色々な面であと一歩足りない気がするゲーム。サブキャラクターはそれなりに豊富だがエロシチュは似たり寄ったり。
攻略順は道長NORMAL→朱・EASY→顕光HARD、晴明EASY。
CG未コンプ(サブキャラは100%)、称号未コンプ。
SLGパートは「慣れれば」簡単で後半は無双状態になる。逆にシステムに慣れなければかなり面倒くさい性質のゲームと言える。
別に超難易度のゲームを求めているわけではないので普通にクリアできればそれでいいのだが、一周毎の雑魚戦闘が多く単調なためニ周目序盤の時点で飽きてしまった。
しかも隠しルートである晴明ルートを開放するには他の三ルートのクリアアイテムが必要なため、セーブデータを取っておいて途中から……というわけにはいかない。
周回引継ぎ要素も乏しく、プロローグ部分から初期レベルでのやり直しを強いられるため、自力コンプリートには結構な気力を要すると思われる。
ただし戦闘に使われているドット絵は中々可愛らしく種類も多いためそこだけは評価したい。
それにしてもこのゲーム、中盤の展開は「全く」と言っていいほど変化しない。
SLGパートは実質一本道でルート分岐が平安京(最後のマップ)とかなり遅く、それまでは仲間にしたユニークキャラたちによるイベントで間を繋いでいる。
まあイベント自体はそれなりに豊富なのだが、如何せん大部分のイベント発生契機が自動でイベント詰まりを起こしやすい。
イベントの優先順位、というよりキャラクターの加入順もほぼ固定なため最低でもこれを4周見続けるのはスキップを駆使してもかなり面倒だった。
次にシナリオだが、こちらは伏線の投げっぱなしが目立つ。
最たる例が五月姫と平将門の関係で、前者が重要キャラなだけにイベントがないのはバグかと疑ったほどだ。
またエロシーンには前触れもなく突入する、ヒロインであるはずの顕光や朱・の過去話がほとんどないなど、どうにもキャラクターに対して思い入れを深めるイベントに乏しい。
テキストは基本的にギャグ成分多めだが、突き抜けて面白いものはない平凡な出来。ノリが合わなければ苦痛を伴うかもしれない。
ルート別に見ると道長ルートが、やはり主人公が元々執着しているヒロインのルートであるため、展開としては最も盛り上がるだろうか。
逆に最悪と言っていいのは朱・ルート。ルートに突入すると始まる無駄に大量な強制戦闘を終えた先に待っているのは、最終地点から初期地点への敵を倒しつつのマラソンである。
しかもこのマラソンの間にはほぼ一切イベントが存在しない。
その戦闘の多さと反比例するかの如きシナリオの薄っぺらさは、テキストによる描写を放棄したのではないのかと思えるほどだった。
しかもエロシーンは暗転カット(!)である。何の冗談だろうか。
晴明ルートは展開が朱・ルート以上に強引だが、晴明自体が可愛いのとようやくゲームが終わるという解放感もあってかそこまで苦痛ではなかった。
サブキャラクターの中でも特に気に入ったのが平将門。
主人公は不快にならない程度に自分勝手で◎。
ヒロインはやはり安倍晴明が可愛かった。このキャラクターがデレると聞いて買ったといっても過言ではない。
システムは、
ADVパートでも無駄にCPU使用率が高い。
既読判定が一部機能していない。
バックグラウンド動作ができない。
など快適とは言い難い。
シナリオの粗が目立ちゲームの大部分を占めるSLGパートがすぐに飽きてしまったため55点。
ただし気に入ったキャラクターが多いので60点。
それにしても、体験版の時点で分かっていたことなので評価するにあたっては気にしなかったが、せっかくエロゲー界隈では珍しい平安時代を舞台にしているのにそれをぶち壊す設定とギャグテキストは非常に残念でならない。
・細かいこと
ラスボスで主題歌が流れるのはすごく盛り上がる演出だけど戦闘の戦闘の合間に途切れてしまってズコー。