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RIGHT EYEさんの人間デブリ コンナジブンニダレガシタ?の長文感想

ユーザー
RIGHT EYE
ゲーム
人間デブリ コンナジブンニダレガシタ?
ブランド
elf
得点
85
参照数
1171

一言コメント

良い意味で古くさく"欲情"を追究した作品。アニメーションもこれまでに最もなめらか。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

●<評>
設定・シナリオ・テキスト
- 寝取られ・レイプ・輪姦など
  ダークな性表現を物語中に「ごく自然」に織り込んでいます。
  ヌキゲーにありがちである
  ご都合よろしい売女が冒頭から悦楽の表情で現れたり
  お姫様や人妻、武士娘に看護婦、軍人、獣耳
  はたまたツンデレ、元気っ娘にブルマ体操服姿といった
  二次元特有のキャラクター設定であったりすることなく
  学園という誰にもある日常から
  ほんの少しズラした舞台で
  ダークな性表現を行っている点が
  かなり好印象でした。
  性表現の生々しさというのは
  「団地妻」とか「間男」、「芸能界入り」
  「就職面接」、「課外授業」、「夜の生活」
  など、日常からホンの1歩ズラした所にこそある
  と感じるのですが、如何でしょうか。
  
  本作はそうした生々しい性表現まずありきで
  設定が始まっていて
  
  ・恋人をレイプ/暴漢によるレイプ・輪姦/逆レイプ
  ・恋人・婚約者の前でレイプ/同級生によるレイプ
  ・催淫によるオナニー/催淫による強制セックス
  ・公開セックス・卑語強制・イマラチオ・♀x♀

  などなど、エロシチュエーションは
  一応、簡易的に表現すると上のようになりますが
  先述した「日常からホンの1歩」どう、ズラすか
  によって簡単に分類を許さないほどこと細かな
  バリエーションを揃えているのが圧巻。
  この、こと細かなバリエーションは
  文中ほとんど「 」の台詞で表現されます。
  テキストの書き分けが見事。
    
  それらを盛り込むためのシナリオ・設定だから
  話が"重い"です。
  特に序盤の病的なストーリー展開は
  "重苦しい"。
  重苦しさから逃れたいからからこそ
  話を先に進めたくなる原動力になります。
  プレイ形式は幾たびBADを繰り替えすことで
  そのたびに新しい選択肢を獲得していくループ式です。
  中盤で物語の謎になっている部分に気づき始めると
  一気に話が進みます。

  もう一つ、最後に大きなどんでん返しが
  あるかとも、思いましたが
  最後はそのまま終了。
  この辺もう一工夫欲しかったですね。
  
原画・背景・彩色
- エルフさんというと
  少々古めかしい絵柄かと思いますが
  今作では彩色面でかなり改善されているのでは
  ないでしょうか。
  アニメタッチでもなく、リアルタッチでもなく
  作風に合った良い絵柄だと思います。
  立ち絵とイベント絵(アニメ中心)で
  全くと言って良いほど絵柄が変わらないのも素晴らしい。
  俯瞰・仰瞰あるいは真横で見た人物のデッサンはやや崩れます。
  また、屋上の端に立つ、土手に並ぶ、暗闇に佇むなど
  動きのある描写は人物・背景ともやや弱いでしょうか。

その他
- エロシーンは全編アニメーション。
  OLE-M、softhouse-seal、SQUEEZ、overflowなどなど
  アニメーションを使うブランドは増えて来ましたが
  今作が一番なめらかで自然かも知れません。
  テキストウインドウを除去した回想があるのも
  大変重宝します。
  システムは(Q)SAVE/LOAD、音量個別調整、既読/未読SKIP
  AUTO、メッセージ速度調整、ウインドウ濃度など充実。
  ただし、クリックボイス継続不可。
  アニメーションだと少々レスポンスが遅いですが
  マシンパワーに依存すると思われます。
  役者さんなのですが、非公開。
  ひかりは海原エレナさんに聞こえたのですが
  気のせいでしょうかね。
  お姉ちゃんはどなたなのでしょう…。
  感情を押し殺すことばかりなので
  役者さんは今回かなり上手く
  こなされたのではないでしょうか。

●<感想>
- 空お姉ちゃん不器用すぎだよ、アナタ!
  なんて愛おしくさせるんでしょう。
  空お姉ちゃんとだけ一緒ENDも
  一つのHAPPYENDじゃないでしょか?
  ひかりはエロになると輝く子。
  せーじ様と一緒END、イワオ様と一緒END
  いずれもエロカワイイです。
  お話は何と言うか少々勧善懲悪ぎみで
  最後もう一ひねり欲しかったです。
  ですが
  そこそこ充実したストーリーの中に
  自然な陵辱エロが豊富にあること。
  これこそ本作の魅力ではないでしょうか。