流れ星に掛けた願いから始まる、愛と感動の学園SF恋愛ファンタジー
あなたにお聞きします。
「想う」とはどういうことだと思いますか?
真に相手を想うならば、どんな覚悟でもできますか? 命をも擲つことができますか?
もしその覚悟があるなら、変わらない星空のように、その想いも変わることはないでしょう…。
本作は一言で言えば、真に『想う』とは何かを教えてくれる作品だ。
または「現代版 織姫と彦星」と言ってしまってもいいかもしれない。
恋愛はすべて「想う」ことから始まると言っても過言ではないだろう。
気づけば相手を目で追い、相手のことを心に気にかけ、その今まで感じたことのない不思議な感情に戸惑いながらも、トキメク…。
「恋は魔法」とはよく言ったものだ。
だが果たして「想う」とは純粋で良いものだけではないだろう。
時には、残酷で、切なく、儚い、そういう部分の方がずっと多い。
そんな時、あなたはそれでも「想う」ことが出来るだろうか?
夢は洋の幸せのため、流れ星に願いを掛けた。
残酷にも洋から自分の記憶を奪ってしまうことになったとしても。
それは、なんと切ないことだろう。
自分なんていない方が良かった、自分と彼が出会わなければ、彼にもこんな想いは味わわせなくても済んだのに…。
洋のことを「想う」からこそ、自分と会わず自分を知らない洋として、他の娘と幸せになっていって欲しい…。
だから夢は願った、無常にも自分の体を蝕む、星空にきらめく流れ星に向けて――。
それが残酷で切ない、洋を愛するがゆえに願った悲しいものだとしても…。
夢の本当の想いを知ったとき、私は涙を止めることが出来なかった。
今までこんなにも切なく、涙なくしては語ることができない純愛ファンタジーが果たしてあるだろうかと、心が激しく震えた。
洋たちは「変わらない星空の下で、俺たちは変わっていく」が、物語の最後まで唯一”変わることのないもの”がある。
なぜソレは変わることがなかったのだろう。
なぜ洋も夢のことを想っていながら、彼女以外の女の子を選ばなければならなかったのだろう。
なぜ死んだ人を「星になった」と言うのだろう。
なぜ人は瞬いている星ではなく、流れる星に願いを込めるのだろう。
その全ての疑問が本作で明かされる。
ただ一つだけ留意しておいて欲しい。
その疑問が晴れたとき、目から落ちるのはウロコではなく、止めることの出来ない溢れる涙であることを…。