この作品の一番好きなテーマについて
様々なテーマが盛り込まれている作品ですが、自分が一番印象に残ったのは、未来の意識は過去の意識に干渉するという部分です。
文字だけ見るとそんなことありえるのか？と思いますが、作中では意識とは量子であり、量子は時間を超えて別の量子に干渉する（量子テレポーテーション）という説明がされていました。
この量子力学的説明に納得できるかはともかく、作中での使われ方がとても好きです。
一般的には、未来には○○な可能性があるから、その可能性をつかむために努力する、という話が多いですが、本作は少し違いました。（一部そういう要素はありますが）
例えば久遠√では、未来（死ぬ前）に母と和解する可能性があるから、過去の自分も母を大嫌いにはなれなかったとありました。
これって現実を生きる自分達にも通じる部分があると思います。
過去の行動が未来につながるという一方向なあり方ではなく、未来が過去に影響を与えるという双方向なあり方を受け入れると、私たちはたとえタイムリープすることができなくとも、過去の失敗や後悔を未来の行動によってやり直す、あるいはやり直すまではいかなくても、少なくとも過去に対する主観的な受け止め方は変えることができるのだ、というふうに感じました。