登場人物の思惑よりも何よりも、空恋の流用が最大の謎
※重大なネタバレがあるので、未プレイ時には読まないでください。
MORE系列の作品らしく、若者の葛藤というかモラトリアム的なものを主張していたわけだが、原画がかわいいこともあって楽しめた。MOREのエロ系の原画も悪くないんだけど……かわいい系の方が背徳感があった。
ただ、シナリオライターが伝えたかったであろうことが伝わったかというと……ぶっちゃけ何が言いたいのかわからないストーリーではあった。
カナは自由で無邪気なところがかわいい。途中からのイツキへの好き好きオーラはヤバいので、是非ともくっついてほしかったが……まぁ消えなかっただけいいか。カナルートは唯一明るいエンドで、カナのかわいさも相まって最も満足したルート。
ユリはかわいいし純粋な物を汚してる感は素晴らしくエロいし、イツキに一途なのもいい。が、最後に別の男にNTRされていることがわかったときのモヤモヤ感ときたら……。それがNTRものの良さでもあるんだが、NTRものとしてやってたわけじゃないし。最初と最後で一番変わってしまった娘。
なんで主人公に見ていてほしかったのかってのが一番の謎よな。好きだったからなら他の男とくっついてからは約束なんてどうでもいいはずだし、まだ好きなら他の男と恋をして結婚して〜なんてのもおかしいし。本命は主人公で見ていてほしいっていう特殊な性癖を満たさせてるってこと?よくわからん。
一生探させて自分だけ幸せになろうってのも相当な悪女よな。約束を破って自分を見てくれなかった主人公への罰のつもりなのか、それとも最初の最初から弄ぶ気満々だったのか。前者ならまだ許せるけど後者は完全に悪。メインヒロインがまさか悪女だったとはなぁ……。
ミクはすべての元凶の悪女。非処女のビッチなのでエロい。ミクルートはどんでん返しも何もなく、ミクがNTR好きな狂った悪女なまま終わった。主人公が陥れられてやっぱりバッドエンドで後味は悪い。後味の悪さを楽しむようなゲームだからしょうがないっちゃしょうがないんだけどさ、どうにもこのモヤモヤ感が。
ミクが元凶で、ユリがきっかけで、カナがそれを加速させてしまった。悪いのはどう考えてもミク。だが、ユリがいなければミクも何もしなかったわけだし、そもそもユリもミクに嫌がらせしてたようだし。カナがいなければイツキの欲望があそこまで目覚めることもなかったわけだし。三股の浮気してたイツキを責めるのもわかるが、イツキが被害者だってことわかってあげられてないユーザー多そう。
残念なのはモヤモヤ感と(それがいいところなんだけど)、3Pが1回しかなかったところ。この展開ならもっとあってもよかったじゃん……。
それから写真がどういった経緯で主人公を形成するに至ったのか、何故写真に拘るのかが描かれていなかったこと。行為を写真に収めることが、主人公にとってどんな意味のある行為だったのか、それがわからないから、ただ終盤で晒す展開にするために撮らせていたように思えてしまう。
主人公のセリフに「なっ……!?」が異常に多いこともライターの技量不足が窺える欠点か。
あとは、空恋の流用は意味あったん?ってこと。単なる作曲の手間省きか?それとも映画と写真とでなんか関連付けたかったんか?特に2作品に関係がないのに流用した意図がまったく見えない。
MORE系列作品の中では哲学的な内容が薄く話を普通に楽しめたし、ヒロインはかわいくてエロかった。特に抜けないHシーンが一つもなかった。