1周目は亜泉ルート推奨
●<評>
設定・シナリオ・テキスト
亜泉が自分の声を発した時は、ちょっと震えました。
上記アウトラインは、亜泉視点から書いてみましたが
ゲーム中でも、主人公視点に混じって
しばしば、亜泉ら各ヒロイン視点でも進行していくのが特徴です。
このおかげで
亜泉は選んだ言葉一つ一つの重さ
日未子は悩める乙女らしさ
エルナはとある人物とのすれ違いの巧妙さが
それぞれよく出ていました。
およそフェニックスの月・マーメイドの月が共通シナリオ
アビスの月とノームの月が個別シナリオとなっており
個別シナリオは、謝花祭での告白までと告白後のシナリオに別れます。
告白までのドキドキと告白後のイチャイチャが
両方充分に楽しめる構成になっているのも○。
各シナリオの盛り上がりどころは
亜泉ならば、声の魔法を修得するまでの告白前
日未子ならば、親友パメラとガチ対決する告白後
エルナならば、妹ニーナとのすれ違いが徐々に埋まってゆく告白後
リアならば、メルクリア様になる日が見えてくる告白後
になると思います。
各シナリオの展開は
元居た世界の家族や親友を諦めることがホントにハッピーエンドなのか?
リアを救おうとマナの樹を植樹育成するのに、たった十数年で足りるのか?
などなどツッコミどころが多くご都合と言われればそれまでなのですが
それでも、補って余りある世界の美しさにイベント量だったと思います。
原画・背景・彩色
背景は今期最高レベルです。
惜しむらくは、美しい背景画と世界設定を持ちながら
インブルーリアの学生の狭い行動範囲しか背景に描かれなかったこと。
やや旅情感は薄く狭い世界に閉じてしまいました。
イベントCG枚数は120枚+SD26枚とかなり豊富で
よい構図です。
その他
声優が大変豪華ですね。
榊原ゆいさんに九条信乃(籐野らん)さんにさくらはづき(手塚まき)さん
それに兼崎晶さんは安玖深音さん?
特に喋れないヒロインというむずかしい役を
安玖深さん、好演してくれました。
システム回りは
基本的なセーブ・Qセーブ・既読/未読スキップ
オート機能・テキスト速度調整があります。
選択肢までスキップ機能もありますが
私のPCスペックではスピードが遅くスキップと大差ない印象。
クリックボイスカットON/OFFも選択可。
●<感想>
1周目は亜泉ルート推奨です!
お互いのキャラクター配置や物語の方向が掴みやすい上
以後、共通ルートと亜泉ルートで亜泉ボイスがONになります。
全ルートで最も爆発力の高いシナリオでした。
ラストはリア・ルートがよいでしょう。
インブルーリアの成り立ちが明らかになっていくのでネタバレが多く
最もボリュームがあります。
全ルートで最も感動するシナリオなのですが
少々ご都合が過ぎるのが玉に瑕かも。
2周目3周目は日未子とエルナを好きな順で。
日未子ルートは最もヤキモチが激しくニヤニヤ成分の濃いシナリオでした。
エルナ・ルートは個人的には一番好きなシナリオです。
妹が痛々しく微笑ましすぎて。
全体の感想としては
リア・ルートはどう考えてもBADエンドしかないような展開で
最後強引にハッピーになってしまう点。
また、もとの世界に戻ってからの話が全くと言っていいほど無く
すごく残尿感が残った感覚。
色々と気になる所はあるのですが
背景や音楽など
世界観を作る上での全体の質が高く
そんなことは色褪せるほど
世界に浸るとかなり気持ちいい空間でした。
エルナ先輩とリアのシナリオは
ひょっとしたら涙するシナリオです。
また、瞬間的なら
亜泉が声を手に入れるシーンは衝撃的ですよ。
なかなか楽しかったです。
アクティべーションの手続も
ネット環境があるならば
起動ディスク認証よりも煩わしさは少なくてよいです。
ただし、中古に回せないけどね…。