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SANA-kiさんのハピメアの長文感想

ユーザー
SANA-ki
ゲーム
ハピメア
ブランド
Purple software
得点
94
参照数
799

一言コメント

true√素晴らしかった

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

日の光が差し込む演出はずるい。
有栖は忘れられないヒロインになった。

有栖√は全体としても良かったです。
ラストの昔の有子との会話のシーンは良かった。何年越しか分からないが、辛さを乗り越えてああゆう言葉を、他でもないあの有子に言えたことが透にとっても幸せだったと思う。
透の2人に対するそれぞれの気持ちもはっきりしていて、特に有栖は第8話に限らず情が伝わってきた。
ラストはもう有栖の「こんばんは」にも紅茶を入れるところにも愛おしさを感じたし
互いが一瞬一瞬の時間を大切に感じていたのが伝わってきた。
感動というか、この時間は忘れられない。




100点を付けなかった以上他の√にも触れたいと思います。とはいえキャラクター自体は満点なのですが
弥生と景子の話の内容は点数の上ではあまり考えてません


▼弥生
先輩としての独特な奔放ぶり、共通√で見せた弱さや可愛らしさは文句なしに魅力的でした。
咲がとる距離感からもなんだかんだで信頼されてるのが伺えるし。景子に対しては嫌悪の中にも愛情のようなものを感じた。
パーティーで景子の隣にいたシーンなど、やってくれるなぁと思いました。
ただ途中で急にメンタル弱くなりましたね。そこは気になった。話全体も舞亜とのシーンでちょっとわくわくしたくらいで後は面白くなかったが、最後の出会いの場面はそこそこ、主人公が手を掴むシーンも格好よかった。
黒髪の弥生も中々良かったですよね。
エピローグもらしさが出てて、終わりは良かったんじゃないかな。


▼景子
血統書付きロック猫。このキャラもまた.....本筋に関わり少ない2人がここまでレベル高いんだからもう。
2回しか面識ないのにいきなり裸Yシャツになったりしますが。何か通ずるものがあったんでしょう。透の人柄もあるかな。
クールな甘えん坊、オーラがにじみ出てる。こんなん家に上げますよそりゃ。
いつの間にか猫みたいに懐いてる訳ですが、その辺に描写不足は感じませんでした。それが景子のなせる技(???)
話はまぁ普通に良かったと思います。父親と向き合い透への想いを貫く単純なお話。
夢の中でその話が進んでいく訳ですが、舞亜や他ヒロインの絡め方も含めて悪くなかったんじゃないかなと。
個人的に好きなのは√の分岐する温泉のとこ。真っ直ぐ目を見て静かに自分の気持ちを語る景子は格好いいとすら思った。なんだかんだで素直な景子、その魅力を一番感じたシーン。

それから、有子との関係。伏線としても良かったし、
有子の違う一面を見れた意味でも、良い人選というか、自然な絡み方で良かったと思う。



▼舞亜
点を引いたのはこの√の要因が大きいです。 √が無かったと言った方が良いか。
このキャラクターの魅力に関しては語るまでも無いでしょう。 ただ、物足りなかった。
主人公が夢に堕ちたEND。

「引き返せない」というところがネックになったと思う。

「現実に戻ることが出来なかった」 ではなく 「夢でも良いから舞亜を選んだ」 という形をとって欲しかった。
まだ引き返せる。そんな状況で自分の意思で舞亜を選んで欲しかった。
BADENDではなく、舞亜ENDを見たかった。

「あの後わたしがどうなったのか、それを悲しくドラマティックに伝えたらお兄ちゃんは泣いちゃうわね」
低俗な表現だが、えげつなく同情を誘うような(透に対してもユーザーに対しても)描写が欲しかった。鬱展開になりかねないし、難しいとは思うが、
咲の記憶を振り返った咲√と対になるものとして舞亜√があれば面白かったと思う。(本当に勝手な話だがタイトル画面で手を取り合う2人を見てそういうものも期待してしまった)
その上で舞亜の透への愛をみせてほしかった
兄が一緒にいてくれたらと想う気持ちや自分を操る力に抗って、透をループに返す舞亜が見れたら、きっと展開にぞくぞくしたし、号泣ものでした。いや、舞亜の感情が見えたならもうそのまま夢堕ちでも泣いてた。
共通√で有栖(有子)に敵意を見せた舞亜。個別√では夢に抗う彼女を見たかった。

