最終ルートの伏線回収が全て。個人的には充分楽しめました。
まったりとクリア後の余韻に浸りながら、改めてこのゲームについて考えてみると・・・、結構、酷い人が多かった気がします。主人公なんてその最たる人ですよね。恋を知りたいから藍を呼んじゃいましたwってそりゃないでしょ。澪の入れ替わりもそうだしね。「いやいや、許せないでしょ、ふつー」とか思うんですが、良くも悪くも、命が【軽い】(死んでも神様と雑談できますしねw)ので、そこまで不快感は感じませんでした。【優しい魔法がふたりを繋ぐ恋愛ADV】というキャッチコピーですしね。このコピーで、命の大切さを語るリアルドキュメンタリーやられても困りますからね(笑
また、詳細に関しても、結構スルーされてるなぁと思うわけですよ。
主人公も生い立ちは不幸でしたで終わりだし、敷島兄も生きてるみたいで終わりだし、白さんは結局愛する人に合えずに終わり、鈴さんも体頑丈でしたで終わり。つかさと鏡はもはやおまけシナリオって感じですしw
それでも、あまり不満に思わなかったのはなんでだろうかと思うんですが、見せ方がうまかった・・・というか、細かい設定を無視できる世界観、且つ、本筋に必要な部分はきっちり書いて、あまり必要でない部分は極限まで描写を省く・・・このサジ加減が上手に感じました。
更にいえば、全体的に、不満・・・が出そうな部分をうまく【逃がしていた】感じがします。
主人公は酷いことやっちゃったけど、数万年も閉じ込められてたらしょうがないよなーとか
藍ももうちょっと怒れよとか思うけど、徹底して究極のプラス思考表現だったので、まぁいいのかなーとか
真悠馬さんはとばっちりですが、殆ど描写されないためそこまで不満をぶつけられないなーとか
加奈は主人公が助けなかったとしても、最終的にはあゆむがたすけてくれるからいいのかなーとか
そもそも、このセカイ自体が作られたお話なんですから、まぁいいのかなーってなるという。
なんという劇中劇w
かといって、ヒロイン個別が100%捨て材料になってるかと言えば、「あらすじのみでおおまかな流れのみを設定する」とか「いろセカの登場人物も生きている(エンド後に彼女らの願いも叶えにいきますしね)」等、捨ては捨てですが、一応配慮がされてるところにも好感がもてます。
一番感心したのが。
「つかさと鏡の話は、結構やっつけだよなー」とか思っていたのですが、真紅√で二人には直接会ってないということが判明し、「そりゃ直接あってないし、思いいれもそこまでなさそうだから、設定もやっつけになっちゃうよなー」とか思わず納得してしまったw(そもそもヒロイン3人でいいジャンとか思ったけど、まぁ、それだと商売的に厳しいだろうししょうがないんでしょうね)
良く見りゃパッケージも3人しかかかれてないし、一本取られた感じでしたw
まぁ、冗談は置いておいて
・真紅の願い「恋をする」 → 実は悠馬の願いだった
・ヒロインたちを主人公が助ける話 → 真紅がヒロインたちを助ける話
・リスクがあるのに能力乱発 → そういう風に設定されていた
・主人公はあきらめようとしていた → 鈴は叶えさせようとしていた
・願いをかなえるための物語 → 願いをあきらめるための物語
色々ありますが、設定をうまく利用して、上手に話を見せられていると思います。日記を書くのが苦手とか、鈴が主人公にイチイチいたずらするとか、そういう細かい部分も伏線に利用してうまく消化してましたし、本筋に不要な部分はさらっと流して、必要なところはきっちりまとめた感じですね。
真紅√で、ことごとく上記の様に初期設定を逆転させていくのは、なかなか面白かったです。
やっぱりこういう設定や伏線を上手に使って、最後に一気に回収していく作品は楽しいですね。
いろとりどりのセカイ=ヒロイン達が生まれた色々なセカイのコト
という風に見せておいて
登場人物が生活している偽者世界そのものの名称=いろとりどりのセカイ
なかなか見事な構成でした。満足です^^
ただ話の構成上、真紅以外のヒロインは、あくまで前座扱いになってしまうため、真紅が気に入らないとエロゲとしては厳しいかも。また、ヒロインの個別では、設定を予想できる材料が殆ど無いため、先を推理して楽しむというのも厳しいかもです。各ヒロインの√で少し伏線の解決があるとはいえ、もう少し真紅ルートに引っ張っていけるだけの内容であったら、傑作になれてたかもしれません。
ではでは、こんな感じで。
ちょっと点数甘目かもですが、それは好みって事で。
前作の星メモというプレッシャーの中で、充分満足できるお話でした。
なかひろさん共々、このシナリオライターさんも今後チェックですね。
次回作も楽しみです。
総評
真紅が寝てるCGが可愛すぎて死ねる。