ゲットーを抜け出したのだ、という快感。
2007年の怒りの日から約1年半、Dies iraeが再び戻ってきた。
違う、何から何までが違う。そしてそれが一目で分かるのだ。
第6章以降、勢いが失速してしまった前回に比べ、今回はその勢いを更に加速させ、一気に最後まで突き抜けた感がある。
黒円卓(特に三騎士と獣殿)の凶悪さも、蓮のひたむきさも、螢の可愛さも、司狼のデジャヴり具合も、その他すべてが断然に良くなっている。獣殿の登場には、正直恐怖すら覚えた。
さて、それゆえに「最初からコレをやっておけよ…」と思うのは必定だろう。
しかし、正直、2007年版という名のゲットーからようやく抜け出したのだという快感、のようなものをおぼえたのも事実だ。
作品のテーマの一つ「既知感」「永劫回帰」からして、これら一連の動きが全て仕組まれていたのでは?とも思わされてしまった。
「あれ…、そういえばこのレビュー、前回もしたような…」