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SakuRambo_sonさんの乙女の剣と秘めごとコンチェルトの長文感想

ユーザー
SakuRambo_son
ゲーム
乙女の剣と秘めごとコンチェルト
ブランド
ensemble
得点
93
参照数
723

一言コメント

こしあん、君がブリランテだ。誰よりも輝いている最高のあんこだったよ。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

こしあんルートが飛び抜けて良かった。
乙女シリーズの友人系ヒロインは、どうしても「いい子」止まりでヒロインとしては弱かったんだけど、こしあんは星乙ネリネルートを彷彿とさせる素晴らしいストーリーが魅力を最大限に引き出していた。

連弾舞闘に出ることが決まってからネガティブな言動が目立っていたこしあんだが、自信をつけさせようとする陽菜のトレーニングで前向きになっていく。
強敵を前に勝てない勝てないと弱気だったのに、陽菜のおかげもあり自信が生まれ、絶対に勝つつもりで祝勝会の準備をして臨んだ初戦。見応えある駆け引きでクレール様をあと一歩のところまで追い詰めたこしあんの成長を、心の底から褒め称えたい。
得意なことが何もない平凡な子で根は泣き虫で、歌は上手くなれず舞闘にも負けてしまったこしあんだが、格上相手に一歩も引かず戦い抜いたその姿は誰よりも輝いていた。君がブリランテだよ、こしあん。
きっと周囲に対する羨望やら劣等感やらが少なからずあっただろう。また昔みたいに泣いてしまいそうな日もあっただろう。それでも常に笑顔で居続けたこしあんが、ブリランテでないことがあろうか。
「ブリランテ」になったこしあんと陽菜が傘で隠してキスするシーンがいとをかしい。ただでさえエモい傘キスをこの流れでやられたら感動しないわけがないよ。

最後の舞闘もあれはあれで好きだけど、せっかくだからこしあんが陽菜に勝つぐらい成長したところも見せてほしかった気持ちはある。

エロ自撮りとか触りっことかえっちな方面でも強かった。あんなえっちな自撮り送られたら悪魔もオナニーしろって囁くよ。
日常シーンでは元気で明るく豊かな表情がかわいいし、友人系ヒロインは弱いとか言ってごめんよそんなこと全然なかったわ。他ルートですら輝いて見えた。
まず自己紹介が個性的で好き。一緒に粒あん派を滅ぼそうな。
かわいいよこしあん>w<。

甘いもの好きな設定は祝勝会未遂ぐらいでしか見なかったよね。



えっちえっちだったクレールママもこしあんに負けないぐらい好き。
母性全開の寝起きHとか怒涛のおち○ぽ批評とか、エロスが擬人化されたママだった。
そのおっぱいで抱き癖あるのはけしからんですよ。谷間嗅ぎたい。
陽菜ちゃんが恥ずかしがらずに全力で甘えてたからこそママの母性が極限まで引き出されたと思う。陽菜ちゃんのファインプレー。

エロ以外はというと、惚れる流れだったり留学が終わることへの葛藤だったり、そういったことはしっかり描かれないち○ぽとおっぱいだけの話。こんなエロスの権化がまともなストーリーやろうってのが間違いだからしゃーない。
最後の留学を決めるシーンなんかは演出けっこう良いのに流れが急で……。
くだらん理由で負けるし特に騎士としての目標があるわけでもないし、舞闘必要あった?
依夜ルートでは仲間と協力して戦うのが得意だなんて言われてたのに、あっさり負けたね(ウィッグのことがあったとはいえ)。
自分のルートだと情けない負け方するのに、こしあんルートで本気出すのやめてあげてよ。なんだあの反応速度。
睦月ルートでも対応力発揮して陽菜に勝つし。
陽菜と組んでたときは舞闘のことよりもえっちなことで頭がいっぱいだったのかな。クレール様のえっちえっちー。



梨理ルートは日向がもろナンパ野郎だったのと、それにあっさり堕とされる梨理のチョロさがちょっと求めていたものと違った。デレる前、けっこうウザかったからな……。
「日向」としてのHシーンが多かったのが印象的で、日向のメス堕ちなんかはエロかった。

