浮気妻を追い詰める、普通のNTRモノとはちょっと違った角度の作品。火箭というタイトルの意味はよくわからない。
あかべぇ系列だから期待はしてなかったけど、それなりに愉しめた。
ヒロインの不倫を追い詰めていくという、ただ奪われて何もなくなってしまうNTRとは少し違った切り口の作品。
NTRモノって仕方なく堕とされてしまうかわいそうなヒロインが多いけど、本作のヒロインは根がビッチなので心置きなく糾弾できる。
「これは浮気じゃないから」とか「あの人も浮気してるみたいだし」（全くしてない）とか「元はと言えば家計が減ったのが原因だ」とか、自分は悪くないみたいな言い訳をする浮気女ってのがすごくリアルで良かったわね。
ヒロインがそんな女だから、容赦のない問い詰めシーンがこの上ない快感。
ろくに話も聞かずに一方的に証拠を突きつけ、支離滅裂な女の言い訳をバッサリ。あのシーンだけ爽快感が異常だった。抜きゲーなのにHシーンよりもそこが気持ちよかったかもしれないわ。
その部分について一つだけ言うなら、証拠写真に対してそれぞれ違った反応欲しかったなーってのはある。一番おもしろかったシーンだからこそ、もっとヒロインの反応があるとなお愉しめたかなって。
クライマックスに対して、まだ疑い段階で浮気調査中の前半は正直どうかと思った。
前半はHシーンが、証拠画像を入手した主人公の「きっとあいつはこんなプレイをしているに違いない……」という妄想なのである。
結局全部実際にそんなかんじでヤってたんだろうけど、主人公の妄想ばかり見せられていて、ずっとこんなHシーンばっかなのかと不安しかなかったよね。
探偵に裏がありそうでただの有能探偵だったなど消化不良なところもある。証拠画像バッチリ押さえてくる有能。
間男が企てた離間の策と考えると、画像の入手経路や間男の妻に対する発言、そもそもの主人公と探偵の偶然の出逢いなど、辻褄が合う部分は多いが、作中で明示はされないので推測の域を出ない。
金遣いが荒くて世間知らずな頭も股も緩い女を、完膚なきまでにボロボロに追い詰めてポイッと捨てる。そんな快感を味わえた作品だった。
SNSとかによくいるじゃんね、何もできないくせに身体で男捕まえて贅沢してるあーこいつあっさり捨てられて何もかも失わねーかなーって女。それを形にしたのがこれ。
……で、結局本編には一切出てこなかった「火箭」ってなんだったん？
火箭って火矢のことだよね、何かの隠喩？
浮気女に火矢の如く証拠を射掛けるとか、そういう意味合いなんだろうか。さっぱりわからん。
あかべぇ系列は変なタイトルがやたら多いが、その中でも飛び抜けてタイトルの意味がわからない。