Hシーンは抜ける
Hシーンは卑語多めで良かったが、それ以外のストーリーはてんでダメ、無味。ライターお得意の「なっ……!!」が何度も繰り出される。特にホノカルートが無味無臭。
シェアハウスでの生活を撮影するテレビ番組、というおそらくテラスハウス?なるものを意識した設定だったが、撮影設定が活かされるのはアカリルートのみ。セイナルートも番組であることが話に大きく絡んでくるものの、撮影されていることを意識するような場面は無い。
撮影以外の設定も死んでいるものが多い。
ホノカには元保育士で現グラドルという設定があるが、前者は共通で役目を終え個別では消滅、後者は水着がHシーンに用いられるのみ。そもそもルート自体が無味無臭だから活かす活かさない以前の問題だが。
セイナの読モ設定も、忘れてしまっていたほど影が薄い。そもそもモデルなどやりたがらなそうな性格でもある。
ミホもギター勝負こそするもののそれがギターである必要はなく、シナリオ上ギタリストである意義は皆無。ロックな精神を見せつけたりすることもなく、ごんすけの印象ばかりでギターの印象は無い。
唯一アカリルートだけは(他に比べて)起承転結がしっかりしており、撮影設定も忘れられてはいなかった。おもしろかったかと聞かれれば……エロかった。
主人公の作家設定も思い出したようにときどき出てくるのみで、基本はただのフリーター。
共通での演劇も完全に共通だけでのできごとで、後半の個別に活かされることは一切ない。
この作品の最も良かった部分が卑語の多いHシーンだったわけだが、その長所を一番見せてくれたのはセイナ。「〜なんだよ」という特徴的な口調もかわいい。
次いで授乳やら新妻やらのシチュエーションを多く盛り込んできたホノカがエロい。
アカリもがんばったが、上2人と比べると決定打に欠ける。
ミホは共通時にはなかなかいい味を出していたが、ヒロインとしてはあまりにも性格が幼すぎた。
一番主人公好き好きアピールが強くヒロイン力最高のマモリは残念ながらサブヒロイン。
テラスハウス?みたいなものを描きたかったんだろうが、こんなのがやりたい!という企画・プロットの段階のまま売り出してしまったような作品。このヒロインはグラドルにしよう、こっちは読モに、こっちのヒロインにはギターを弾かせよう、というところで止まってしまい、それをどうストーリーに絡めるかまで至れていなかった。やりたいことはわかるがそれを伝える力がないいつものMORE下位ブランド。
しかしエロ方面はなかなか良かったので、いっそMONAKOのような抜きゲーにしてしまえばよかったのかもしれない。要らない部分がなくなるだけで良作になったりはしないけど。