ルート後半で美実への対抗心とかがもっと描かれると最終戦が盛り上がったかなと思う。いまひとつ物足りなかった。
ストーリー的にはルート前半だけでも十分成り立っていたところも、Hシーンの詰め込まれた後半が弱く感じた理由か。
後半はHシーン以外には歌劇への努力が描かれていたのに、クライマックスは結局舞闘で歌劇はおまけでしかなかったので、せっかくがんばった歌劇のシーンが多少は見たかった。

美実様はどのルートでもそれなりに出番もらってて(特に相手として)、サブヒロインながらおいしい役どころだなと。
睦月ルート前半で梨理への想いも回収されたしね。



これら3ルートでの連弾舞闘は、せっかくのタッグ戦なのに2対2でなく1対1×2であることがほとんどで、陽菜ちゃんにヒロインを選ばせるための設定以上の意味を見出せなかった。
一応連弾舞闘としての作戦は立ててるんだけど、せいぜいどっちがどっちにぶつかるかぐらいで、2人で戦っている気はしない。

唯一タッグ戦の意義を感じたのが依夜ルート。
個人戦では最強クラスの2人VS.チームワークにおいて勝る他のペア(特に椋木姉妹)という構図は、2対2でないと成り立たない。
舞闘を決着させた技も2人ならではのもので、やっと「連弾」舞闘を見ることができた。

息を合わせて同じ動きをしたからなんなんだとか、結局動きが揃っただけで1対1×2のままではないかとかは、他ルートの独奏舞闘に比べたら連弾してるんだからいいのである。



プリモというルールも、結局が1対1×2だからあまり活きていない。
プリモを守るような戦い方してれば意味あったんだけど、普通に一騎討ちしてるからね。
プリモ関係なく両方打ち負かしてる舞闘もよくあったし。
触れれば勝てる飾緒の存在が、シナリオ上都合良かったのかな。

2対2については評価してないが、それぞれの戦闘描写はおもしろかった。
CGが普通にかっこいいよね。
戦闘とは名ばかりの口論にならずに、しっかり剣と剣の駆け引きが描かれていた。
戦闘BGMも緊迫しててかっこいい、変則リズムのドラム好き。舞闘中ずっと聴こえてた気がするからもう一種類ぐらい戦闘BGMあった方がよかったとは思うけど。



個別の話に戻って、睦月ルートはそうきたかー!
なるほど、女装主人公には慣れたけど女装ヒロインは盲点だったわ。全作プレイできてないけど、ここまで続いて初よね?いやー、その可能性があったか。

つーちゃんもひなちゃんも誰より乙女で尊かった。通い妻陽菜ちゃんかわいかったわね。むつひなHシーンないのは何故?立派にアン・ガルドした股間のクラージュを激しく交える睦月と陽菜の夜の舞闘を見たいんですが。

このルートでやっと歌劇したけど、他ルートでは歌劇アリアの存在意義がなかった。
これやりたいがために設定ねじ込んだ感は否めない。剣と歌、親和性低かったし。
乙奏プレイ済だったらまた印象違ったのかな。



睦月ルートでは通い妻だった陽菜ちゃんは、こしあんとラブラブしたりクレールママや依夜ママにに甘えたり梨理の前では男になってみたり、全編通して八面六臂の大活躍。にゅえええええええ。
女装ヒロインのつーちゃんの前でも乙女で、シリーズでも特に「女の子」だった。
女の子用のぱんつ履いてるし、こしあんとツーショットしてるCGとかどうみてもおっぱい膨らんでるし、やっぱり陽菜ちゃんは間違いなく女の子なんだよね。
筋肉に詳しくて骨格とかで性別見抜けそうな騎士お嬢様たちにすら男だと思われてないのも女の子であることを裏付けている。
乙女なのに超強気で好戦的なところ好き。乙女なのに立派なクラージュをアン・ガルドさせちゃうところえっち。単独でオナニーシーン入れるensenbleの名采配。



その他、かわいらしいSD絵、にゅえや悪魔の囁きのようなコミカルな演出など楽しくてGOOD。
前に机を置いて座っているように見せたり、ショッピングモールの2階を歩かせたり、立ち絵の使い方もおもしろい。



最近の乙女シリーズはほんとにシナリオもエロも素晴らしいわね。
女装ヒロインという扉を開いたensenbleの今後にも期待。