9時間9人9の扉はデスゲームをベースとしたシナリオにSF要素を足したもの。シボウデスは全く逆、デスゲームものの皮を被ったSFもの。ジャンルが違います。
・9時間9人9の扉
デスゲームものの傑作。
数字根を使ったシナリオは唸る出来。
よくこんな蜘蛛の巣のような話を作ったなあと感心した。
デスゲームものとしては文句なく傑作なんだけど、問題は終盤からオチにかけてのとんでもびっくり展開。
個人的にはSF要素もオカルト要素もいらなかった。
特にオカルト要素は完全に投げっ放し・・・。
ロジカルなゲームに終始してくれれば数年に一度の名作と認定してただろうから少し残念。
謎解き(脱出ゲーム)は元がDSのゲームだからか低難易度。
やりごたえがあるとは言えないけど、変に詰まってイライラすることもなかった。
可もなく不可もなく。
以上、総合的に点数をつけるなら
デスゲームものとして=85点
メインシナリオ(SF要素)=65点
謎解き=70点
合わせて75点ぐらいの評価。
デスゲーム部分は本当に面白い。
終盤にぶちこんできたSF要素が蛇足だった。
そして本作のSF部分を広げたのが次作『善人シボウデス』。
・善人シボウデス
こちらは前作の逆でSFがシナリオの軸。デスゲーム要素はおまけ。
Ever17を思い起こさせるシナリオはよく練られていて面白かった。
最後はかなり中途半端なところで終わるけど、現時点では続編が発売しているのでOK。
(発売日に買った人はたまったもんじゃなかったろうな~と思う)
デスゲーム部分はオマケ。そこに期待してはいけない。
まず、メインゲームとなるABゲームの作りが雑。
『囚人のジレンマ』を模したゲームだけど、その体を成していない。
・相談ができる時点でジレンマが生まれない(でも作中の人物は誰も相談しない)
・最初から裏切りを選ぶと詰むことが容易に想像できるし、協力を選ぶデメリットが少ない(でも最初のゲームから3人も裏切りを選ぶ)
・ペアの場合、暴力で上回る方に投票の決定権がある(なにそれ)
途中までは「もう少し考えようぜ、このルールで最初から裏切りを選ぶはないだろ!?」と内心切れていましたが、ゲームが進むにつれて察しました。
ABゲームはどうでもいいと。
登場人物も誰もクリアのために真面目に考察なんてしない。
明らかにやる気がない。
むしろクリアしてもらっては困るから、バカになってもらう。
本作でのデスゲームはオマケ。あくまでSFがメイン。
そのSF部分は唐突に差し込まれた印象のある前作と違って素晴らしい出来。
物語の因果とその見せ方、物語終盤での収束が見事でした。
以上、総合的に点数をつけるなら
デスゲームものとして=50点
メインシナリオ(SF要素)=80点
謎解き=75点
シボウデス単独で70点ぐらいの評価。
個人的に求めていたのは脱出ゲームなので9時間9人9の扉の方が高評価になりました。
Ever17を求める人はシボウデスが面白いと思います。