・・・。

1・人はループする
2・普通ループは一人でする
3・ループに入っている人間以外はループを認識しないし、ループ内の記憶も無い
4・ループは周期で繰り返される
5・精神的高揚で抜ける
6・ループの最後が事実となる
7・それより前のループは事実にならないが【記憶】に残る

これはまんまエロゲだなぁと。アホゲの設定はいわゆる【フラグ】みたいなものかな?エロゲは基本一人で遊びますしね。プレイしている人間以外は勿論記憶の共有も無いわけで。最後のルート確定というのは、所謂、昨今のトゥルールートみたいなものでしょうか(他のキャラも攻略した記憶は残るが、最終的な正史はトゥルーになるわけで)

ある意味、登場人物は、プレイヤーと同じく周期にて終わるエロゲをプレイしているのと同じ立ち位置になるのでしょうか。周期は、作品によってプレイ時間が変わることを表現しているともいえるか。また、心の中のガラクタとは、各作品が持っている主張に対する表現方法の一つ?であろうか。まぁ、いい年してエロゲをプレイしている私自身の心にガラクタがあるといえばある訳で。難しい。

では、共有ループとは?

1・参加メンバーすべてが認識し、記憶もあり覚えている
2・共有ループは参加しているメンバーの一人と同じになる
3・そのリーダーが精神的高揚を覚えると抜ける
4・共有ループに入れる人々の周りでは怪異なこと?がおこる

コレに関してはホント迷いましたが、自分の中ではニコニコ動画などのプレイ配信?(おじさん、あまりニコニコとか見ないから良くわかりませんが)と言う解釈をしてみました。

リーダー=配信者
共有者 =視聴者

リーダーの高揚でループが終わる = 配信者の意思で配信が終わる

共有ループ外の怪異とは?配信者に対する問題提起?それともエロゲをプレイしている人に対する偏見や好奇な視線に対する表現と捕らえて見ました。どうでしょうか?

今作は思想対立という内容ですが、各登場人物がエロゲであるなら、エロゲ同士が戦いあっているという状況にも見えます。またエロゲのプレイヤー同士が思想をぶつけ合っているともいえるかな(ある意味、批評空間がそれを体現してますね)

・ドキドキしたら共有ループを抜ける → 別々の時間を歩く
・ドキドキを我慢するのが辛い・・・ドキドキする生き方をしたいなら耐える必要なんか無い。
(ゲームをやってる時間をループ?現実に戻るがドキドキ?)
この辺はエロゲに対するアンチテーゼともとれるのかな。

ゆとりの設定なんかは
・良い環境に恵まれた一万回のループ
なんて、ある意味お金持ちのニートとかが当てはまっちゃうかも。
ドキドキしたいなら、そこから抜け出せ!的な。

・キレイで静かで安全で安らぐ小さな場所よりも → 仲間といたい
結局仲間といたいという結論になるし・・・。


・ループ周期の大きいものは強者
・ループ周期の小さいものを巻き込む

この設定は

強者=有名な(評価の高い)作品

と考えて見ました。面白い作品をプレイしてしまうと、過去の作品は上書きされてしまうじゃないですか?だから苦手である。有名な作品には必ずアンチもつきますしね。弱者が後者を嫌うと言うのも、所謂、アンチ的な存在を表現しているのかもしれない。


このゲームの世界は二重の平行世界となってます。

・ループが出来る主人公
・ループが出来ない主人公

そして、二通りあるエピローグ

・禊ルートで子供が出来る
・こおりルートで永久のモラトリアムを目指す

正直、全く理解できませんが(笑)未来が確定していないことに対する表現ではないのかと・・・(プレイヤーの未来であり、エロゲ業界の未来か、どちらともいえるか)禊ルートでは、子供ができてモラトリアムの脱却?であり、こおりルートでは永久のモラトリアムを目指してるし、非常に対極的な結果となってます。今後もモラトリアムな作品は出続けるし、また対極な作品も出続けるでしょう。(永久のモラトリアム=究極の萌えゲーかな)

みんなで一緒にループする生き方もよし、主人公と一緒にループしない人生を歩むもよし。私たちの生き方にも当てはまる気もします。正解は無い。また、子供の名前から考えるに、最初の登場人物とは主人公でしょうか。だとするとループしてることになりますが。よく時代は繰り返すと言われますが、それを表現しているのかなと考えてみました。

ヒッパルコスの天使とはなんでしょうか。生贄とはエロゲでしょうか。エロゲを奪われた主人公は、ループしない現実を生きていきます。エロゲをプレイしない人生、幸せなのかも知れません。エロゲの無い世界、それは一般的に見て世界の安寧かもしれませんね。


ここまできて、モラトリアム・クラスタって、多分、私たちなんじゃないか・・・と思うわけです。リパブリカって批評君間だったりして・・・ね。ピカロはエロゲの販売店でしょうか?・・・こじつけですかね(苦笑)

でも、仲間見つかりますよね、きっと。


悪が世界を変える=エロゲで世界は変わる・・・か?

悪とは【人がそうしたいと思うのとは違うやり方で、人がそうなりたいと思う事を実現すること】=エロゲだって思いを実現することは可能なんです。たとえ、人から笑われる存在であっても。



本当に難しい(苦笑)

所詮、自分で決め付けた結果に対して、後付した内容であるのが悲しいところですが・・・。

この作品は【思想対立】というモチーフを使い、ライターさんがエロゲプレイヤー、エロゲ業界を俯瞰的に見て感じた物を【ギャングスタ・リパブリカ】というゲームを使いエンタメとして表現したものである。

と結論を出して見ました。

全く自信ないですが(苦笑)いかがでしょうか?



いやー、当分こういう作品はいいかな。疲れた・・・。
ゆっくりこれから皆様の感想見て、反省したいと思いますw




・・・点数?・・・80・・・いや79としておこうかな。正直、点数つけるタイプのゲームじゃないし・・・ね。値段分は楽しんだと言うか考えましたw

【悪】
・はっきりした思想信条を持たない
・道化になる
・どっちつかず

作品上しょうがないけど、上記のせいで自分が一番苦手な主人公となりましたw普通のエロゲとして遊んでいたなら辛かったですね、というか間違いなくギブ。