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Predawnvagabondさんの勇者を引退してよろず屋をオープンしたけど、なぜかアダルトグッズに人気が集中している件。呪われワーウルフ・ヘレナの長文感想

ユーザー
Predawnvagabond
ゲーム
勇者を引退してよろず屋をオープンしたけど、なぜかアダルトグッズに人気が集中している件。呪われワーウルフ・ヘレナ
ブランド
onomatope* raspberry
得点
68
参照数
359

一言コメント

シリーズ3作の中ではストーリーもヒロインも一番好みだった。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

ロープライスの抜きゲー作品としてはオーソドックスな構成で、エッチシーンの合間合間に短い会話シーンが挿入されるわかりやすいものとなっている。
抜きゲーらしさを強く感じる展開でヘレナとはファーストコンタクトの段階でセックスするし、その直後には主人公に懐いてしまう。
しかし、ストーリーは短いながらもファンタジー(異世界転生)らしさを感じられるもので、脳筋魔族ワーウルフのヘレナと元勇者&現代人の主人公の二人が互いの価値観を理解し、戦争の終わった平和な世界での生き方を模索するストーリーはファンタジーならではだった。
主人公に早々に懐いてしまうヘレナだが、互いにしっかりと恋愛感情が芽生えるのは中盤以降で、仲が深まる過程も短いなりに実感できるものだったので、地味ながらもストーリーはよいものだった。
ヒロインのヘレナは脳筋で真っすぐな性格だが、エッチでは恥じらいを見せたり、サブヒロインのダイアナ相手に嫉妬したりと女の子としての魅力がしっかりとあった。

本作のCGは全部で25枚と価格相応のボリュームになっている。
クオリティは原画、塗りともに素晴らしいもので、シリーズ三作の中で一番好みだった。
また、光の演出も素晴らしく、オーブや光源による陰影のつけ方が非常に印象的だった。

本作のエッチシーンのボリュームは回想枠が20回となっていて、エッチシーンの内訳はヘレナが14回、ダイアナが4回、3Pが2回となっている。
回想枠はCGごとに分割されているだけで実際のエッチシーンの数は半数ほどだが、それぞれのエッチシーンの尺は十分に満足できるものだった。
モザイクが小さいのも評価できる点で、プレイ中にモザイクが気になることは一度もなかった。
主人公はよろず屋を経営しており、商品として現代の知識を利用したアダルトグッズを多数製作しているだけあって、エッチシーンでもアダルトグッズは登場する。
しかし、プレイ中のアダルトグッズが多数出ていたという自分の印象とは異なり、実際にエッチシーンで登場するアダルトグッズは乳首バイブレーターとツイスターゲームくらいだった。
個人的に印象に残ったのは3Pのシーンで、ヒロインを二人並べて交互に挿入するようなおざなりなものではなく、しっかりとヒロイン二人の絡みもある素晴らしいものだった。
残念なのは実質的に1回しか3Pのシーンがないことで、せめてもう1シーンくらいほしかった。

システムやコンフィグはメーカーのフルプライスのものがそのまま流用されているようで、概ね快適な環境でプレイできた。
10クリック、50クリック進む機能は面白いもので、周回プレイ時などに見たいシーンを探すなどの目的で便利そうだと感じたものの、周回要素のない本作では出番がなかった。
誤字が頻繁にありパッチを当てることで修正できるのだが、公式HPの修正パッチの存在感が異常に薄く、気づかない人も多いのではないかと感じた。
DL版だとパッチの必要がないようで、最近は本作のような抜きゲーのパッケージ版を購入する人が少ないということなのかもしれないが、それでももう少しパッチを目立たせてほしかった。