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Predawnvagabondさんの勇者を引退してよろず屋をオープンしたけど、なぜかアダルトグッズに人気が集中している件。おしかけご奉仕バニー・ロザリーの長文感想

ユーザー
Predawnvagabond
ゲーム
勇者を引退してよろず屋をオープンしたけど、なぜかアダルトグッズに人気が集中している件。おしかけご奉仕バニー・ロザリー
ブランド
onomatope* raspberry
得点
65
参照数
151

一言コメント

ヒロインの意外性が面白かった。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

ロープライスの抜きゲー作品としてはオーソドックスな構成で、エッチシーンの合間合間に短い会話シーンが挿入されるわかりやすいものとなっている。
主人公はヒロインのロザリーが異性としての好意ではなく、恩返しのためにやってきたためにエッチを拒もうとするのだが、物語開始早々に流されてエッチをしてしまうのは抜きゲーお約束の展開だった。
メインヒロインのロザリーは健気で自己主張が控えめな性格かと思いきや、主人公の勇者時代の仲間に嫉妬したり、エッチで主導権を握ろうとするなど、意外にも自己主張の強いヒロインだった。
更には嫉妬した挙句には拗ねてしまい、無能を装ったサボタージュまで行うなど第一印象は悪かった。
しかし、主人公との仲を深め、店員としても成長する中盤以降は特にネガティブな要因もなくなり、むしろ主人公にはない人当たりの良さで優秀な営業要員になるため、第一印象の悪さは中盤以降は払拭され、健気さと押しの強さの独特のバランスが魅力だった。
ロザリーの意外性はエッチシーンでも発揮され、シーリアとの3PのシーンではSに目覚め、シーリアを責める側になるのもよかった。
ストーリーは第一作の「呪われワーウルフ編」と比較すると、公式HPにも書かれている本作のコンセプトである「異世界異文化コミュニケーション」らしさは薄かった。
というのも、ワーウルフ族が種族としての性格や価値観が設定されていたのに対し、バニー族は内面についての設定が少なく、見た目以外に異種族っぽさが少なかったためである。
ところで、バニーガールならぬバニー”族”というのは初めて見たのだが、男のバニーも存在するのだろうか?見たいような、見たくないような・・・

本作のCGは全部で25枚と価格相応のボリュームになっている。
クオリティは原画、塗りともに素晴らしいもので、個人的な好みを言うのなら「呪われワーウルフ編」の原画の方が好きだったが、あくまでも好みの問題でクオリティはどちらも同レベルだった。
ワーウルフ編と同様に光の演出も素晴らしく、オーブや光源による陰影のつけ方が非常に印象的だった。

本作のエッチシーンのボリュームは回想枠が22回となっていて、エッチシーンの内訳はロザリーが16回、シーリアが2回、3Pが4回となっている。
回想枠はCGごとに分割されているだけで実際のエッチシーンの数は半数ほどだが、それぞれのエッチシーンの尺は十分に満足できるものだった。
モザイクが小さいのも評価できる点で、プレイ中にモザイクが気になることは一度もなかった。
主人公はよろず屋を経営しており、商品として現代の知識を利用したアダルトグッズを多数製作しているだけあって、エッチシーンでもアダルトグッズは登場する。
実際にエッチシーンで登場するアダルトグッズはオーソドックスなバイブレーターから搾乳機、ウーマナイザー(クリトリス用の吸引バイブ)などのマニアックなものもあった。
個人的に印象に残ったのは3Pのシーンで、ヒロインを二人並べて交互に挿入するようなおざなりなものではなく、しっかりとヒロイン二人が互いに愛撫したりと絡みがある素晴らしいものだった。
ロザリーはエッチシーンでも意外性のあるヒロインで、3Pではロザリーの方がシーリアを攻めるというのは面白かった。
また、「呪われワーウルフ編」では実質1回だけだった3Pシーンが2回あるのは嬉しいポイントだった。

システムやコンフィグはメーカーのフルプライスのものがそのまま流用されているようで、概ね快適な環境でプレイできた。
10クリック、50クリック進む機能は面白いもので、周回プレイ時などに見たいシーンを探すなどの目的で便利そうだと感じたものの、周回要素のない本作では出番がなかった。
誤字が頻繁にありパッチを当てることで修正できるのだが、公式HPの修正パッチの存在感が異常に薄く、気づかない人も多いのではないかと感じた。
DL版だとパッチの必要がないようで、最近は本作のような抜きゲーのパッケージ版を購入する人が少ないということなのかもしれないが、それでももう少しパッチを目立たせてほしかった。