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RolanDellさんのすくぅ~るらぶっ!3 ~未来へのアレグレット~の長文感想

ユーザー
RolanDell
ゲーム
すくぅ~るらぶっ!3 ~未来へのアレグレット~
ブランド
DisAbel
得点
65
参照数
2937

一言コメント

このゲームを買った理由としては、昭和63年という中途半端に古い舞台設定とか、事前情報が気になったのが一点。 このブランドとこのシリーズが、批評空間ではおしなべて低評価で、誰も注目してなさそうなのが一点。 で、結果からすると「批評」の対象としては低評価も仕方がないと思いましたが、そんなに不満でも有りませんでした。 長文はゲームの内容とは殆ど関係無い個人的な話がメイン。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

<ちょっと古い過去>
このゲームの主な舞台は昭和63年で、約20年前なのでエロゲーマーの中でも高めの年齢層でないと当時の様子は覚えていないでしょう。ちなみに、自分は良く覚えてますよ。
ゲーム内での描写は、携帯やインターネットなどの情報分野を除けばあんまり今と変わっていないという状況ですが、自分もそんなふうに思います。
ただ、当時から連続で知ってるからそう思うのであって、このゲームの主人公のように当時生まれていない人間が本当にそう思うかはやや疑問です。まあ、未来と違って過去の事なので、書籍や映像などで知る事は可能なので、あまり違和感は感じないかも知れません。

それは兎も角、約20年前の世相はそれなりに描写されてます。しかし、それが面白いという程でもありません。要するに、昭和を知ってる人を懐かしがらせる程でもなく、昭和を知らない人を驚かせる程でもないかなと。
ていうか、一体どんな年齢層のプレイヤーを想定したのでしょうね・・・

なお、このゲームの全体的な雰囲気はやや古く、10年くらい前でも有ったようなゲームですが(これに限らず妙にセンスが古いゲームというのは良く有りますが)、そういう点では時代背景に有ってるような気もします。多分わざとそうしたのでは無いでしょうが。

<続編?>
これの前作はやってないので詳細は不明ですが、舞台となる学校が前作(前々作?)と同じで、前作の登場人物がサービス的に出てきます。いや、サービスというより使い回しでしょうか。キャラデザが違うのでちょっと違和感有ります。大半を占める過去編には影響無いようです。
あと、ゲームシステムも使い回しかも知れません。
わざわざ続編にする必要も無いくらいの関連性ですが、前作をやっていればクスリとは出来たのかも知れません。
使い回した分のコストは削れますが、この批評空間に限れば、このシリーズの評価は全く高くないので、続編にする事でネガティブな印象を与えそうな気もします。

<時間モノ>
時間モノのSFな訳ですが、その点での評価はちょっと厳しいです。最後の展開はちょっとだけデザイアとか思い出しましたが、緩すぎです。
タイムパラドックスとかループ設定とか語れる程ちゃんとしてません。かなり辻褄が合わない事になってます。

*特に変な所は一番下に書いておきます。

<ヒロイン>
やや古風な造形ですが、ちょっと昭和らしくて良いかも知れません。これは多分狙った所なのでしょう。個別のルートはそれぞれ2~3時間でボリュームは明らかに不足してますが、Hシーンはメインの5人が各3回(一人優遇措置あり)で、今時のエロゲーとしては標準的な分量でしょう。
ただ、CVがかなり個性的というか、Hシーンのテキストが良くないというか、聞いてて辛い事が間々ありました。
絵はなかなか好みでしたが、一部「え?ここにCG無いの?」と感じる事が有りました。あと、水泳のシーンは明らかに変です。

<シナリオ>
シナリオのボリュームについては不満です。特に物語全体の進行に関わるヒロインは個別の日常シーンとか仲良くなる過程が薄いです。
また、シナリオの繋がりが変(一日しか経ってないのに、そんな日々が続いたとか)な所が多いのだけど、ちょっと修正すれば済みそうなレベルのものが多くて、仕上げの雑さを感じてしまう。
ルートに入れば分岐は殆ど無いので、整合性は取りやすいと思うのだけど・・・

<全体>
シナリオの短さは仕方がないとして、全体的に仕上げが粗いという印象です。あと10%くらい頑張れば良くなりそうな気がするのですが、最初からそれなりのレベルで仕上げているのであれば、仕方が無いですね。

<個人的な事>
このソフトとは全く関係無い話ですが、このエロゲ批評空間に参加して結構経ちますが、もちろんメリットが多いのですが、デメリットも有ります。
それは、ゲームを買うのもプレイするのも新鮮な驚き(場合によっては落胆)が薄くなってしまったという点です。
自分好みのお目当てのソフトを多角的に探せるのは良いのですが、その探している段階でどんなソフトだか判ってしまいます。また、新作のソフトでも注目作だと発売日直後からどんどんと情報が入ってきます。まあ、新作の場合は他人の評価を見なければ良いのですが、やっぱりつい見てしまうので。
さらに、旧作でも購入予定が積み上がってしまってますので、衝動買い予算も少なくなり。

で、今回新作でこのソフトを購入した一番の理由は、エロゲ批評空間でのこれまでの評価の低さだったりする訳です。案の定、発売後一週間経っても誰も評価してませんし・・・
昔のように雑誌とかパッケージ裏の情報だけでゲームを買ってプレイするのは良いものだと思ったりしました。なんだか今回はプレイしてて楽しかったです。




<以下ネタバレ シナリオの変な部分>




悠里ルートにて、校長を退陣させてバグが解消したのなら、ゲーム冒頭のバグが解消していない現在の学園で元教頭が校長になっているのは変なのでは?

愛ルートにて、愛が死亡する事とバグが関係無いと思われるのに、最終の亜莉子ルートでバグが解消した状態の愛が元気になってるっぽいのは変なのでは?

全てのバグが解消しなければループが終わらないのであれば、亜莉子以外のヒロインのエンディングが有るのはおかしいのでは?