かわいい
作中に、家族が所有するものが盗難され、それが市場で売却されてしまい、それを市場で買い受けた人を見つけて取り戻したいと思ったが、すでに盗難被害から5年が経過していて残念ながら取り戻せないというシーンがある。このとき、「善意の第三者」だから取り返せないという理屈が使われているが、現行民法では、被害者が、所有権に基づく返還請求権としての動産引渡請求をして、被告（泥棒から市場で買った人）が、192条の動産の即時取得によって所有権を取得し被害者は所有権を喪失したと反論し、結果として被害者が所有権を取り戻せないという理屈であり、現行法とは違うと思った。しかし、本作品の時代設定である1920年での民法がどうなっているのかは私にはよくわからず、そちらが正しいのかもしれないし、なんなら主人公たちのような学生がちょっと難しい単語を使ってみたことに対してかわいさを感じた。