咲√でも舞亜がメインばりに関わってくる訳ですが、舞亜√で少しでも感情に触れていればラストの感動は比べものにならないものになったのではと思ってしまう。微笑んで消えていくシーンやエピローグなど。
勝手な妄想申し訳ないです。
でもやはり主人公の、トラウマでない舞亜への想いが見たかった。


それから、有栖√での舞亜は個人的には文句なしの終わり方でした。
透はもう夢に振り回されない、夢は夢として割り切ることができると思える終わりだったし、物語としても解決したと言っていいと思います。
何より、兄妹の絆を感じることができたので。
要所で舞亜の声が割り込む場面も、舞亜の性格や透の舞亜に対する信頼が表れてて良かった。
最後のCGでは素の表情も見れて、妹らしい可愛さがありました。2人でにやけた時の顔も舞亜らしくて良かったけどね



▼咲
(以下行間まで勝手に盛り上がります。)
最初のCGを見た時、やばい、と思いました。一目見て年下のキャラだと分かったが、何だこの色気。魅入られるというか圧倒というか。可愛いとか以前に半端なく美人ですよねこの子。こんなオーラを放つキャラクターは初めて出会いました。
正面の立ち絵が特にやばい。顔が整いすぎてるのか。どことなく怖いと思わせかねない類の目、オーラ。
だが年相応の可愛らしさもあり、たまに見せる表情の豊かさは群を抜いてた。かわいいことかわいいこと。
とにかく何かやばいと感じました。咲の美人さはもう

まぁこれくらいにして、

お話は正直微妙でした。
共通第2話のつかみはばっちり。第8話でも舞亜の異変に気付いていたのは流石。透に助けを求め、透も舞亜の異変に気づく所まで展開も良かった。
しかし弥生√同様弱さが気になってしまった。今まで透を支えてきた咲が夢に堕ちる展開は理解できなかった。
決別のシーンも、うーん、、咲と透サイドの感情ではあまり感動できないかな。
結果として舞亜と正面から向き合った唯一の√でしょうか。依存のような関係から進むには決別が必要でしたし、大筋は第2話終えた時点で期待した通りの展開だったと言える。エピローグも良かった。ただ咲√なのに舞亜の名前で終わるのはいかがなものか…



▼総評、雑記

舞亜√と咲√でもう少し光るものが欲しかったというのが正直な感想。
trueだけでも素晴らしいと思うが。舞亜の存在がとても魅力的だったので、やはり活かしきって欲しかった。この兄妹の話に咲がどう絡んでくるかも個人的には期待してたところで、期待以上の箇所もあったが最後の感動は弱かった。

グラフィック素晴らしかったです。
克先生は大事なシーンは必ず決めてくれる。 Hシーンも、特に夢(お茶会の部屋)でのシーンはやばいものばかりでした。
月杜先生も。一発で名前覚えた。咲も景子も、立ち絵のクオリティ完璧でした。
年下で、目がパッチリしてて、 そういうキャラに「美人」という感想をもったのはきっと初めて。あとみあさん可愛い。

それから、有栖のキャラクターについて
無邪気でボーイッシュな可愛さと健康的で華奢な色気。ずるくね。有子良い趣味してるわ
腕も細く華奢で、でも体型は誰より女の子らしく(女性というより女の子)。たまに見せる落ち着いた雰囲気ではいつも以上に体の小ささを意識させ儚げな色気すらある。
Hシーンも有栖が断トツでした。あのギャップは反則。若干有子入ってる感じもしたけど、ああゆうの克さんの表現力良い。
有栖かわいい。

音楽について
各ヒロインのテーマを筆頭に、BGM全体的に良かったです。
OPはもう、、圧巻でした。このゲームでしか味わえないものが詰め込まれていて。 僕の中ではもう、なんて言うか、歴史です。(?)
みゆきち声えろい。映像も色気やばかった。雰囲気出過ぎ

夢というテーマについて
有子以外のヒロインが「夢に逃げる」選択を簡単にとるところは違和感が拭えなかった。他にも、ゲーム性みたいなものが見える場面など、正直好みでない部分もあるにはありましたし、話の展開やキャラの躍動に窮屈さを感じるところも多々ありましたが、
音楽、グラフィック、シナリオ、キャラクター。全ての面において活かされていたと思います。この雰囲気は独特で引き込まれました。なにより演出が素晴らしかった。

最後にもう一度
ラストは素晴らしかった。有栖が愛おしくてたまらなかった。
成長した透が見れて、それがもう一人のヒロインの有子にも繋がっていく。
物語の終わりとしてこれ以上ないものを見せてもらいました。