面白かった、以下ネタバレ
始めに不満点、合わなかった要素
・3PのHシーンが強引すぎる。いくらエロゲとはいえ特に恋愛関係になっていないヒロインとセックスするのはプレイヤーの立場でもヒロインの立場でも違和感がすごい。
・10年前の描写が少ない。 断片的に語られているので、改めて読み直して全てをまとめれば充分な描写になっているかもしれないが、1周目の通読した感想としては、特に主人公と理亜との間にどういったやり取りがあったのか、なぜ主人公を好きになったのかの描写が少なく感じ、結果的に理亜√での感情移入が一部妨げられたと思う。
以下、良かった、気に入った要素
・読み手の先入観を逆手に取った展開。 どの√も真相が明かされるまで完全に騙される、手のひらの上で踊らされてしまった。共通√の最後は完全に主人公と約束していたと思ったし、玲奈√は野球部を辞めるくだりを完全に勘違いしていた。千恵華が妹というのも全く気づいていなくて、途中までずっと寝取られた気持ちになっていた。シルヴィとエルの関係や、理亜の病気については真相が明かされる前にある程度気づけてしまったが、この2つについては以下に書くようにそれでも楽しめた。
・シルヴィとエルの関係。 上に書いたように共通時点からかなり匂わせていたので気づいてしまったが、それでも二人が背中合わせに立っているCG、およびシルヴィが(実際には好待遇だが)人質として奪われるという展開は、悲劇であり感動するものがあった。
・理亜の真相。こちらもある程度気づいてしまったし、シルヴィの髪も理亜にあげたんだろうな、ということは予想できた。ただ、10年前のキャンプがたんなる遊びではなく慰問であったこと、病室で泣きながら初めて病気を明かすところは少し泣いてしまった。逆に言うと理亜√はこの中盤がピークで、終盤に向かっては読み手の側としてもジェットコースターのように一気に進んでしまい、特別死の展開で泣くことは無かった。ただし、理亜√終盤の演出は心を揺さぶるものであったのは確かで、感情の揺れ幅は小さいものの、この揺れ自体はしばらくの間続きそうである。